活動的で輝いている人の意外な共通点。
それは股関節が健康であることなんです!
動作の要である股関節の状態がよくないと、運動量が減って筋力が低下。
姿勢も悪くなるので老けた印象に見えてしまいます。
さらに!
腰痛や膝痛など、40代以降に多いあちこちの痛みを誘発することにもなりかねません。
この機会に自分の股関節と向き合いましょう。
股関節は生命とかかわるいちばん大切な関節
「股関節は体全体の若さに大きく影響します。
最近、ヒップスパインシンドローム(hip spine syndrome)という表現が
定着してきているのをご存じですか?
ヒップは股関節、スパインは背骨の意味。股関節トラブルは背骨をはじめ、
全身に影響を与えるという概念です。
股関節の動きが悪いと、いろんなところが痛くなる可能性が高いんですよ」
こう説明するのは、
健康づくり、ボディコンディショニングの大切さを伝え続ける整形外科医、中村格子先生。
「例えば、本来柔軟に動くはずの股関節が動かないと、
それを補うためにほかの部位が代わりに動き、
股関節とつながっている腰やお尻などの
さまざまな筋肉が緊張してしまいます。
それに伴って胸椎や腰椎に負担がかかり、
腰の痛みと感じる人もいるでしょう。
股関節が柔軟であれば、ほかに負担はかかりにくいんです」
さらにかたさを放っておくと、股関節の病気に発展してしまうことも。
国民病と言われる腰痛や膝痛の陰で見逃されがちですが、
40代、50代以降の女性に発症する痛みとしては、
股関節痛もかなりの数。
最大の荷重関節である股関節が病気になると、
運動ができずに循環器が早く衰えることが多く、
長生きできないとも考えられています。
その場合、股関節痛だけの患者数としてはカウントされません。
股関節は生命にもかかわる大切なものなのですね。
「股関節は体の若さの指標になりますね。
確かに年齢とともに柔軟性がなくなりますが、
運動や体操によって、いい状態を保つことはできるんです」
OurAge世代で股関節を傷めた経験のある小笠原真由美さんからもこんな声が!
「腰痛の原因が股関節にあったなんて…。
手術を要するまでに悪化させてしまった経験を役立て、
痛みを緩和するトレーニング法を伝授しています」
小笠原真由美さん Mayumi Ogasawara
1967年生まれ。クラシックバレエ教師、ピラティスインストラクター
腰の痛みは股関節からきていた!
その腰痛は、過去に何度も経験していたものとは違っていました。
整体でも治らず、股関節まわりにも違和感を感じはじめました。
それでも、腰痛が股関節からきている痛みだとは思わず、
安易に考えていたのです。
放置すること数カ月。歩行にも強い痛みを感じはじめ、
股関節の専門医を受診すると、
股関節の軟骨損傷、および股関節唇(しん)損傷のため
早急な手術が必要との診断。
手術後1カ月半の入院生活。
退院後は3カ月半リハビリに通い、その後はピラティスで回復。
体幹トレーニングの大切さを痛感しました。
そして、1年たった今、バレエの指導のために取得していた
ピラティスの資格と経験を生かし、ピラティスの指導を始めました。
今、私のレッスンにも股関節痛の方がいらしてますが、
股関節まわりの筋肉を緩め、体幹を鍛るなどのトレーニングで
痛みがなくなる方がほとんど。
股関節の痛みは早めに対処することが大切。
同年代の皆さんに、そう伝えたいです。
侮ってはいけない股関節の痛み!
股関節について学んでいくにあたって、
次回は、自分の「股関節の若さ」がわかるテストです!
Dr.KAKUKO スポーツクリニック
Data
東京都渋谷区猿楽町9-8 レジディア代官山猿楽町111
☎03-5784-1101
診療時間/10:00~13:00、15:00~20:00
休診日/木・日曜、祝日
一般整形外科疾患(保険内)・ボディコンディショニング(保険外)ほか
撮影/小山志麻 矢部ひとみ ヘア&メイク/木村三喜 イラスト/かくたりかこ
構成・原文/蓮見則子