「ねんきん定期便」によくある3つの誤解とは?
「ねんきん定期便」について、まずはよくある誤解3つをお伝えします。
誤解1)なんだか不定期に届く
→×(誕生月に届きます!)
「ねんきん定期便」は、不定期に届いていると思っている人もいますが、それは勘違い。
毎年、誕生月に届きます。
また、春生まれの人は「春あたりに届く」、年末が誕生日の人は「年末あたりに届く」と、全員一律で届くと勘違いしている声も聞きますが、「誕生月」のため、届く時期はそれぞれ異なります。
誤解2)毎回ハガキで届く
→△(通常はハガキで、35歳と45歳と59歳の時は封書で届きます)
通常はハガキで届きますが、節目の年となる35歳、45歳、59歳では封書で届きます。
ハガキでは、年金の加入状況について、直近13ヵ月のみ書かれていますが、人生で3回届く封書では、これまでの加入履歴がすべて書かれた詳しい内容になっています。
特に、59歳の封書は、いちばん情報が多くなりますので、すぐに捨てずに保管しておきましょう。
もし「59歳の時の書類を紛失してしまった!」という人も、大丈夫。
後ほど紹介する「ねんきんネット」にアクセスすれば、情報はすべて見られますので、ご安心を。
誤解3)毎回似たような内容が届く
→×(50歳以降はより情報がリアルに!)
「ねんきん定期便」の情報は、
実は50歳未満(つまり40代以下)と50歳以上とでは、内容が大きく変わります。
●50歳未満
これまでの加入実績に応じた年金額が書いてあるため、「受け取れる年金、思ったより少ないな」と感じる人が多いでしょう。
将来受け取れる年金額ではなく、これまで保険料を納めてきた金額に応じての年金額が書いてあるので、実際に受け取れる金額よりは少ないはずです。
今後保険料を納めていけば、この金額は増えていくのでその点は安心です。
●50歳以上
現在の条件がそのまま続いたとして、受け取れる年金の種類と見込み額が書いてあります。つまり、50歳未満の場合と異なり、老後に受け取る実際の年金額に近いイメージです。
また、受け取る時期を「70歳まで遅らせた場合」と「75歳まで遅らせた場合」の金額も書いてあります。
見込み額ではありますが、自分が将来受け取れる年金が、よりリアルにわかるわけですね。
「ねんきん定期便」が届いたらここをチェック!
「ねんきん定期便」が届いたら、最近の納付状況に間違いがないか、年金加入期間のもれがないかをチェックしましょう。
もしもれや誤りがあれば、年金事務所に連絡してください。50歳以上なら、受け取れる年金の見込み額(年額)もチェックしながら、老後の生活をイメージしてみましょう。
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さらに詳しい情報を知るには、「公的年金シミュレーター」と「ねんきんネット」にアクセスすることがおすすめです。「公的年金シミュレーター」のほうがお手軽にできるので、まずは解説しますね。
アクセス1●簡易計算ができる「公的年金シミュレーター」
特に、50歳未満の「ねんきん定期便」では、将来受け取れる年金額の目安を知りたいところだと思いますので、まずは「公的年金シミュレーター」にアクセスしてみましょう。
もちろん、50歳以上の方にもおすすめです。
ねんきん定期便に記載されている「公的年金シミュレーター二次元コード」をスマホで読み込み、生年月日を入力すると、年金見込み額が出ます。
「ねんきん定期便を捨ててしまった!」という人も大丈夫。ネットで「公的年金シミュレーター」と検索して、生年月日や年収、将来年金を受け取る時期などを入力すると確認できます。
ただし、いずれも概算であるため、目安の金額としてイメージしましょう。
アクセス2●さらに詳しく知るには「ねんきんネット」
もっと詳しく知るには、「ねんきんネット」にアクセスすることをおすすめします。
その際には、「ねんきん定期便」にある「お客様のアクセスキー」を使うと、比較的スムーズにアクセスできます(アクセスキーの有効期限は、ねんきん定期便が届いてから約3ヵ月なので、早めにアクセスを!)。
マイナンバーカードがあれば、マイナポータルからも「ねんきんネット」にアクセスできます。
「ねんきんネット」では、過去の年金記録の一覧のほか、年金見込み額を具体的に見られます。今後の収入の増減や受け取る時期の変更によって、受け取る年金がどれくらい変わるかを試算することもできます。
より具体的に年金についてイメージができ、数字の詳しい説明も書いてあるので、眺めてみるだけでも勉強になると思います!
老後に不安がある人は、調べてみるのが近道!
50代になり、「将来受け取る年金が不安」という人も多いでしょう。
不安なことをそのままにしていると、「何も知らない、考えていない」という思いで、不安は増すばかりです。
ぜひ「ねんきん定期便」を活用して、公的年金シミュレーターやねんきんネットも見ながら、老後に受け取れる年金の目安を確認してみましょう。
具体的な金額の目安がわかれば、「老後資金をもう少し貯めたほうがいいかな」「60歳や65歳以降も仕事をしようかな」「年金の受け取り時期を65歳から変えようかな」といった具合に、さまざまなプランがイメージできると思います。
将来のことが具体的に見えてくれば、不安はだいぶ解消されるはずです!

単に貯蓄額を増やすのではなく、潤いのある毎日のためのお金の使い方・貯め方・増やし方について女性誌やWEBなどで発信するほか、取材・執筆・監修・講演を行っている。現在は早稲田大学人間科学部(eスクール)にて心理学も学ぶ。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)、『お金の増やし方』(主婦の友社)など。
イラスト/平松昭子 文/西山美紀