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今も受け継がれる一子相伝の味。「八百三の柚味噌」

小原誉子

小原誉子

「京都観光おもてなし大使」&旅ライター
アナウンサー、テレビ番組プロデューサーなどを経て、集英社「エクラ」などのライターに。
2011年より京都に在住。
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今も受け継がれる一子相伝の味。「八百三の柚味噌」

 

 

烏丸通から東へ、姉小路通を進むと、格子戸のある趣漂う町家があります。入口の屋根には、「柚味噌」と書かれた木製の看板。なんとも京都らしいお店です。暖簾をくぐり中に入ると、そこには、昔ながらの木製のガラスケース。その中には、黄色い柚の形の陶器の入れ物が目を引きます。

小原誉子

ここは、江戸幕府の徳川吉宗と家重の時代、延享年間に創業した「八百三」。創業から大正時代まで、茶会や寺院に出入りする精進料理の仕出し屋として、その名を知られるお店です。評判の料理の中でも、特に食通を唸らせたのが、初代八幡屋三四郎が作り上げた「柚味噌」。

小原誉子

柚は、京都の北部、水尾で古くから栽培され、秋の収穫後は、京料理には欠かせない食材のひとつになります。その柚を、独自の製法で風味豊かな味噌に仕上げた「柚味噌」は、冬の味覚、ふろふき大根や生麩、こんにゃくなどの田楽をはじめ、甘鯛やノドグロなどの塩焼きにも合う、京料理をいっそう豊かにする味なのです。

 

特に「八百三」の「柚味噌」は、芳醇な味わいから、そのままご飯にのせたり、また酒の肴としても美味しい逸品。昔ながらの製法で作られる味噌は、今も、年末の贈答品として常連客を中心に高い人気を誇ります。

 

柚の形をした陶器の容器は、食膳にそのまま置きたい愛らしさ。

 

京都の有名百貨店でも扱われていますが、柚型陶器入れは、本店のみの品。やはり本店まで足を運びたいものです。

小原誉子

幕末の文久年間に建てられたという歴史薫る店。そこにかかる柚味噌の木製の額の文字は、食通で知られる北大路魯山人の書。まだ食通として、その名が知られる前の作品だそう。
長い歴史の中で愛され続けた味を守る「八百三」。一子相伝で受け継がれた味は、冬の京の人をほっこりさせるものなのです。

 

 

八百三

京都市中京区姉小路通東洞院西入ル車屋町270

☎075-221-0318
営業時間 9:00~18:00 日曜・木曜休み

交通/地下鉄烏丸線「烏丸御池駅」から徒歩2分。

 

 

小原誉子ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」
http://blog.goo.ne.jp/mimoron/

 

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