抗酸化パワー、デトックス、免疫力アップ!
髙橋 弘先生に教わる
ファイトケミカルの効用ととり方
「ファイトケミカル」って知っていますか? 抗酸化作用をはじめ、OurAge世代の美容と健康に役立つ機能性成分です。
代表的なものに、赤ワインの「アントシアニン」、緑茶の「カテキン」、大豆の「イソフラボン」などがありますが、実はまだよく知られていないものもたくさんあります。しっかりチェックして、そのうれしい効果をぜひ、手に入れてください!
今回はまず、「ファイトケミカル」とは何かについて、髙橋先生に詳しく教えていただきます。
ファイトケミカルって
いったい何?
「ファイトケミカル(phytochemical)」という言葉、聞き慣れない人もいるかもしれませんが、おもに野菜や果物に含まれ、体によい効果をもたらす機能性成分の総称。ギリシャ語で「植物」の意味を持つ「ファイト(phyto)」と英語の「ケミカル(chemical)」を合わせた造語です(「フィトケミカル」と呼ぶことも)。
ファイトケミカルという言葉は聞いたことがなくても、赤ワインに含まれている「アントシアニン」など、具体的な個々の成分の名前を聞けば、近年、健康や美容効果で話題の成分だとわかるでしょう。
「ファイトケミカルとは、そもそも植物自身にとっては、外界のダメージから身を守るために植物が自ら作り出す成分です」と語るのは、がんの専門医で、長年ファイトケミカルによるがん予防の効果を研究する髙橋弘先生。
「強い紫外線を浴びたときに発生する活性酸素を中和する作用や、種子を酸化から守る抗酸化作用、害虫から身を守る抗菌作用などがあります」
野菜や果物などの植物性食品に含まれ、現在見つかっているだけでも数千種類、確認されていないものも含めると、その数はおよそ1万種類以上あると考えられています。
第7の栄養素?
体の調子を整える成分です
ファイトケミカルは、第7の栄養素とも言われます。というのも、栄養学の初期から言われている「5大栄養素(糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル)」と、その後機能が認められた「第6の栄養素(食物繊維)」と並ぶ、重要な働きを持つ成分だからです。
しかし、正確に言うと、ファイトケミカルは体をつくったりエネルギーになる栄養素とはちょっと異なる機能性成分。病気を予防したり、体の調子を整える働きを持っています。
「人間を車にたとえるなら、ボディやタイヤを作るのがタンパク質やカルシウム。エネルギー、すなわちガソリンの役目を果たすのが脂質や炭水化物。そして、こうした栄養を体内で消費する際に、必ず排気ガスやごみにあたるものが発生します。それが老廃物。健康を害し、老化を進める原因ですが、これらをきれいに処理してくれるのがファイトケミカルです」
例えば、エネルギーを産生する際に発生する活性酸素を無毒化したり、有害物質をデトックスしたり、免疫バランスを調整したり。
ファイトケミカルは人間の体では作り出せないので、口から摂取することでしかその効果を得られません。野菜や果物をぜひ積極的に食べましょう!
次回は、「ファイトケミカル」が持つうれしい7つの効果についてご紹介します。
撮影/板野賢治 構成・原文/瀬戸由美子