暑い日が続きますね。ふみっちーです。みなさんお元気でお過ごしですか?
突然ですが、QOLって言葉、みなさん、聞いたことありますよね?
クオリティ・オブ・ライフ。生活の質、と訳されることが多いようです。
メディアなどでも最近取り上げられることが多いこの言葉、
特に高齢者や、疾病を抱えている方が、日常生活を送る上での自立感や精神的満足感が高いか、という観点から問題とされることが多いみたいですね。
なんで急にこんなことを言うかっていうと、
最近出た対話集『「長生き」時代を生きる 老・病・死の不安をどう乗り越えるか』
という本で、QOLについて非常に考えさせられたからです。
OurAge世代のみなさんって、ご両親はご健在でしょうか?
お別れを経験してらっしゃる方も、少なくないかもしれませんし、
もしかして今、介護真っ最中の方もいらっしゃるかも。
人ってゼッタイ老いるし(それは私たち、ジワジワと感じているところですよね)、
不老不死の人なんていない。
今はまだ“死”について考えられない、考えたくないとしても
どんな最期を迎えたいか-たとえば、家で家族と静かに過ごしていたいとか、
つらい延命治療はしてほしくない、とか-のイメージトレーニングは
そろそろしておいてもよいのかも。
そして、より自分の満足のいく最期を迎えるために、
知識を蓄えたり、何を優先するべきかを考えたりして、
できるだけの準備をしておくべきなのかも。
楽しく健康に生きることも大事だけど、
自分の人生の幕引きを、尊厳をもって、自分で選ぶことも大事!
この本を読むことで、その必要性にハタ! と気づいちゃったわけです。
登場するのは三人のスペシャリスト。
作家であり、医師である加賀乙彦さん。
作家で、母親の介護経験を持つ、落合恵子さん。
老年医学に長年取り組んできた医師、小澤利男さん。
医療はもちろん、高齢者医療制度、さらに科学や文学、歴史、宗教学などにも造詣の深い3人の対談は、とっても興味深い!
1ページごとに「へー」「なるほどー」「そういう考えもあるんだー」と
深くうなづかせてくれます。
そして、老年医学のスペシャリストたる小澤利男さんが、
ことあるごとに強調するのがQOL。
長生きする=老化する=かかる病気が増える、ということで
長く生きるほど病気にかかるリスクは増える、というか、むしろ病気でも当然。
だったらそれを受け入れて、QOLを高める努力をしよう、ということ。
やみくもに長く生きることを目指すより、
納得いく人生を満喫するために生きたくありませんか?
そのためには自分のQOL-何をしたいのか、何が楽しいのか、逆に何をしたくないのか-を明確にして、努力する必要があるのかも!
それを考えるヒントが、この本にはいっぱい詰まっています。
もちろん、それだけじゃありません。
介護経験者の落合さんと小澤さんが語り合う、胃ろうの問題、医師のクオリティ、
日本の医療制度の問題点など。
またクリスチャンでもある加賀さんは、折に触れ、キリスト教の見地から
生きることへの深遠な啓示をしてくれます。
「ヨーロッパでは胃ろうはやらない」
「老年医学はチーム医療(医師、看護士、コ・メディカルなど複数のスタッフ)であたる必要がある」
「年を取れば取るほど、CURE(治療)よりCARE(ケア)が大切」
「老いるということは悪くない。死を見つめたとき、生きることも見えてくる」
などなど、ふみっちーが線を引いた部分、数え切れないくらい!
テーマはシリアスですけど、対談形式で、話し口調ですので、
とっても読みやすいです。
高齢化や医療や介護など、OurAge世代が直面せざるを得ない問題について
わかりやすく解説されていますよ。
ぜひ一度、手にとってみてください。
おもしろいこと、ふみっちーが保証します!