おでこのシワは頭の筋肉のこりが大きな原因
おでこにできる横や縦のシワは、多くは表情の癖によってできる表情ジワです。こうしたシワはどうやってできるのでしょうか?
「例えば、目を見開くような表情や、眉毛を上げたり下げたりする表情をよくする人はおでこに横ジワができやすくなります。表情豊かな人に多いですね。
また、眉間に縦にできるシワは、眉をひそめる表情が癖になっている人にくっきりと現れます。何かに怒りを感じることが多かったり、スマホやパソコン操作に集中していると、知らず知らずのうちに眉間にシワを寄せている人も少なくありません。
頭の筋肉は『前頭筋』『後頭筋』『側頭筋』という3つの筋肉から構成されていて、これらを頭頂部にある『帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)』という腱膜がつないでいます。こうした4つの部位が柔軟性を保っていれば、それほどおでこにシワは寄りません。しかし、これらが加齢やストレス、生活習慣などで硬くなっていると、動きが悪くなり、皮膚の薄いおでこに集中してシワが寄ります。
こうした頭の筋肉や腱膜がこり固まると、おでこのシワだけでなく、疲労感や頭痛などの不調を引き起こすこともあります」(木村友泉さん)
おでこのシワは前頭筋のこりを緩めることから!
「なかでも、おでこのシワに直接関係するのが前頭筋です。前頭筋は前髪の生え際からおでこ、眉上、鼻の根元に広がる筋肉で、顔の表情を作り出すのに関与しています。ここを常に柔軟に保っておくことがとても大切です。それには、日頃からおでこを心地よくほぐしておくといいでしょう」
ウォーミングアップ
前頭筋を揺すってほぐします。
前頭骨を挟むようにおでこに両手を当て、全体を覆います。両手の指と手のひらを皮膚に密着させて、骨を揺らすイメージで振動を与えるように、左右に小刻みに4~5秒揺らします。
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前頭筋を緩める
こぶしでおでこ全体に圧をかけて、前頭筋を緩めます。
右手でこぶしを作り、この第二関節の部分をおでこの上部(髪の生え際)の中央に当てます。こぶしを軽く押し当てたまま小さく左右に揺らします。続いて、その右横に少し位置をずらして同様に行います。これをおでこ中央からこめかみに向かって3カ所ほど行います。
次に、位置を少し下にずらし、おでこ中央からこめかみに向けて、少しずつ位置をずらして同様に行います。
さらに位置を少し下にずらして同様に。おでこの右半分をまんべんなく揺らしていきます。
続いて、左手でこぶしを作り、おでこの左半分も同様に行い、おでこ全体をまんべんなく揺らしていきます。
両手を同時に使って、おでこを左右同時に行ってもOK。心地よいと思う圧で行い、少し痛みを感じるところはこりが強い部分なので念入りに!
眉頭の下をプッシュ!
眉頭の下にある「攅竹(さんちく)」のツボを刺激します。
両手の親指の腹を左右の眉頭の下に当て、下から上に向かってじんわりと2~3秒、圧をかけます。痛気持ちよく感じませんか? ここは攅竹というツボで、ストレスや緊張をほぐし、目の疲れや頭痛、鼻づまりをやわらげる効果があります。
眉まわりの筋肉を緩める
眉を上下から挟んで、眉まわりの筋肉をほぐします。
左右の眉頭を、両手の親指と人差し指でつまみます。眉を上下から挟んで、軽く力を入れてモミモミと小さくもみます。少し位置をこめかみのほうにずらして、同様にもみます。これを数カ所行い、眉全体をもんでいきます。
「気持ちよくありませんか? 眉のまわりは、スマホやパソコンの操作や表情癖などで、思いのほかこっています。こうしたこりや疲れを、毎日こまめに解消していくことが大切です。
前頭筋を緩めることで、おでこのシワの予防・解消のほか、顔の血色がよくなり、顔全体のリフトアップ効果も。気持ちをリフレッシュさせ、目の疲れや頭痛を軽減するのにも役立ちます」
【教えていただいた方】

LHJ(Life &Health Joy)代表。薬剤師として勤務するかたわら、リンパケアのインストラクターに。体に負担がなく、効果的な美容・健康法であるリンパケアの普及に取り組んでいる。テレビ、ラジオ、講演などで活躍。著書に『60歳からのリンパケア入門』(宝島社)、『1日10分でどんどん若返る! 一生使える若返りリンパケア』(三空出版)など多数。
撮影/フルフォード海 取材・文/山村浩子