「足の診療所」
5大トラブルの原因と治療
足に問題を抱える患者さんに専門的なケアを提供している「足のクリニック 表参道」を訪れる人に多い5大トラブル、外反母趾、強剛母趾、ハンマートゥ、足底筋膜炎、モートン神経腫。
ここでは、その原因や治し方について、桑原 靖 先生に詳しく説明していただきます。
今回は、足裏やかかとが痛む「足底筋膜炎」についてです。
痛みが強い場合は、
氷や湿布などで冷やして
足のアーチが崩れて足の裏でうまく衝撃吸収ができず、足底筋膜に炎症を起こす疾患を足底筋膜炎といいます。
症状としては、起床時の最初の一歩目が最も痛く、歩いているとそれが徐々に消えてくるのが特徴です。ただし、慢性化することで痛みが一日中続くこともあります。
「足底筋膜炎の原因には、過回内によるアーチの崩れ以外にも、さまざまなことが挙げられます。例えば土踏まずのサポートが悪い靴や、柔らかい靴を履いていた場合。
テニスのように、素早い方向転換など、足に負担をかける動作を繰り返した場合。あとはふくらはぎの筋肉が硬くなっている人、ランニングを習慣にしている人もなりやすいです。特に下り坂や、でこぼこ道を走っている人は要注意です」
痛い場合は無理をせず、「できるだけ安静にすることが大切」と桑原先生。痛みが強い場合は、15〜20 分、氷でその箇所を冷やしましょう。足裏に湿布を貼ったり、ストレッチでアキレス腱を伸ばすのも効果的です。
「クリニックでは、炎症を抑えるステロイド注射のほか、保険適用でインソールを作ることもできますし、ナイトスプリントという道具を使った治療も可能です。また、専用の医療機器を使用した体外衝撃波治療という方法もあります。積極的に医師に相談してみてください」
【足底筋膜炎】
足の裏やかかとが痛む
<症状>
■足の裏やかかとが痛む
■特に朝起きたとき、最初の一歩が痛む
<原因>
■過回内など、足の軸の調整不良
■土踏まずのサポートが悪い靴や、柔らかい靴
■素早い方向転換のように、足に負担をかける動作
■ふくらはぎの筋肉が硬直している
■長距離ランニング。特に下り坂やでこぼこ道を走ることで、足への衝撃が繰り返し発生
<治療法>
■インソールでの治療
■ストレッチ
■冷却
■手術
■注射
■体外衝撃波治療
<自宅でのケア>
■足に合ったサイズの靴を履く
■痛い場合は無理をせず、できるだけ安静に
■アキレス腱ストレッチを習慣にする
足底筋膜炎のメカニズム
骨格構造の歪みが原因で足のアーチが崩れることで、足の裏でうまく衝撃を吸収できなくなり、足底筋膜に炎症が起きてしまいます。
●インソール療法
●湿布
●ナイトスプリント
●ストレッチ
●体外衝撃波治療
衝撃波を疼痛部位に当てることで、痛みを軽減させる治療法。
痛いという刺激が脳へ伝わるのをブロックし、同時に血管の新生を促進して組織を修復させる効果があります。
足のクリニック 表参道
DATA
東京都港区南青山5-6-24 南青山ステラハウス3F
03-6434-1082
診療時間/10:00~13:30、15:00~19:00
休診日/日曜・祝日・年末年始
診療科目/形成外科、整形外科
次回は、足指の間に痛みがある「モートン神経腫」の症状と治療法をご紹介します。
イラスト/かくたりかこ 構成・原文/上田恵子