前回までの最新情報で、骨から送られる微小物質が若さをつくることや、骨の老化と見た目年齢がリンクしていることがわかりました。今回は、骨を丈夫にするのに大切なことについて、中村格子先生に教えていただきました。
強い骨プロジェクト⑧最新NEWS
カルシウムだけとっていても
骨は丈夫にならない!
アルカリ性食品の摂取と
骨への負荷運動が不可欠
「骨の健康にはカルシウムの摂取が大切です。しかしながら、カルシウムだけをとっていても強い骨にはなりません」
以前にスウェーデンの栄養に関する調査で、牛乳を多く摂取している人ほど、骨折リスクが高いという結果が発表されました。
「私はこれを、牛乳からカルシウムを補給するのが無意味だということではなく、カルシウムを骨に定着させる、ほかの栄養素や運動が不足しているのだと考えています」(中村格子先生)
食品には体内で酸性を示すものと、アルカリ性を示すものがあります。
「私たちの体は酸性やアルカリ性のどちらかに偏りすぎないのが理想です。酸性食品を多くとりすぎると、血液が酸性に傾き、それを中和するために、骨に含まれるアルカリ成分(カルシウム)が使われ、骨が弱くなるという報告があります。つまり、丈夫な骨をつくるためには、カルシウムに加え、アルカリ性を示す食品を一緒にとる必要があるのです」
酸性食品のおもなものは、肉、魚、穀類、卵、砂糖など。アルカリ性のものは、野菜、果物、海藻、きのこ、梅干しや納豆などです。
また、骨のカルシウムやリンは、タンパク質からつくられたコラーゲンのネットワークに、運動刺激があってこそ沈着して、骨が強くなります。骨への重力刺激がかかる運動、例えば、ウォーキングや軽いジャンプなどの運動を、日常に意識的に組み込むことが大切なのです。
次回は、アワエイジ世代の骨折が急増する理由に迫ります。
構成・原文/山村浩子