眼輪筋(がんりんきん)の衰えが大きな原因
日頃から、スマホやパソコン操作などで、目を酷使している人も多いはず。そこに老化が加わり、40歳を過ぎた頃から、目の下のたるみが一気に進んだという人も多いのではないでしょうか?
「目の下のたるみは、主に眼輪筋の衰えが原因です。眼輪筋とは、目のまわりを囲むようにあるドーナツ状の筋肉です。
この眼輪筋は3つのパートに分かれています。まぶたの部分に当たる『眼瞼部(がんけんぶ)』は、収縮することでまばたきや、軽く目を閉じる動作を担います。眼窩(がんか=アイホール)の縁は『眼窩部』といい、眼瞼部と連携して、目を強く閉じたり、目を細めるときに働きます。目頭の近くにある『涙嚢部(るいのうぶ)』は、涙を鼻涙管(びるいかん)に流し込むのを助けています。
これら眼輪筋の働きにより、喜怒哀楽の感情を顔で表現することができるのです。そして、ここが老化することが、たるみなどの目元の悩みの大きな原因に!
例えば、スマホやパソコン操作に夢中になると、まばたきが少なくなります。すると慢性的に眼輪筋が緊張状態になり、やがて筋力が低下します。そこに眼窩部の脂肪が重力で下がってくると、それを支えきれなくなり、目の下にたるみができるわけです。
それだけでなく、まばたきが少ないと涙が適切に出なくなり、ドライアイになりやすくなります」(木村友泉さん)
【眼輪筋の衰えで起こる悩み】
〇目の下のくま・たるみ
〇目尻のシワ・たるみ
〇まぶたのたるみ
〇目元にハリがない
〇目が疲れて見える
〇額のシワ(眼輪筋だけで目を開けていられず、額の筋肉も使うから)
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目の下をつまんで揺らして眼輪筋を緩める
こり固まった眼輪筋を緩める習慣をつけるのが、目のたるみ解消の近道!
ウォーミングアップ
目のまわりの筋肉を揺すって緩めます。
両手のひらで両目を覆います。この状態で両手を左右に小刻みに4~5秒揺らします。
目の下を揺する
目の下をつまんで上下左右に揺すっていきます。
右目下の骨のあたりの筋肉を、右手の親指と人差し指でつまみます。
つまんだまま、上下に2~3回、左右に2~3回小さく揺すります。
目頭から目尻に向かって少しずつ位置をずらして、目の下の4~5カ所に行います。
皮膚を強く引っ張ったり、こすったりせず、ごく軽い力で優しく行うのが大きなポイントです。
左手を使って左目も同様に。
目尻のシワをのばす
目尻を上下に優しく引っ張って、表情ジワをケア。
右のこめかみに、右手の中指と薬指の腹を当て、その下に左手の中指と薬指の腹を当てます。
その手を優しく引くようにして、目尻のシワ、通称「カラスの足跡」をのばします。
皮膚を強く引っ張ったりせず、力を入れすぎず、ごく軽い力で優しく行うのがポイントです。
顔には、触覚刺激によりストレスを癒す効果があるとされる、「C触覚線維」が存在します。これは1秒に5cm前後のゆっくりした速さで触ると、心地よさを感じます。目のまわりのケアは特にソフトタッチでゆっくり行いましょう。
これを左も同様に行います。
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両目の下をなでる
両手の中指の腹(薬指でもOK)を使い、左右の目の下を目頭→目尻に向けて同時に、4~5回優しくなでます。目の下にたまったリンパを耳の前にある耳下腺リンパ節に流すようなイメージです。
「目のまわりの皮膚はとてもデリケートなので、強くつまんだり、こすったり、引っ張ったりするのはNG!ごく軽く優しく行うようにしてください。
一日の終わりに、目が疲れたと思ったときに行うといいでしょう。目のまわりの筋肉の緊張が緩み、血流がよくなることで、目元が生き生きとしてきます。目の疲れが取れて、視界もクリアになると思います」
【教えていただいた方】

LHJ(Life &Health Joy)代表。薬剤師として勤務するかたわら、リンパケアのインストラクターに。体に負担がなく、効果的な美容・健康法であるリンパケアの普及に取り組んでいる。テレビ、ラジオ、講演などで活躍。著書に『60歳からのリンパケア入門』(宝島社)、『1日10分でどんどん若返る! 一生使える若返りリンパケア』(三空出版)など多数。
撮影/フルフォード海 取材・文/山村浩子