便秘をこじらせると20年後に骨盤底筋疾患を招く心配も。日頃の生活習慣を見直して、自分に合う便秘解消法を見つけましょう。
教えてくれたのは…
山名哲郎さん Tetsuo Yamana

秋田大学医学部卒業。JCHO東京山手メディカルセンター大腸肛門病センター部長。日本大腸肛門病学会専門医、指導医。便秘などの排便障害、痔疾患、骨盤底疾患(直腸瘤・直腸脱)、大腸がんなどの診断・治療に取り組み、直腸瘤には後腟壁形成術、直腸脱には腹腔鏡下直腸固定術を行う。おもな著書に『スーパー便秘に克つ!』(文藝春秋)など
松峯寿美さん Hisami Matsumine

東京女子医科大学卒業。東峯婦人クリニック名誉院長。日本産婦人科学会専門医。女性専門外来の先駆けとして、妊娠・出産、更年期、老年期まで、婦人科系QOLを保つ医療を実践。骨盤底筋トラブルの治療や子宮脱を改善する経腟手術を行う。おもな著書に『50歳からの婦人科 こころとからだのセルフケア』 (高橋書店)など
入浴でリラックス&血行促進
腸の働きをよくするには、副交感神経が優位になるようにリラックスするのが一番。ゆっくりと湯船につかって入浴するのが効果的です。熱 めのお湯は交感神経を刺激してしまうので、副交感神経が優位になるように38~40℃のややぬるめのお湯につかって温まるのがコツです。15~20分程度半身浴してもいいでしょう」(山名先生)
便秘の人は体が冷えていることが多いのですが、体が温まって冷えがとれると血行が促進され、胃や腸の働きもよくなります。また、お腹の血行がよくなると、お腹の張りや痛みがやわらいで楽になることも多いもの。就寝前の入浴には、交感神経優位の状態から、副交感神経優位に切り替える作用もあり、睡眠の質がよくなります。
良質な睡眠で生活リズムを整える
腸と自律神経の関係はとても密接。便秘を改善するためにも、体の活動にスイッチを入れる交感神経と、リラックスを促す副交感神経が規則正しく切り替わるように、生活リズムを整えることが必要です。それには、早寝早起きの規則正しい生活を意識するのが第一歩。
「実は、人が活動する昼間の時間帯は交感神経が優位で、腸の働きが抑えられています。一方、就寝中の副交感神経が優位な時間帯には、消化・吸収する働きや、ぜん動運動が促進されるというサイクルがあります。特に起床直後は副交感神経優位で、便が出やすい時間帯といえます」(山名先生)。
腸の働きを整えて快便になるためにも、良質な睡眠をとって、体のリズムを整える生活を心がけましょう。
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/大石久恵