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「老後資金の準備」は50代からでも間に合う! やっておきたい4つのこと

先行き不透明な時代で、最近は若い世代でも老後資金を準備しているという声を聞きます。「若い頃から準備しなければいけないの?」「50代からで間に合うかな」なんて思うことはありませんか? 今回は、50代から老後資金を準備する際に、押さえておきたいポイントをお伝えします。

老後資金準備は、50代からでもまだ間に合う!

「全然貯蓄してこなかった。老後資金の準備は大丈夫かな…」という50代の方からお悩みを聞くことがよくあります。

50代からでも決して遅くありません。まだ大丈夫です。気になった今こそ、戦略的に動いていきましょう。

 

4つのステップで、考えるポイントをお伝えします。

老後に向けて走って準備する女性のイラスト

老後に向けてやっておきたい4ステップ

ステップ1■老後期間で「どんな暮らし」をしたいか考えてみる

老後資金について具体的に考えられるようになるには、「どんな暮らしをしたいか」のイメージがあってこそ。

そこでぜひ、老後にどんな暮らしをしたいか、できるだけ具体的に考えてみましょう。

 

なかなか思い浮かばない場合は、家族や親戚、友人、知人など、身近な人で、少し年上の人の生活を思い浮かべてみてください。どんな人の暮らしに憧れますか?

「旅行をしたい」「自宅のインテリアや園芸を楽しみたい」「全国を回って推し活をしたい」といった具合に考えてみましょう。

 

どんな人とどこに住みたいか、何をしていたいかといったイメージが湧いてくれば、老後資金を考える大きな一歩になります

 

ステップ2■「老後スタート時期」と「老後期間」を考えてみる

老後のイメージが湧いてきたら、チェックしたいのが「老後スタート時期」と「老後期間」です。

 

「老後スタート時期」は、実は人それぞれ。65歳で会社を定年退職する人なら65歳になりますし、フリーランスで70歳くらいまで働こうと思っていれば、70歳になります

定期的な労働収入がなくなり、年金や貯蓄で暮らしていく時期をイメージしてみましょう。

 

さらに、「老後期間」も確認しましょう。老後の終わりは平均寿命を考えて90歳ほどに設定すると、65歳で老後スタートの人は25年間になります

 

そして現在の年齢から、老後スタートまで、どれくらいの年数があるかもチェック。現在50歳で65歳までなら15年間、現在53歳で70歳までなら17年間です。

 

記事が続きます

ステップ3■老後期間に「必要なお金」を考えてみる

それでは、老後に必要なお金を具体的に考えてみましょう。

 

毎月どれくらいのお金を使うかを計算してみます。

現在の自分の生活費から、老後に変わる支出があるでしょうか。あれば、足したり引いたりしてみましょう。

外食の多かった人が自炊が増えそうなら食費・外食費が減るかもしれません。逆に、これまで忙しくて趣味にお金を使えなかった人は、老後の趣味代が増えるかもしれません。

旅行に行きたい場合は、1年当たりの金額を12カ月分で割って、月々に足してみましょう。平均的に毎月どれくらいのお金が必要でしょうか。

 

毎月の平均支出額のイメージができたら、次は入ってくるお金のチェックです。

50代以降は「ねんきん定期便」を見ると、将来受け取る予定の金額の目安がわかります。「受け取る年金の月額」と先ほどの毎月の平均支出額「毎月出ていくお金」との差額は、自分の貯蓄から取り崩していくことになりますので、老後資金として準備したいお金です。

 

毎月取り崩す金額を、ステップ1で計算した「老後期間」と掛け算をして、合計でいくら必要なのかをチェックしましょう

仮に、貯蓄から毎月8万円の取り崩しが必要で、老後期間が25年間なら、(8万円×12カ月×25年=)2400万円必要です。

 

ステップ4■老後に必要なお金を準備していく

老後、毎月取り崩すお金として2400万円必要な場合、その他の急な出費として600万円を想定して、3000万円必要なケースで考えてみましょう。

 

すでに老後資金として貯めているお金や、退職金があれば、ここから引くことができます。

老後に受け取ろうと思っている貯蓄型保険はないでしょうか。iDeCoなどで投資をしていて、老後までは使う予定のないお金はないでしょうか。

それらを差し引くことで、新たに準備する老後資金は、もう少し少なくてすみます。

 

仮に退職金が1200万円で、貯蓄型保険やiDeCoのお金が800万円あれば、あと1000万円準備していく必要があります。

そのお金を、今から少しずつ準備していきましょう。

 

現在はインフレ時代になり、老後にはさらに物価が上がっている可能性があります。そのため、老後資金の準備には低金利の預貯金ではなく、投資も検討しましょう。

投資にはリスクがありますが、投資先を分散させ、10年以上の長期で積み立てていくことでリスクを抑えることを目指したいところです。

 

記事が続きます

NISAで投資信託の積み立てをして、年利4%だった場合で見てみます。

例えば、現在から老後スタートまでの年数が17年間あった場合はどうでしょうか。

 

月4万円積立投資をすると、17年間で約1165万円になります。月5万円なら、17年間では約1457万円です。先ほどのケースで必要だった1000万円を準備できますね。

金融機関のサイトなどにある「積み立てシミュレーション」ツールに金額や年数を入力して、ぜひ目安を確認してみてください。

 

注意点としては、投資をすると、資産が増えたり減ったりしますが、減った場合にはむしろ安く買えると考えて積み立てをやめないこと。10年以上続けていきましょう

 

投資信託は、NISAの「つみたて投資枠」の中から選べば、長期投資に適していて、コストが低めのものがそろっているので、選びやすいと思います。

 

もし老後資金が足りない場合はどうしたらいい?

とはいえ、計算してみて、「老後資金が全然足りない」「今から準備しても間に合わない」というケースもあるでしょう。

 

早くわかれば打つ手はいくつかあります。

まずは、現役時代の生活費を抑えること。無駄な支出を見つけて減らせば、貯蓄が増えますし、老後必要なお金も減ることにつながります。

 

また、収入を増やすことを検討しましょう。例えば、今から副業を始めて、現役時代の収入を増やして貯蓄額をアップさせるほか、老後にパートやアルバイトをすることも、心強い収入になります。

 

もし、老後に貯蓄から月10万円を取り崩す場合、パートやアルバイトで月8万円の収入を得られれば、貯蓄の取り崩しは月2万円ですむというわけです。

 

老後に楽しく暮らし、楽しく収入を得るには、心身ともに元気でいることも大切です。現役時代から無理をしすぎず、心身のケアも心がけるようにしたいですね。

 

自分の心身のケアを怠らず、老後のイメージを持ち、それに向けて具体的に準備しておくことが、今も老後も、自分らしく楽しく暮らしていける秘訣だと思います。

 

 

西山美紀
西山美紀さん
マネーコラムニスト・ファイナンシャルプランナー
公式サイトを見る

単に貯蓄額を増やすのではなく、潤いのある毎日のためのお金の使い方・貯め方・増やし方について女性誌やWEBなどで発信するほか、取材・執筆・監修・講演を行っている。現在は早稲田大学人間科学部(eスクール)にて心理学も学ぶ。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)、『お金の増やし方』(主婦の友社)など。

 

イラスト/平松昭子 文/西山美紀

 


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