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【50代からの明るい終活 私の場合②】認知症への不安と恐怖はコレで消しました

ギリコ

ギリコ

26年間使ってきた洗濯機が怪しい音を立てるようになったので、ついに買い換えました。26年……意外とあっという間だったような、いや、やはり長かったような。

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前回、父を送ったときの経験から、自分の葬儀は宗教儀礼は一切なしで行うことを決心し、自分専用の墓を購入したと書いた。

実はそれと並行し、私が死んだ後の事務全般(遺体搬送と火葬から納骨まで全てを執り行ってもらう、定期購入していたサプリをストップしてもらう、家財道具を処分してもらう……など、やって欲しいことは書き切れないほどたくさんある)を引き受けてくれる法人を探していた。

 

あるときたまたま目にした新聞に、今や一人暮らしの高齢者がどんどん増えていること、自分の死後は葬儀や家財道具の処分といった負担を親類縁者にかけたくないと考える人も増えている、という記事が載っていた。

 

そしてそんな人たちのニーズに応える団体も3つくらい紹介されていた。

そのひとつがAというNPO法人だった。Aの事務所は私の家から行きやすいエリアにあった。

 

 

さっそく説明会に行ってみることにした。

 

予想はしていたが、会場に入ると参加者は高齢者ばかり。おそらく私が一番若い。

お隣同士で「夫が○年前に亡くなり、一人で暮らしてまして……」、「うちは子どもがいないので……」、「先日はここと似たようなことをやってる○×△の説明会も行ってみたんですよ……」と話しているのがちらほら聞こえてくる。

 

開始時間になると私と同世代のやけにはきはきした女性が出てきて、このNPO法人が誕生したいきさつやどういうサービスを行っているのかを話し始めた。

 

ある程度のお金はかかるが、Aは私が必要としているサービスのほとんどを網羅している団体であることが、この説明会でよくわかった。

そのあと、念のため知り合いの税理士(相続専門ではないが、法人案件をたくさん見ている人)にAの概要を見てもらい、感想をきいてみた。

「現段階でとくに気になる点はない」ということであった。

 

こうして申し込み金の5万円を振り込み、私はAの会員となった。

 

さっそく担当に決まったKさんとオンラインで第一回目の面談をすることになったのだが、面談内容は多岐にわたった。

 

たとえば『医療上の判断についての事前意思表示』というカテゴリーだと、

●病気が終末期になったとき、どこまでの医療を希望するか。(医療費が高額になってもいいので、その時点で考えられる最高の治療をしてほしい/苦痛を緩和してもらえばよく、積極的な治療は望まない)

●終末期で食べ物を口から摂取できなくなったときはどうしてほしいか。(鼻やおなかに管を通して栄養をとりたい/鼻やおなかに管を通したり穴をあけてまで栄養補給をしてほしくない)

●医療的処置が最終段階になったとき、いわゆる臨死期になったときの希望は。(延命処置をしてほしい/自然にそのときを迎えたい)

●植物状態になったときの希望は。(生命維持装置の使用など可能な限りの治療をしてほしい/生命維持装置の使用を含め、一切の治療はしなくていい)

など、終末期、臨死期、植物状態になったときの希望を書面におとし、一緒に実印も押していく。

 

当たり前だが終活は死んだときのことばかりではない。

 

そのため、Aの会員になるとこのように〝生きている間に起こりえるあらゆること〟を想定し備えることになるのだ。

 

そのひとつに〝認知症になった場合、どう暮らしたいか〟を書く、という作業もあった。

 

認知症をかなり怖れているくせに、実際に認知症になった場合のことは考えたこともなかった。

それまでは「持病の心疾患で、ある日突然倒れてそのまま死ぬ」ということばかりに気をとられていたからだ。

 

そのためKさんに「もし認知症になったらどういう生活をご自分は送りたいのか、書いて提出してください」と言われても、最初は「窓から樹木の緑が見える部屋に住みたいです」くらいしか出てこなかった。

 

けれどKさんは「ギリコさんが満足するお世話ができるよう、どんな些細なことでもいいから希望を書いてください」と言う。

 

それで1週間ほど時間をもらい、まずはいらない紙に〝お世話してほしいこと〟を書き出してみることにした。

 

まず真っ先に頭に浮かんだのは「月に一回、美容院へ連れて行ってください」だった。

 

すると驚いた。

 

ひとつ思いついたら、出てくる、出てくる!

それも脈絡なく。

「朝のコーヒーはハンドドリップで(インスタントは飲めません)。下着や靴下など直接肌に触れる衣料品は綿100%のものを希望します、化繊が入ったものは肌がかゆくなるのでだめです。出かける前はエルメスの『ナイルの庭』(香水)を少し髪につけてください。あと月に一回は鰻が食べたいです、店は可能なら日本橋にある鰻屋××に連れて行ってください……」

 

どんどん思いつき、筆が止まらなくなった。

 

インスタントコーヒーは飲めない、化繊の下着はNG、ウナギは日本橋のあの店。

 

ほんとにこんなことまで伝えていいのだろうか?

これでは世話をしてくれる人から、「面倒でうるさいおばさん」と思われるのではなかろうか。

(↑じゃじゃ~ん。この白い上着は私が自分に用意した死装束。これを着せてもらい、お棺に入る。もちろん綿100%!)

(↑手仕事のレース飾りは、地域の雇用を促進するためフランス人デザイナーがフィリピンに設立した工房によるもの。死装束が自宅のどこにしまってあるかは、すでにKさんに伝えてある)

(↑おそろいでパンツも購入。裾のレース飾りが気に入っている)

 

ところがこのメモ書きを読んだKさんからは、意外な反応が返ってきた。

 

「すごくいいですね!とくに月に一度は鰻を食べたい、っていうところ。こういう風に具体的に書いてくださるとこちらも助かります」

 

 

え、そうなの?

