前回までに、日本人は基本的にカルシウム不足であることを知り、それを補うためにカルシウムに加えて、ビタミンD、K、そして油を適度に摂取することが大切であることを学びました。では、具体的にどんな食材を食べたらいいのでしょうか? 佐藤秀美先生にお話を伺いました。
強い骨プロジェクト㉓
カルシウム含有量に加え
吸収率も考えて!
「カルシウムが豊富な食材には、牛乳などの乳製品、小魚、また青菜などいろいろあります。しかし、その含有量だけでなく、吸収率にも注目したいところです」
その吸収率を見てみると、牛乳などの乳製品は40%、魚類は33%、野菜は19%。動物性のもののほうが吸収率は高い傾向があります。
例えば、100g当たりのカルシウム量で比べると、牛乳110㎎に対して、小松菜は170㎎と多いのですが、野菜は吸収率が悪いことを考慮する必要があるわけです。
「昨今は牛乳離れの傾向がありますが、コップ約1杯(200g)でカルシウム量が220㎎あり、吸収率もいいことを考えると、やはりカルシウム補給としては優秀な食品といえます」
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまうという人には、豆腐がおすすめとのこと。
「豆腐の吸収率は乳製品とほぼ同じという結果がアメリカの研究で報告されています。木綿豆腐約1/2丁(150g)でカルシウム量が129㎎なので、ぜひ取り入れたい食材です」
カルシウムの頼れるパートナーであるビタミンDが多いのは、紅鮭やカツオ、サバなどの魚類やきのこ類。ビタミンKが豊富なのは、モロヘイヤやほうれん草、小松菜などの青菜。納豆も優秀で、この摂取量と骨折リスクに相関関係があり、納豆をよく食べる地域は骨折率が低いというデータも。
次ページで、カルシウムやビタミンD、Kを多く含む食材について、表にまとめました。
カルシウムが多い食材
カルシウム摂取の推奨量は、30~69歳女性で「1日650㎎」です(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015年版」より)。牛乳1杯、木綿豆腐½丁、サバの水煮缶½缶、小松菜70gでクリアする感覚です。
ビタミンDが多い食材
ビタミンD摂取の推奨量目安は「1日5.5μg」。紅鮭1切れで30μgとれますが、多くの日本人は足りていません。週に2〜3回は魚を食べる習慣を! カルシウムもビタミンDもとれるサバの水煮缶は力強い味方。
ビタミンKが多い食材
ビタミンK摂取の推奨量目安は「1日150μg」。青菜のおひたしを食べるだけでクリアするので、これは楽勝⁉ 1日1回は青菜のおかず、と覚えておきましょう。
次回最終回は、強い骨づくりのための基本の食事についてご紹介します。
構成・原文/山村浩子