アワエイジ世代になると急に骨が弱くなり、ちょっとしたことで骨折するケースが急増します。それはどうして? 正しい知識を頭に入れて、毎日の生活に骨の健康を守る習慣をつけることが何より大事。今からの骨活が「現在と将来の元気」につながります。
閉経期前からの準備が大事!
強い骨で人生後半に差をつける!
骨粗しょう症なんてまだまだ先のこと。自分とは無縁と思っている方も多いのではないですか?実はあの有名美容家さんたちもそう思っていたそう。本特集の最初は、アワエイジ世代5人の方の体験談をご紹介。
続いて、骨はなぜ弱くなるのか? メカニズムを理解して強い骨をつくれるように、最新情報をキャッチ。そしてまずは自分の骨がどんな状態か、知ることも大切です。そこでセルフチェックにトライしてみましょう。
さらに、今から実践しておきたい骨を守る方法や、骨折しない体をつくるための毎日できる簡単エクササイズ、カルシウムだけではだめ!な、体の中から強くする骨力アップの食材についても触れていきます。骨を丈夫にする食事を知って、食の正しい知識をインプットしましょう。
体の内側から外まで。この特集を読めば、骨粗しょう症がもう怖くない!
美容ジャーナリストの齋藤 薫さんも、実は骨粗しょう症で悩んでいたそうです。ご自身の体験を伺いました。
Kaoru Saito
齋藤 薫さん
自分の骨のこと、骨も衰えること、
人は知らなさすぎる
文/齋藤 薫
顔のたるみも顔の骨の骨粗しょう症が原因、って本当だろうか?
その日まで、骨のことなどまったく意識していなかった。正直、関心もなかった。だから、初めて見る検査結果のその数値に、戦慄が走ったほど。私の骨密度は、当時50歳にして80歳レベルのものだったのだ。
何でもないところで転び足を骨折して数カ月、骨がなかなかつかないことから骨密度を測ってみたわけだが、結果は同年齢の基準の80%を切り、成人平均の約60%、立派な骨粗しょう症だった。やはり更年期が引き金になるというのは本当だったのだ。
もちろん、自分が世に言う骨粗しょう症であるなど、夢にも思っておらず、はっきり他人事だった。つまりそのくらい見事に、自覚症状がない。そんな気配もなければ、予感すらない。それが骨粗しょう症なのである。
実際、骨折してもわからない。治りが悪くておかしいからと骨密度を測って初めてわかったこと。だから骨折は、まさに怪我の功名だったともいえる。
さらにわからないままだったら、と考えるとちょっと怖くなる。
というのも、骨粗しょう症が進むと、単純に骨折のリスクが高くなるばかりではなく、将来的に腰が曲がったり、身長が縮んでしまったり。とても困ったことが起きてしまうわけだけれど、でも同じくらい怖いのは、顔の変形だるみ。そう、不思議に見落としがちだけれど、顔にだって骨があり、顔の骨も骨粗しょう症になる。特に体の骨よりも細くて複雑だから、より変形しやすくなるといってもいい。ましてや、体の骨よりも負荷をかけにくいから、骨密度が低下しやすいともいえるのだ。
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じゃあ、顔の骨がもろくなったらどうなるか? 背骨の"いつの間にか骨折"で、背骨が少し詰まってしまうように、骨格そのものが歪んだり縮んだりしてしまうとしたらどうだろう。つまり、より深いところからのたるみリスクが高まるということ。とすれば、肌や筋肉の緩み以上に、顔のたるみの大きな原因になってくるということになる。それだけは避けなければ。
もちろんそこに自覚症状はない。ましてや骨粗しょう症で顔がたるむなど、誰も思っていないから、そういう意味でも大きな盲点となっている。だからこそ、予防が何より重要なのである。
いや"予防が大切"なさらなる理由はほかでもない、減ってしまった骨密度を増やすのは至難の業だから。私自身、骨粗しょう症であることがわかって以来、10年間ずっと薬を飲み続けているが、骨密度はほとんど増えない。仮に効果があったとしても、一方で年齢とともに減っていくのが骨密度。だから±0ということなのだろうか。
でも最近にわかに骨密度が増え始めた。一体なぜ? 以前と違うのは運動を始めたこと。週1回だがジムに通っている。結局のところ、骨は負荷をかけなければ増えてはいかないのだ。逆に言えば、ちゃんとカルシウムを取り、運動を続ければ、いくつになっても骨は増やしていけるということ。決して諦めてはいけないのだ。まずは測ること。あなたの骨は大丈夫だろうか?
次回は、美容家の吉川千明さんに話を伺います。
イラスト/石倉ヒロユキ 立体クラフト/矢島タカシ 構成・原文/山村浩子