ツボ&ストレッチで血圧が下がる!?/ストレッチで血圧を下げる
40代、50代になると、健康診断で"高血圧"と診断され、薬を飲んだり、減塩したりしている人も少なくないのでは? 血圧は、ツボ押しやストレッチで下げることができるとか。ストレッチで血圧を下げる方法をご紹介していきます。
●ストレッチで血圧を下げる●
肺活量を高め、血管を柔軟にして
血圧が安定しやすい体に
その場で一時的に血圧を下げられるツボ押しに対し、続けることで高血圧体質の根治につながるのがストレッチ。
「肺活量が低下すると酸素を脳や全身に十分に送れなくなり、心臓が心拍数を上げて酸素量を増やすため血圧が上がります。私がすすめる〝降圧ストレッチ〞は肺をダイナミックに動かすことで肺活量を復活させるため、血圧が下がりやすくなります。また、高血圧のもうひとつの原因である血管の硬さは、運動不足や加齢で筋肉が硬くなることで起こりますが、降圧ストレッチは筋肉と血管を同時に伸ばしたり縮めたりを繰り返すため、柔軟な状態に戻ります。すると圧がかかっても血管がつぶれず血液がスムーズに巡り、最適な血圧を維持できるようになります。
このふたつの効果で血圧が下がるのです。習慣にすると高血圧になりにくい体に変わります。早ければ2週間で効果が出ることもあるのでぜひ継続を」
【ストレッチで血圧が下がる仕組み】
■原因1
肺の衰え
↓
運動の負荷で肺が若返る
↓
取り込む酸素料が増える
■原因2
運動不足で筋肉が硬くなる
↓
ストレッチで全身の筋肉を刺激する
↓
筋肉がストレッチされることで血管が柔らかくなる
<結果>
心臓への負担が減る
↓
血圧が下がる
次ページでは、具体的に降圧ストレッチの方法をご紹介!
降圧ストレッチ
普段動かすことの少ない筋肉をダイナミックに動かして血管を柔軟にし、胸まわりの筋肉を動かすことで心肺機能を高める、ダブルの効果が得られるのが降圧ストレッチ。
毎日、できるものだけでもいいので続けてみて。
1 両手を背中で組み、下へ引っ張る
正面を向き、足を肩幅に開いて立ち、背筋をしっかり伸ばします。両手を体の後ろ側で組み、肘を伸ばして組んだ手を下に引っ張ります
2 胸を張り、手を下へ引っ張りながら上げる
胸を張って、組んだ手を下へ引っ張りながら、腕を上げられるところまでゆっくりと上げます。同時にあごを上げて顔を上に向け、胸を張った状態で10秒キープ
●できない人は、
タオルを持って行えばやりやすくなります
五十肩などで、背中で両手が組めない人や、痛くて肘が伸びない人は、長さを半分にたたんだフェイスタオルの端を左右の手で持って行うとやりやすくなります
~ミニコラム~
減塩は不要!
高血圧を防ぐ食習慣とは?
「近年、塩分摂取と高血圧は関係ないという研究結果が続々と報告されています。昔から“高血圧には減塩”と言われてきたため、日本人の塩分摂取量は50年前の半分に減っているにもかかわらず高血圧患者は増えていることからも、減塩と高血圧が無関係であることがわかります。塩は人体に必要で、不足すると頭痛、吐き気、血圧低下などさまざまなトラブルのもとに。体には余分な塩分を出す仕組みがあるので減塩は不要です。
ただ、99 ・9%が塩化ナトリウムの精製塩は確かに血圧を上昇させるのでNG。余分なナトリウムを排出するカリウムなどのミネラルをバランスよく含む自然の海塩なら問題ありません。カリウムが多い食品や酢も高血圧予防におすすめです」
次回は、背中、脇を刺激して肺活量をアップさせる2つの降圧ストレッチをご紹介します。
イラスト/かくたりかこ 取材・原文/和田美穂