心のトラブルにも、タンパク質は効果を発揮します。神経伝達物質の材料を補うことが改善のポイントです。
今回の話を伺った先生
上西一弘さん
Kazuhiro Uenishi
女子栄養大学栄養学部教授。大学のゼミでは選手のパフォーマンスが上がり、勝てる体をつくるためのスポーツ栄養学を研究し、指導にあたる。著書に『新しいタンパク質の教科書 健康な心と体をつくる栄養の基本』(池田書店)など
ストレス・うつに!
精神を安定させるセロトニンの材料、
トリプトファンをチャージ
セロトニンが不足するとストレスやうつの原因に。
「セロトニンを増やすには、材料となるトリプトファンを脳に運ぶ必要がありますが、BCAAなどトリプトファンと同じタイプのアミノ酸があるとトリプトファンが脳に入りません。
バナナなどトリプトファンが多い食材をとって濃度を上げ、同タイプのアミノ酸は減らして」
トリプトファンが多い食材は、バナナ、牛乳、チーズ、納豆、鮭、カツオ、マグロなど
イライラ・情緒不安定に!
グルタミン酸をとって、興奮を抑えるGABA不足の解消を
興奮を抑える作用がある神経伝達物質のGABAが不足すると、イライラや情緒不安定に陥りやすくなります。
「GABAの原料のグルタミン酸をとるのがおすすめですが、ストレスや腸内環境の乱れがあるとその修復に優先的に使われるので、ストレス対策と腸内環境を整えつつとるのがコツ。GABAの合成にはビタミンB6も必要です」
グルタミン酸は昆布や玉ねぎ、チーズなど、ビタミンB6は玄米、にんにく、レバーなどに含有
イラスト/二階堂ちはる 取材・原文/和田美穂