ほてりや肌荒れ、疲れやすい…。
その不調、冷えが原因かも?
MyAge世代の私たちが感じる不調のもとが、実は「冷え」だった、ということもあるそうです。
さまざまな「冷えとり」情報があふれていますが、冷えの改善に本当に必要なことって何でしょう?
医師に聞いた、実はあまり知られていない冷えの原因や改善法、そして、冷えとり20年のスペシャリストが実践しているコツも!
美と健康のプロたちに聞いた「冷えとりの真実」をお届けします。
渡邉賀子さんに教わる
今度こそ! 本気で冷えとり Q&A
あなたは冷えとりをどのくらい実践していますか?
その方法、実は勘違いしていたり、もっと効果の出る方法があるかもしれません。
そこで、冷えとりのスペシャリスト、渡邉先生がその原因と解決策を指南!
冷えとり初心者も冷えとり上級者も、「冷えとりの真実」がわかるQ&A。基本からもう一度おさらいしましょう。
Q&A最終回の今回は、効果的な漢方や体を冷やさない着こなしのポイントなどの8~11までをご紹介します。
Q8
足湯が長続きしません。
習慣にするためにおすすめの方法を教えてください。
A8
目的を足湯ではなく、読書や音楽鑑賞、スキンケアなどに変えましょう。
足湯そのものを目的にするのではなく、読書をしたり、好きな音楽を聞いたり、スキンケアをする時間を足湯にあてると決めると習慣化しやすく、気持ちよく続けられるようになるのでは。
おすすめは膝から下が入るバケツです。膝下全体に水圧がかかって、足の血流が戻りやすくなりますし、お湯の量が多いので冷めにくいのもポイント。手元にポットなどを用意して、冷めたら足し湯をしながらゆっくり過ごしましょう。
もしくはバスタブに膝の高さまでお湯を張っても。デトックスに効果のあるジュニパーなどのアロマオイルなどを垂らせば、むくみの解消にもなります。
Q9
不眠や睡眠不足が、冷えの原因になるって本当ですか?
A9
不眠や睡眠不足は、心身に負担をかけます。
血行不良を引き起こし、冷えの原因に。
体温の下がるときが、入眠のタイミング。けれども、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかないと、体温が下がらずに熟睡しにくくなります。夜遅くまで仕事をしていたり、頭をフル回転させて考え事をしたり、またPCやスマホを見るのも神経が昂って、交感神経が優位のままになり、なかなか体温が下がらずに眠りにつけず睡眠不足になったり、眠りが浅くなってしまいがちに。
睡眠時間は臓器を休める時間。不眠や睡眠不足は臓器に負担がかかり、自律神経のバランスも悪くなって血流が悪くなり、冷えを招くのです。
改善には、睡眠サイクルを整えること。毎朝決まった時間に起きて朝日を浴びることなどで体内リズムが整い、しっかり血液が循環して冷えの改善に効果的。また寝る1時間くらい前にお風呂に入ると、ちょうど眠りにつく頃に体温が下がり、ぐっすり眠りやすくなります。ぜひ試してみてください。
Q10
冷えの改善には、どんな漢方が効果的ですか?
A10
桂枝茯苓丸、温経湯、抑肝散、補中益気湯、半夏厚朴湯、五積散、苓姜朮甘湯…
冷え改善は漢方の得意分野です。目的に合わせてチョイスしてください。
桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)は血流改善の効果があり、冷えのぼせに効果的です。
温経湯(ウンケイトウ)も血流改善効果があり、肌が乾燥している人にもおすすめの漢方薬です。
抑肝散(ヨクカンサン)はもともとは子どもの夜泣きなどに使う薬ですが、イライラを抑える効果もあり、更年期世代にもおすすめです。
補中益気湯(ホチュウエッキトウ)は胃腸の働きを補い、疲れがちな人に。
半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)は気分をリラックスさせる効果があり、ストレスに弱い人におすすめです。
五積散(ゴシャクサン)は全身の代謝を高めて冷えを改善する効果があります。
腰から下の冷えが気になる人は苓姜朮甘湯(リョウキョウジュツカントウ)を。
漢方はまず2週間を目安に、体の変化を確かめてみましょう。何も変化を感じない、副作用があるなどの場合は医師に相談をして、体質に合ったものに変えるなど、ゆっくり取り組みましょう。保険診療機関で処方されるものは、保険も適用されます。
Q11
体を冷やさない着こなし。最低限のポイントは?
A11
シルクのインナーや、機能性下着を使うのもおすすめ。
ポイントは「体温調節」です。
汗は熱を放出し、乾くときにも熱を奪うため、冷えの原因となります。脱ぎ着をマメにして、通気性のいいインナーを着るようにしましょう。
シルクは吸湿性、保温性、放湿性に優れた、冷えとりに理想的な素材ですが、ヒートテックなどの機能性素材のインナーを使うのもいいでしょう。速乾性や蓄熱性など、体温調節が考えられた新素材は取り入れてみたいもののひとつです。
カーディガンやショールなど脱ぎ着が簡単で体温調節に便利なアイテムもぜひ活用してください。血流のため、あまり締めつけないものを選んでください。肌触りがいいものもリラックススイッチを入れてくれるので、副交感神経が優位になるサポートになります。ルームウエアは「好きな色」「優しい着心地」「緩いもの」で、気持ちよく過ごすのがいいですね。
冷えは自律神経と深いかかわりがあります。ストレスをためず、リラックスした時間を持つことも冷え改善に効果的です。アロマキャンドルやハーブティーもおすすめ。
次回からは、ファッションにエクササイズ、食事など、「冷え」の改善に真剣に向き合っている10人の冷えとりへの取り組み方をご紹介していきます。
撮影/江原隆司 取材・原文/島田ゆかり