これまで、骨粗しょう症を防ぐには骨を丈夫にする生活習慣を身につけておくことが大切であると学びました。そして前回は、4つのチェック項目でご自身のバランス感覚を知りました。今回は、転倒しない体づくりについて、中村格子先生にお話を伺いました。
強い骨プロジェクト⑰
適度な衝撃運動が
骨を丈夫にする!
骨折しない体づくりのために、まず取り組みたいのが骨と筋肉の強化。
「骨密度を高めるためには、骨をつくる骨芽細胞に働いてもらう必要があります。この“働け!”という指令になるのが、縦にかかる軽い重力刺激です」
それには、歩いたり階段を上るだけでもいいのですが、特におすすめなのがジャンプをすること。
「関節などを痛めないように、まず、その場で体を上下に“揺する”運動を行い、膝関節などを柔軟にしておきます。慣れてきたらエア縄跳びがおすすめです。実際に縄を用いないので、室内でもどこでもできて手軽」
そして筋肉を強化するには、まずは大きな筋肉から鍛えるのが鉄則です。チェックでも行った片脚立ちで15秒キープして、その後、つま先のアップ&ダウンを行います。太もも、中殿筋、腸腰筋など、足腰の筋肉を中心に強化することができます。
「そして忘れがちなのが腕の筋肉です。50代の骨折部位ナンバーワンが手首の橈骨(とうこつ)
です。プランクはこの手首や腕をはじめ、腹筋、背筋、脚の筋肉など、全身をバランスよく強化することができます」
骨折しないためには、まずは転倒しない体づくりを。骨と筋肉の強化に加えて、バランス感覚と1カ所だけに負担を集中させないための「受け身」を練習しておきましょう
次回は、骨力強化と筋力強化のエクササイズをご紹介します!
立体クラフト撮影/中川十内 立体クラフト/矢島タカシ 構成・原文/山村浩子