心身の元気を取り戻すには、タンパク質がもっと必要だった!
健康のためには野菜中心の食事がいい。そんな考えのもと、肉を中心とした高タンパク質の食材を敬遠している人も多いのでは? しかし、最近では、心身の不調や病気、肌や髪の老化の予防、筋肉や骨の強化、健康的なダイエットに欠かせない栄養素として、"タンパク質"をもっと積極的にとるべき! という考えが主流に。
いつまでも健康で病気知らずで、若々しくいるために、タンパク質をいかに毎日、上手に効率よくとるか? が課題。正しい知識と、実践する際のコツや注意点をマスターして、正しい"タンパク質"ライフを送りましょう!
PART1
圧倒的に足りていない!
日本人のタンパク質事情③
あなたは十分にタンパク質を摂取していますか? と聞かれて、自信を持ってYesと答えられる人は少ないのではないでしょうか? 今の日本人はタンパク質不足と言われています。その背景とは?
ここでは日本人のタンパク質事情について、免疫、腸研究の第一人者の藤田紘一郎先生に教えていただきます。
美・健康・長寿にとってなぜタンパク質が欠かせないのかという、5つのTOPICSをご紹介。前回に続き今回は、コレストロールと動物性たんぱく質の重要性についてのTOPICS2、3です。
美・健康・長寿のためにタンパク質が欠かせない!
TOPICS 5
【TOPICS 2】
50歳を過ぎたらコレステロールは必要な栄養素
コレステロールは健康に悪いとされてきましたが、実は最近の研究で、コレステロール値が少し高めのほうが、死亡率の低いことがわかっています。人間の体は約37兆個の細胞からできており、つねに新しいものに生まれ変わっています。健全な細胞を作るためには、細胞膜の材料になる、肉や卵に含まれるコレステロールが不可欠。これが不足すると、新しい細胞が作られなくなり、老化が進み、寿命を縮めてしまいます。
【TOPICS 3】
多くの通説は都市伝説だった。
長寿者はみんな肉が大好き!
長い間、カロリーを抑えた粗食こそが健康長寿の秘訣と言われてきました。しかしこれは動物実験を元にした説で、人間には当てはまりません。そこで100歳近い長寿者の食生活を調査したところ、ほとんどの人が肉や魚、卵などの動物性タンパク質を多く食べていて、菜食主義者は一人もいませんでした(藤田先生・調査より)。粗食だった昔の日本人の寿命は30~40年。それが長寿国になったのは、日常的に動物性タンパク質が食卓に並ぶようになってからです。
次回は、若さを保つためにも、がんや認知症の予防にもタンパク質が必要! という、TOPICS4、5をご紹介します。
藤田紘一郎さん Koichiro Fujita
1939年生まれ。東京医科歯科大学名誉教授・医学博士。
専門は寄生虫学、感染免疫学。
免疫、腸研究の第一人者。腸や長寿食に関する著書多数。
近著に『50歳からは肉を食べ始めなさい』(フォレスト出版)
撮影/鈴木泰介 スタイリスト/中野径恵 取材・原文/山村浩子
監修/藤田紘一郎 撮影協力/UTUWA