なんとなく思い込んでいた筋肉に関する常識…実は都市伝説かも!?
効率のいい筋力アップは正しい知識から!
前回に続き、歌って踊れる体づくりを実践する、荻野目洋子さんのダンスポーズとともにお伝えします。
筋肉は何歳になってもつけることができる
筋肉は体の中で、最も運動効果が現れやすい組織です。筋肉を増やすことは何歳から始めても、正しいフォームで負荷をかけて行えば、若い頃より多少ペースが落ちるものの、必ず結果はついてきます。例えば、80代のボディビルダーなどは若い頃からやっているわけではなく、60~70代で始めた人が多いのです。特に筋肉量を維持するだけなら、週に1回の筋トレでOK。将来のロコモ予防のためにも、ぜひ今から始めてください。
筋トレは毎日しないと意味がない
毎日行う必要はありません。運動で筋肉を刺激すると、筋組織の疲労によって、一時的に筋力が低下します。ここで栄養と休息を与えると、筋肉の合成が促されて回復。このタイミングで次のトレーニングを行うと、少しずつ筋力が高まっていきます。回復までに約48~72時間かかるので、2~3日おき、だいたい週2~3回のペースがベスト。筋肉には休息が必要なのです。歩行などの全身運動は筋疲労が少ないので、毎日行ってもOKです。
筋肉痛にならないと、効いていない
筋トレに限らずどんな運動でも、最初のうちは筋肉痛が起こりますが、やがて痛みが出なくなります。筋肉はその動きに慣れていないと、適切なタイミングで働くことができず、負荷に負けてダメージを受けやすいのです。筋肉痛がおさまったのは、正しい動きができてきた証拠。筋肉痛はなくても筋肉はちゃんと発達します。筋肉痛が残っているうちに、次のトレーニングの日を迎えたら、休むか回数を減らして行いましょう。
筋肉についてのウソorホント、続きは次のページで!
効率よく筋肉をつけるには朝の時間がベスト
人は体内時計により、一日の体のリズムを刻んでいます。それによると、朝はまだ体温と筋肉の温度が上がっていない状態。運動は体が温まったときに行うと効率がよくなるので、できれば体内環境が整う午後4~6時の夕方がベスト。その時間以外でも買い物のあと、帰宅後など、少し体を動かしたあとがおすすめです。お風呂上がりは力が入りにくいのでNG。寝る直前は興奮してしまい、睡眠に影響を与える可能性があるので避けましょう。
運動オンチの人ほど筋肉をつけやすい
筋力アップには運動神経は関係ありません。むしろ運動が苦手な人のほうが向いています。というのも、運動が得意な人は無意識のうちに、負荷を分散させて合理的に動こうとしてしまいます。一方、今まで運動の経験がない人は、腕や脚を上げる、下げるといった動きを、正しいフォームで忠実に覚えようとするので、筋トレ効果は上がりやすい傾向があります。運動経験者は、正しいフォームで行うことを意識して取り組みましょう!
運動しても寝不足だと効果が出ない
運動をすると、その場で筋肉が作られるわけではありません。筋肉の大半は寝ている間に作られます。睡眠には、おもに脳を休息させる深いノンレム睡眠と、脳が覚醒し、体を休息させる浅いレム睡眠があります。寝ついて1~3時間でノンレム睡眠が訪れ、このときに大量の成長ホルモンなどが分泌されます。これにより筋肉をはじめ全身の細胞の修復や分裂が行われます。筋肉作りには、十分な睡眠時間と質のよい眠りが不可欠なのです。
次回は「つらくない&時間をかけない」筋トレをご紹介します。
撮影/浅井佳代子 ヘア&メイク/福沢京子 スタイリスト/安野ともこ 回答/坂詰真二 取材・原文/山村浩子