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休日に寝だめ、トイレで目が覚める・・・こんな状態があったら、あなたの「睡眠の質」は要注意!

日本は有数の「睡眠負債大国」といわれ、近年、「睡眠」に対する意識は高まりつつあります。しかし、「ただ眠る」だけではその効果も半減。睡眠の最新事情を知って、あなたの心と体を若返らせる、「質の高い睡眠」を手に入れましょう。

三島和夫
三島和夫さん
医学博士
公式サイトを見る

秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座教授、日本睡眠学会理事。 睡眠薬の臨床試験ガイドライン、睡眠障害の病態研究などに関する厚生労働省研究班の主任研究者などを歴任

 

【睡眠の質】
こんなあなたは要注意!

  • ・朝、起きた瞬間から疲れている。
  • 寝るまで3秒。寝つきがいいのが自慢!
  • ・夜中、トイレで目が覚める。
  • ・7時間寝たはずなのに眠たい。
  • ・自分のいびきで起きることがある。
  • ・ベッドからなかなか抜け出せない。
  • ・最近、集中力が続かない。
  • ・休日に寝だめしている。
  • ・睡眠不足は仕方のないこととあきらめている。
  • 心配事がぐるぐると頭を巡って寝つけない。

睡眠/イラスト

 

睡眠の新常識
質のよい睡眠は人それぞれ

近頃よく耳にする「睡眠の質」。心身の疲れをリカバーしてくれる、誰もが手に入れたい「質のよい睡眠」とは、いったいどんなものなのでしょうか?

 

着目すべきは、すっきりとした朝!
自分なりの睡眠習慣を手に入れて

「実は、質のよい睡眠を判断する正確な基準はありません。年齢や体質によって必要な睡眠時間や眠たくなる時間は異なりますし、睡眠障害による疾病リスクも人それぞれです。朝、すっきりと起きられ、日中に強い眠気や倦怠感、不安定な気分などがなければ、それは質のよい睡眠がとれているとみてよいでしょう。逆に起きるのがつらく前述のような症状があるようなら、睡眠負債がたまっているのかもしれません」

伸びをするイラスト

 

本当に怖いのは
自覚のない睡眠不足

「徹夜のあとは眠気が強く、パフォーマンスの低下にも気がつきます。でも睡眠が1〜2時間足りていないぐらいでは眠気はさほど感じません。しかしこの状態が続けば、睡眠不足は雪だるま式に増え、10日間でひと晩徹夜したのと同等レベルまでパフォーマンスは下がります。気づかないうちに、重篤な疾病リスクが高まるほか、車を運転する人などは交通事故にもつながり、とても危険です」

 

すぐ眠れる人は要注意
実は睡眠負債がたまっている!?

「睡眠が十分にとれている人は、消灯してから眠りにつくまで10〜15分かかるのが普通です。消灯後、1~2分で寝てしまう場合は、睡眠不足のサインといっていいでしょう。また、タクシーや電車に乗ってすぐ寝てしまうとか、映画を見に行ったのに寝てしまった、などの状態も明らかに睡眠負債がたまっていると考えられます」

 

確かにある!
朝型、夜型の体質の差

「眠りにつきやすい時間は、私たちに備わっている体内時計によって決まっています。しかしこの体内時計には個人差があり、5〜6時間、実際にはそれ以上のズレがあることも。つまり、夜の9時に眠たくなる人もいれば、深夜まで眠たくならない人もいるのです。これが朝型・夜型の体質の差。また年齢とともに、朝型に変化する傾向があります」

 

睡眠を意識することから始めよう

日本人の睡眠時間は世界一短いといわれていますが、その原因はどこにあるのでしょうか?

 

「日本人は眠くなってから寝るという傾向があります。睡眠を単なる休養の時間という意識でとらえていて、心身のメンテナンスのために積極的に寝るという人が圧倒的に少ないと感じています。

 

それに加え、正しい知識を得ようという興味がなかったり、誤った情報があふれていることも影響して、気づかないうちに深刻な睡眠不足に陥っているケースもあります。質のよい睡眠とひと言で言っても、年齢や体質によってさまざまです。睡眠不足は仕方のないこととあきらめずに、まずは睡眠に意識を向けて、自分にとってのベストと真剣に向き合うことから始めましょう」(三島和夫先生)

 

 

イラスト/東 千夏 構成・原文/高田あさこ

 

 

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