こんにちは、水ソムリエ&水鑑定士の竹村和花です。
ここ1、2週間、フィレンツェでは毎晩のように雨が降り、少しずつ冬が近づいて来ているのを感じます。ペルゴラやヴェルデなど市内に点在するテアトロ(劇場)では毎週末コンサートやオペラが開催され、芸術の秋も本番を迎えています。
<秋のトレッキングは身近な場所から>
さて秋のヨーロッパですが、紅葉がすすむのと併せて、どの国でも小さな村や町で秋の収穫祭やフェスタ、市場が立ちます。日本では紅葉の進む季節、秋の行楽シーズンが訪れるのと併せて各地で新蕎麦や焼き栗、秋野菜の初ものを楽しむイベントが開かれますが、それと少し似ていますね。
気候の良い季節。ぜひ気軽に旅先や近隣の町の季節イベントに参加し、心地よい太陽の光を浴びながら1日中屋外で過ごす時間をとって頂きたいなぁと思います。
さて、この近隣へのおでかけウォークや町なかトレッキングを楽しむ時に、ほんのちょっぴり意識して頂きたいのが「水分補給」です。
みなさんは運動をした時や、夜眠っているときに足がつって目が覚めたという経験はありませんか?
私は普段、石畳の街を毎日最低2時間ほど歩く(歩かざるを得ない)生活をしています。夏の帰国を終えイタリアに戻ると、10月に入った頃から夜に足が痙攣し、痛くて目が覚めることがあります。
気温が下がり過ごしやすくなる季節になると、夏場に比べどうしても水分補給量が減ってしまいます。夜、痛くて目が覚めてしまうほどの足の痙攣は、いつも水分補給のバランスが崩れるこのタイミングでやってくるのです。
<マッサージ×水分補給で脚の疲れケア>
夜中の痙攣を防ぐ上で、大切な事。
それは夏場にも増してタイミングの良い水分補給プラスαの知識です。
ぜひ次の3つのことを意識して、水分を取ることを心がけて下さいね。
1)軽い運動をするときには、その前後に十分に水分補給をすること
2)お風呂でしっかり温もり、血行を良くして筋肉をほぐすこと
3)お風呂あがりのマッサージと水分補給を心がけること
足の痙攣は、運動量そのものや睡眠と直接関係しているわけではありません。
ただ運動することによって汗をかき、カラダの中の水分が汗として出ていってしまうこと。さらに汗といっしょに、さまざまなミネラルが失われミネラル不足の状態になってしまうことと関係しています。このミネラル不足の状態がボーダーラインを超えると、神経が興奮状態になり正常な筋肉の状態が保てなくなって、結果的に筋肉が痙攣する「足がつる」という症状が引き起こされるのです。
夜眠っている状態の時は、知らず知らずのうちに汗をかいていてミネラル不足の状態が引き起こされやすくなっているのです。
登山やトレッキングなどの運動中や、夜眠っている時に足が痙攣してしまのは、どちらも「汗をかきやすい状態」が続き、体内のミネラル・バランスが崩れていることを示しています。
そのため、夜眠る前のコップ1杯の水は、できるだけミネラルを含んだものにする方が良いと言えます。
<ミネラルウォーター×秋野菜のマリア―ジュ>
さてこの「足がつる」という症状ですが、実はその原因の1つに「カリウム不足」が考えられています。
人間のカラダはミネラルやカリウムといった成分を使って筋肉を正常な状態に保っていますが、このバランスが崩れた時に「足がつりやすく」なるのです。でも暮らしの中のリズムや毎日の食材を少し工夫することで、「足がつりやすくなる」のを予防する方法があります。
1つはミネラルウォーターを選ぶときに「カリウム」の多い水を選ぶこと。
2つめは夜眠る前に、カリウムの多い水を飲むこと。
3つめは食事やおやつに「カリウム」を沢山含んだ秋野菜や果物を食べること。
私達のカラダは、常に新鮮な野菜や果物をとらないと、どうしても「カリウム不足」になってしまいます。けれどカリウムに限らず、ミネラルを沢山含んだカラダに良いミネラルウォーターは、どうしても味が個性的になりがち。
そこで気温の下がる秋からの水分補給として提案したいのは「ミネラルウォーターを調理水として活用する」アクア・クッキングです。気温も下がりはじめる時期ですので、煮ものやシチューなどのベースにミネラル水を活用してみて下さい。
またその時に、カリウムを沢山含んだ野菜を具材として煮込み「水の中に溶け出してしまったビタミンやミネラルも一緒に食べる」ことで、効果的なカリウム補給をしていきましょう。
次のページでは、今月のおすすめ銘柄についてくわしく紹介します。
<今月のおすすめ銘柄>
EFFERVESCENTE NATURALE(エッフェルベシェンテ)
イタリア南部のバジリカータ州・ポテンツァ郊外に水源をもつ水です。自然環境に恵まれた一帯が広がる州ですが、この水の最大の特徴は遊離炭酸が2900mg/Lも含まれていること。日本の温泉基準で見ると「炭酸泉」にあたります。さっぱりした後口ですので濃厚なお料理やフルーツカクテルの割水としておすすめです。
【水タイプ】
産地泉源:イタリア/バジリカータ州(ポテンツァ市 郊外)
湧水温度:20.4℃
水タイプ:発泡
知覚ほか:無臭/pH 5.9
ミネラル:カリウム:50.0mg,カルシウム:155mg,マグネシウム:59mg,シリカ:110mg,硝酸塩:3mg,塩化物:39mg,硫酸塩:125mg,重炭酸:966mg ※イタリア国内での分析による(per.L)
【水ソムリエの飲み方レシピ】
カリウムは水に解ける性質があるため、野菜に含まれるカリウムは調理法そのものを工夫する必要があります。効果的なカリウム補給にオススメな野菜はジャガイモやサツマイモ。焼き芋やふかし芋としてそのまま丸ごと食べることができるほか、シチューの具材として少し多い目に入れて濃厚なテイストのアクセントとして使うのがススメです。溶け出したカリウムをスープとして丸ごと食べられるのも魅力ですが、便秘に効果的な食物繊維も沢山含まれています。
<ショップ情報> アマゾン,インターネットショップ,リカーショップ※主にイタリア国内での流通。