小麦粉、添加物不使用のさらりとした「広島オイスター」
日々、料理に使用する調味料はいろいろありますが、私の場合、オイスターソースは中でもよく使う調味料のひとつです。青椒肉絲や回鍋肉、焼きそばなど、中華系の料理に欠かせません。
メーカー、商品によって、それぞれ特徴がありますが、牡蠣の旨味と甘みが凝縮した、ふわーっと鼻をくすぐるような独特の香りはオイスターソースならでは。食欲をそそりますよね。
先日、生徒さんから「広島オイスター」というオイスターソースをいただきましたのでご紹介します。初めて使いましたが、いつも使用している、オイスターソースとはちょっと違って、とろみがあまりなく、さらりとしています。
オイスターソースの製法は、牡蠣のゆで汁を煮詰めて濃縮した液体に、砂糖や塩、酢などを加え、小麦粉などでとろみをつけるというのが一般的です。
一方、この広島オイスターは、小麦粉も使用していないのでさらりとしています。原料は牡蠣と藻塩のみ。化学調味料などの添加物も一切使用していません。芳醇な牡蠣の旨味をストレートに味わうことができます。なんと1本あたり約30個もの牡蠣を、贅沢に使用しているというから驚きです! 牡蠣はもちろん、使用している塩も、原料はすべて広島県産です。
広島オイスター/政之助商店
お皿に少量出してみると、一般的なオイスターソースとの違いがよくわかります。
上が広島オイスターソース、下が普段使用しているオイスターソース。比べると、広島オイスターソースがさらりとしているのがわかります
広島オイスターを製造、販売している「政之助商店」は、明治の中頃に缶・びんの製造技術を取得し、明治31年(1898年)に漬物や佃煮のびん・缶詰の製造販売を、広島で初めて開始したという老舗です。
このオイスターソースがこんなにも風味豊かなのは、長年、缶詰の製造で受け継いできた独自製法で、牡蠣のエキスを抽出しているからだとか。牡蠣は広島県産100%の春牡蠣で、身の大きいものを使用しています。
びんのふたを開けると牡蠣の香りがふわっと立ちのぼります。甘さは控えめ。上品な魚介の味がしっかりと感じられて、一度使ったらやみつきになります。しっかりとした旨味があるので、少量加えるだけで、料理にぐんとコクが出ます。忙しいときには冷蔵庫にある野菜を、広島オイスターを加えて炒めるだけで、おいしいおかずになりますよ。
新じゃがいものおいしい時期ですので、今日はこんな料理はいかがでしょうか?
牛肉と新じゃがいものオイスターソース炒め
【材料】(作りやすい分量)
新じゃがいも:3個
牛ひき肉:150g
油:大さじ1
砂糖:大さじ1と1/2
みりん:大さじ2
しょうゆ:大さじ1
広島オイスター(オイスターソース):大さじ1と1/2
バター:10g
塩・こしょう:適量
【作り方】
①新じゃがいもは皮付きのまま使用。小さいものは丸ごと、大きいものは半分に切る。
②鍋に油を入れ、牛ひき肉を炒める。ひき肉の色が変わったら、①のじゃがいもを加え、砂糖・みりんを加える。ひたひたの水(材料外)を加えてふたをして15分煮る。
③さらに、しょうゆを加えて5分煮る。
④最後に広島オイスター、バターを加え、少しとろみがつくまで煮詰める。
⑤塩・こしょうで味を調える。
新じゃがいもの素朴な味わいと、広島オイスターの濃厚な旨味がよく合います。どうぞお試しください!