閉経前から備えておきたい
50歳は 「骨力の曲がり角」!
自分の骨についてどこまで知っていますか?
骨粗しょう症なんて、まだまだ先のこと…と思っていませんか? 実は50歳は「骨力」の曲がり角。更年期は骨についてしっかり学ぶ、いい機会です。
そこで、細井孝之先生にお話をうかがいました。
ぜひ自分の骨の状態=「骨力」を知って、骨粗しょう症の予防にお役立てください。
骨に関する素朴な疑問Q&A
今さら聞けない基礎知識から、今だからこそ知っておきたい骨についての疑問まで…。今回は、前回の続きでQ&Aの4~5です。
Q4
骨の維持にカルシウム摂取が必要なのはどうしてですか?
A4
骨内のカルシウム、骨量を維持するためです
骨の構造は、鉄筋が支柱になり、中と周りをセメントが固める、鉄筋コンクリートに似ています。骨で鉄筋に当たるところは、タンパク質のコラーゲンでできた線維の束。そこにカルシウムが付着した状態です。
骨の主成分はどちらかというとコラーゲンですが、食事でカルシウムの摂取ばかりが言われるのは、血中カルシウムが不足すると、その補給のために骨内のカルシウムが使われてしまうから。
骨量(骨のカルシウム量)は30歳頃をピークに、以降は減少に転じます。食事から積極的にとることが、骨量を維持するのに必須なのです。
骨は鉄筋(コラーゲン)とコンクリート(カルシウム)でできている
Q5
骨量が減るとどのようなことが起こりますか?
A5
骨粗しょう症になり骨折の原因に
骨量が減って、一定以下になると骨粗しょう症(次回の自分の「骨力」をしっかり学ぼう! ③参照)と診断されます。
骨がもろく、尻もちやちょっとした転倒で骨折をすることも。多いのは自分の体重に耐えられず起こる、椎骨の圧迫骨折。こうなると背中が丸くなり、胸やお腹が圧迫され、呼吸器や消化器にも影響が。痛みのため起き上がることもできず、寝 たきりの原因に。加齢による骨量の低下は、誰にでも起こることですが、そのスピードには個人差があります。
それを決めるのは、遺伝的要因と環境的要因(生活習慣因子)。今から環境的要因を改善して、予防することが大切です。
椎骨の圧迫骨折
次回は、骨粗しょう症とその予防についての詳しい解説です。
撮影/板野賢治 オブジェ製作/田中靖夫 構成・原文/山村浩子