久しぶりに全く知識のない野菜作りに着手していました。
それがこちらの、落花生!
個人的には大きな興味を持たないまま育ってきていたのですが(噛むとキュッとする音、歯の奥に詰まるのがどうにも苦手で)、夫の故郷、鹿児島ではこの落花生の塩茹でしたものを「だっきしょ」と呼んで、焼酎のつまみとして楽しむ文化があったそうで、見かけると自ら塩茹でして頬張る姿に「そんなに好きなら育ててみよう!」、そう思い立ち、畑に。
秋に美味しい落花生は春の種まきから始まりました。
種といっても蒔くのは豆。
「豆が種・・」冷静に考えたら納得出来るのに、袋から落花生そのものが出てきて、一瞬戸惑う、脳。
まずは一粒づつポットに入れて、苗作り。
春の不安定な気温の中、一定の温度がキープ出来る畑のビニールハウスをお借りして様子を見ると、およそ1週間で無事、発芽!
次に、この苗が雑草に邪魔されないために防草シートで覆い、シートの合間に切れ目を入れて、植えていくことに。
(さらには鳥に新芽を狙われないためのシートもしっかり)
これまで育ててきたどの野菜よりも広いスペースに苗を。
それにしても落花生、枝豆やそら豆のように葉の間に豆が付くのか、インゲンのようにツルが伸びて育っていくのか、初めての経験、知らないがいっぱいで楽しい〜!
7月、じわじわ、もそもそと成長していた葉の合間に、小さな黄色の花発見!
「花が咲いたら、防草シートを剥がして・・・」
というのも、花が咲き落ちた後に伸びる“子房柄(しぼうへい)”と呼ばれる白い紐のようなものが、土の中に潜ってサヤとなり豆が膨らんでいくのだそう。
なるほど「花」が「落」ちて実が「生」まれる・・・それが落花生!!
これまで何も考えず「塩茹で美味しい〜、殻剥き面倒〜」だなんて思っててごめんなさい。
豆が膨らむまでの距離と時間、そしてその先で作られた殻は豆にとっては大事なお家、もしくは必要なベッドだったのですねと、猛省。
より豆が喜ぶよう土寄せなどのケアを再び、美味しい成長を待つことにしました。
9月中旬、「一回どうなっているのか知りたい」
まだ見ぬ姿への気持ちが抑えられず、畑若師匠と掘り起こしてみることに。
クワで土をすくい、持ち上げてみると・・・
芋づる式ならぬ、豆づる式に生落花生登場!
育てる過程で調べた本などで見たイラストと同じものが今ここにと嬉しい反面、まだ食べるには若干若いように思え、収穫断念。
そこから我慢すること2週間、ニンジンやジャガイモなど、土の中で育つ野菜の収穫のサインとして、葉が枯れるのを目安にすることがあり、落花生にも同じようなお知らせが見えたので土を掻き分けてみたら!
子房柄が膨らんで立派に落花生となっているもの、残念ながら膨らまなかったものの姿が。
どれも全て形に出来なかった残念さはあるものの、それでも5ヶ月かけて得た学び、その中身は・・・?
「ああ!!」写真に収めたくなるくらい、理想とした形が手の中に!
「お店で売られているのと同じに出来た!」たった1個の落花生で心震える日が来ようとは。
そりゃあもう、美味しかったです。
塩茹でした落花生の殻に染み込んだ茹で汁をチュウと吸いながら、ホクホクした食感の豆を、ビールや焼酎のお湯割りと合わせたら、「だっきしょ」と呼ぶ文化で育って来ずとも、しみじみの味わい。
鶏手羽サムゲタンと共に、食欲の秋を満喫です。
落花生から落花生。
知識も興味もなかった私を成長させてくれた畑の恩人“落花生”、ありがとう、そしてごちそうさまでした!
加藤紀子
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