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【【肩こり・首こり】アスレティックトレーナー大貫崇さんに習う、みぞおち&あごほぐしで更年期の悩みを改善!

肩こりや首こりは40代以降に目立ってくる症状。女性ホルモンの減少で自律神経が乱れると、血行が悪くなったり筋肉が緊張し、「こり」が起きるといわれます。同じ姿勢を続けないことや体を動かすことも大事ですが、呼吸コンサルタントの大貫崇さんによれば、座ったままいつでもどこでもできる解決法があるとのこと! さて、それは何でしょう?

まずはスマホやPCの手を休め、呼吸に集中してみて!

 

更年期の不調の大きな原因は自律神経の乱れ。自律神経は全身のさまざまな機能を司っている神経で、交感神経と副交感神経という正反対の働きをする神経からなります。

 

「四六時中、交感神経だけが高まっていると、不眠症などもにつながってしまいます。ヒトは息を吸うと“活動モード”の交感神経が優位に、息を吐くと“リラックスモード”の副交感神経が優位に働きます。

つまり、吐いている時間を吸っている時間より長〜くすれば、副交感神経にスイッチが入り、不調の改善に役立つんですよ」とは、呼吸の専門家、京都で呼吸専門サロン「ぶりーずぷりーず」を主宰する大貫崇さん。

 

「自律神経は自律的に働いているのだから、自分意思でコントロールすることはできない」と思いがち。

ですが! 唯一、呼吸だけは自律神経を直接的に調整することができるのだそうです。これ、大事!

 

 

呼吸 肩こり 首こり ほぐし

大貫さんが推奨している「きほんの呼吸」は…。

息を吐く時間を長くし、吐ききること。吸いすぎないこと。呼吸の数をとことん減らすこと。必ず鼻呼吸すること。

横隔膜をリラックスしてしなやかに動かすためのポイントです。

 

「特に、鼻呼吸は体内に一酸化窒素を増やします。一酸化窒素は神経伝達や性機能にも関わっていて、血管の拡張をしてくれる。

“こり”に関しても、この呼吸が大いに役立ちます。長時間、同じ姿勢でスマホやPCなどに向かっていると気づいたとき、ふと手を止めて呼吸に集中する習慣を身につけてみませんか?」

 

寝た状態の「きほんの呼吸」は、第2回を参照。それができたら、座ってでもできるようになりましょう。呼吸の方法は同じですが、座ってやってみると少し難しく感じる人が多いもの。座って実施する場合のコツは第4回を参考にしてみてください。

 

 

「みぞおちをほぐす」そんな簡単なことが、肩こり解消につながる⁉

 

「明らかに、長時間のスマホやPCなどのデスクワークなどで肩や首がこっている人には、呼吸以外にもやってほしいことがあります。

ひとつ目は“腹直筋”の付け根、みぞおちのあたりをほぐすことです」

 

肩や首のこりなのに、みぞおちですか?

「そうです!  俗にいう「腹筋」、シックスパックに割りたい人もいる、あのお腹の前側の筋肉がついている場所をほぐすのです!」

 

腹直筋はお腹の表面、前側中央に位置する長い筋肉。前側下中央(恥骨結合)から、みぞおちの下(剣状突起)までについています。猫背の人は特にそうですし、お腹をへこますクセがある人、筋トレで腹筋だけ収縮させて鍛えている人などは、何をするにもこの腹直筋が働いてしまうもの。

 

そんな人がスマホやPCをするのに同じ姿勢を続けていると、胸や骨盤を安定させようとして、勝手に首が前に出てしまいます」

 

呼吸 肩こり 首こり

「首は5kg前後もある頭を支えなければならないので、頑張った結果、首から肩の筋肉がこり固まる。腹直筋がほぐれてゆるっと伸びない限りはいつまでもその姿勢は変わらない。