なんで「助かる」の?

 

その理由をKさんが説明してくれた。

 

このたびギリコさんはNPO法人Aを任意後見人に指名した。後見人とはギリコさんに判断能力がなくなったとき、生活面のサポートや病気になったときの療養看護、財産管理をする存在である。

ただしAは3ヶ月ごとに、ギリコさんの様子やギリコさんのお金を何に使ったのかをある人に報告しないといけない。そしてその報告をする相手というのが、後見監督人と呼ばれる人(以後は監督人と省略する)。

Aがギリコさんに毎月鰻を食べさせたりしていると、監督人から「これは贅沢ではありませんか?必要なことですか?」と指摘される可能性がある。

そんなとき、ギリコさんが判断能力があるときに自筆で残したこの「毎月一回は鰻が食べたい」という希望があれば、Aは監督人に説明し納得してもらいやすい。

 

……。

 

それでKさんから「助かる」という言葉が出たのだった。

 

つまり監督人というのは、判断能力がなくなった私の財産がちゃんと私のために使われているか目を光らせてくれる人であるが、監督人の判断によってはお金の使い方が左右される可能性もあるということ。

 

これに関することとして紹介したい話がある。

これは少し前に知り合いからきいた、認知症になったある女性のエピソードだ。

 

その方はとてもオシャレで、髪はいつも美容院でキレイに白髪染めをしているような人だった。けれどだんだん認知症の兆候があらわれ、ついに生活全般のサポートを誰かにしてもらわないといけなくなった。女性には子どもがおらず、夫はずいぶん前に亡くなっていた。それで施設に入ったのだが、何かとお世話をすることになったのは姪だった。姪は女性がオシャレに気を使う人だったことを知っていたので、認知症になった後も定期的に美容院に連れて行っていた。ところが「頻繁に美容院に行っているが、白髪のままではなぜダメなのか」とあるとき監督人に問われ、連れて行くのを躊躇するようになった……

 

このケースだって、判断能力があるうちにその女性が自筆で「私に判断能力がなくなっても、それまでと同じようにオシャレでいたい」ぐらい残しておけば、違う対応がとれたのかもしれない。もしその方がそう希望していたのであれば、だが。

 

「どんな服装でいたいですか」

「周りの人にどういう風に接して欲しいですか」

 

Kさんからは他にもいろいろ尋ねられ、その答えはすべて自筆で指定された用紙に記した。

 

服装はスポーティなパンツスタイルが好みです。ときどき、犬に触りたいです。施設に入居することになったら、セラピードッグが訪問してくれるところがいいです。あと子どもの楽しそうな声を聞くのが好きなので、子ども達が遊んでいるような公園に、ときどき散歩に連れて行って欲しいです。

 

 

こうして、判断能力がなくなったときの備えは順調に片づいていった。

 

やっていて自分でも驚いたのが、認知症への恐怖心が消えていったこと。

 

私の場合、以前はとにかく「認知症になったらどうしよう」とただただ怖れていた。

 

けれど終活を始めて、〝判断能力がなくなったときの希望〟を文字に残していくうちに、認知症への怖れや不安が消えていったのだ。

 

なぜかというとこの作業で認知症になったときの自分の姿を具体的に想像できるようになったから。

たとえばこんな風に。

 

毎月一回の〝鰻の日〟は鰻屋さんへ連れて行ってもらう私。軽くお化粧もしてもらい、おめかししている。うな重を頬張っていると「ギリコさん、食欲旺盛ですね、いいことです。来月もまた来ましょうね」と付き添いの人に言われている……付き添いさんの言っていることが伝わったのか?うれしそうにニコニコしている……

 

こんな光景を想像すると、認知症になったときへの恐怖心は湧かない。

 

もちろん自分が望んだようなサービスを実際どこまで実行してもらえるのかは、そのときになってみないとわからない。

介護サービスを担える人口が減り、期待していたような手厚い世話は受けられない時代が到来しているかもしれない。

 

でも今、間違いなく言えるのは、私は自分の将来に対しできるだけの備えをしておいたということ。

「老後のために打てる手は打っておきました!」ということだ。

 

たまにお酒をともなう食事の席なんかで、老後の不安とか終活とかの話題が出ると「認知症になっちゃったら、何をどこまで自分がわかっているのかなぁ。それ自体がわからないものね。……僕の場合は何かしら食べさせてもらって、他人から見て清潔な状態でいさせてもらえば十分。あれこれうるさいことは言いっこなし」とか「死んだ後のことなんて、考え出したらキリがない。大丈夫、残った人がたちがうまくやってくれるってば。あとは野となれ山となれ、ワハハ」と豪快に笑い飛ばす人がいる。

 

それもひとつの考え方。否定はしない。

 

*******************

それにしても終活の道のりは長い。

 

「あー、死ぬ準備をするのが、こんなに大変だと思わなかった」

 

思わず唸るようにつぶやいたら、「みなさん、同じことをおっしゃいますよ」と横にいたTさんが冷静な声で返してきた。

 

Tさんというのは、先ほどまで登場していたKさんとは別の法人のスタッフだ。

そしてこの方の職業は、行政書士。

 

なぜ、私が行政書士と一緒にいるのか?

 

その答えは……

 

ずばり、死んだ後の財産をどうするか、を相談するため。

そう、いわゆる遺産相続というやつである。

 

実は、Kさんとあれこれ決めていっている最中に、私はもうひとつの行動を起こしていた。

 

それはプロへの個人財産遺言書の作成依頼。

 

その〝プロ〟が隣にいる行政書士のTさんなのだ。

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