知っているようで、誤解していることも多い骨のこと。正しく知って、正しく対処! 骨の健康を守るために、今から知っておきたい「新常識」をチェック!
今回の話を伺った先生
光伸メディカルクリニック院長。整形外科医、医学博士。近年、注目の若返りホルモン「オステオカルシン」の研究を進め、骨の強化と全身の機能回復を両立する「骨たたき体操」を考案。近著に『医者が考案した骨粗しょう症を防ぐ1分間骨たたき』(アスコム)がある
自分でも気づかない骨折がある?
→答えは◎です
知らないうちに折れている…そんな骨折は背骨でよく起こります。「背骨は椎骨という小さな骨が積み重なってできていて、骨粗しょう症になると、その要となる椎体の内部がスカスカに変質してもろくなります。すると体の重みやちょっとした衝撃で簡単に押しつぶされます。これが『いつの間にか骨折』です」
骨が弱ると老けて見える?
→答えは◎です
顔のシワやたるみも、骨の老化が原因かも!? 「顔の土台となる頭蓋骨が老化すると、骨が縮みます。特に目のくぼみが広がり、下あごの骨が痩せる傾向が。すると骨にのっている皮膚や筋肉が余ってしまい、目や口のまわりにシワやたるみができるのです。骨密度が高い人ほど、皮膚にハリや弾力があるというデータもあります」
早寝早起きは骨には関係ない?
→答えは×です
朝起きて、夜寝る規則正しい生活。実は骨の健康にとても大切です。「骨の主成分カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、食事からもとれますが、太陽光を浴びることで体内で合成されます。朝起きて昼しっかり活動することは、骨の健康維持のサポートに。また、睡眠時間が短い人は骨折率が高いという報告もあります」
ベジタリアン食は骨にいい食事法?
→答えは×です
野菜を積極的に食べることは、健康のためには大切です。「しかし、肉や魚、卵や乳製品などを一切食べないのは、骨を丈夫にするという観点からはおすすめできません。やはり、必須アミノ酸が含まれている動物性タンパク質は必要です。食事は、骨をつくるのに役立つ栄養素を含めて、バランスよくとることが肝心です」
イラスト/Jessie Hartland(CWC TOKYO) 構成・原文/山村浩子