だから、元の原因である腹直筋をほぐせばいいんです。簡単にほぐせる場所が腹直筋の付着部のみぞおちなんですよ。

何も考えず、みぞおちを肋骨に沿って、真ん中や左右まで手でほぐしてみてください」

 

 

呼吸 腹直筋

ここが腹直筋! 肋骨に沿った上部分、みぞおちをほぐします。

 

 

呼吸 肩こり 首こり

肋骨の下側に指を入れてモミモミしてみると、イタタタタ〜〜!となる人、多いですよね。それが腹直筋が固まっている証拠。ほぐす習慣がつくと痛くなくなる。つまり、首が前に出なくなり、こりも解消される可能性が大いに期待できます!

 

 

 

 

人知れず「アイ〜ン」と、下あごを突き出す動きを身につけたい

 

 

「みぞおちほぐしに続き、次にやりたいのは下あごを前へ出せるようにすること。いわゆる『アイーン』のあごですね(笑)。

なぜなら、スマホやデスクワークで頭が前へ行ってしまうと、バランスをとろうとして、自然にあごを後ろに引いてしまうもの。これも首や肩がこる原因だからです。

いわゆる『胸を張ってあごを引いて』という姿勢がよいとされていますが、これは体にとってはきつい姿勢。個人的にはよい姿勢とは思えないんです」

 

「試しに、顎関節(嚙み合わせの部分)を手でほぐしてみてください。すごく痛いでしょう? 後ろに引いてばかりのあごは固まっていますから、まず、痛くなくなるまで、毎日ほぐすことをおすすめします」

呼吸 肩こり 首こり

 

そして、下あごを前に出す練習です。

首も顔も真っすぐ立てた状態のまま、下あごだけを前につき出してみましょう。できる範囲でよいので、静かに何度も繰り返して。

もしかしたら、ゴリゴリ音が鳴る人もいるかもしれません。痛くない範囲で動かしましょう。

 

 

呼吸 肩こり 首こり

 

くれぐれもあごを引きすぎたり、亀のように首を前に出したりしないこと。

あくまで「首は真っすぐ、下あごだけ前へ」がポイントです。

 

 

こちらはダメな例です。慣れないとこうなりがちですよね⁉

 

呼吸 肩こり 首こり

呼吸 肩こり 首こり

いつも頭が前へ、あごが後ろへいってしまうから首や肩がこる。あごを前へ出せるようになれば頭は後ろへいけるようになるわけですね!

 

こんな簡単なエクササイズなら、今日から始められますね!

 

■■まとめ■■■■■■■

血流改善のためにもデスクワーク中には「きほんの呼吸」を。

肩こり・首こりの原因のひとつは腹直筋だった!

意外!?  あごを引くクセも肩こり・首こりを招く。

みぞおちほぐし下あごを出す「アイーン」を習慣に。

 

 

【教えていただいた方】

大貫崇
大貫崇さん
アスレティックトレーナー・呼吸コンサルタント
公式サイトを見る
Twitter

1980年神奈川県生まれ。呼吸コンサルタント。アスレティックトレーナー。京都にある呼吸専門サロン「ぶりーずぷりーず」主宰。大阪大学大学院医学系研究科 健康スポーツ科学講座スポーツ医学教室 特任研究員。呼吸に関連した企業研究や商品開発など法人向け呼吸コンサルティング事業を展開し、アスリートから高齢者まで呼吸目線でのコンディショニングに従事。著書に『きほんの呼吸 横隔膜がきちんと動けば、ムダなく動ける体に変わる!』(東洋出版)など。

 

【呼吸についての悩みや質問、大募集】
この連載では、大貫さんへの質問を募集しています。
レッスンの内容でよくわからなかったこと、うまくできなかったこと
●自分の呼吸についての悩みや困ったこと
●呼吸についての素朴な疑問
連載内容についての感想などもOKです。大貫さんにお答えいただく予定です。
こちらからお気軽にどうぞ!

 

撮影/露木聡子 イラスト/きくちりえ 取材・文/蓮見則子

 

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