股関節の不調で痛み止めに頼っている人、けっこういますよね。でも、正しい運動で痛みはかなり改善するそう。痛みが出そうで運動できないなんて言ってると、股関節まわりの筋力が落ちてますます痛くなることも。日頃から運動癖を身につけなくては、と思うミーナです・・・
股関節に不調を抱える読者が中村格子先生のクリニックを受診。
診断とエクササイズ等の指導を受ける様子をリポート!
お二人目は、会社員の古谷さん。
1年半前に、腰からつま先にかけて痺れるような痛みががあったとのことですが…。
古谷真弓さん Mayumi Furuya
1969年生まれ。会社員
「鍛えれば痛みも取れると言われ、
それだけで身も心も軽くなりました。
日々のトレーニング、必ず実行します!」
1年半ほど前、急に痛みに襲われ、
腰からつま先まで痺れるような痛みがあったという古谷さん。
右側の股関節から腰まわりが痛くなり、
寝返りを打ったり腰を曲げるのも不自由でした。
単なる腰痛ではないと思い、職場近くの整形外科で診てもらうと、
右の臼蓋形成不全と診断。
手術が必要な程度ではない、と痛み止めの薬を処方されます。
将来的な不安もあり、大きな病院の股関節専門のドクターにも
診てもらうと、やはり同じ見立てで、
現状維持をすすめられました。
「その後は整骨院で2週間に1回マッサージ治療を受けていて、
現在にいたります。
日常生活を送る分には痛みはなくなったんですが、
長時間歩いたり座り続けると股関節まわりに
痛みが出てしまいます。
臼蓋形成不全とのことなので、
どうしようもないのかもしれませんが、
できれば現状維持より、少しでも痛みを改善できたらいいな」
痛みは放っておかないで正しい運動で積極的に改善!
古谷さんを詳しく診察した格子先生はきっぱり!
「臼蓋形成不全とはいえ、ボーダーライン。
右の軟骨の幅が狭くなってはいますが、
まだまだ変形性股関節症の初期段階なので、
メンテナンス次第で長持ちさせられます。
痛みが出そうで運動できないと言っていると、
股関節まわりの筋力が落ちて痛みが増してしまいます。
負荷の少ない正しい運動で鍛えるのが理想。
これ以上体重を増やさないことも大事ね。
スタッフにエクササイズを教わったら、
自宅で続けてみてください。
正しくできているか不定期にチェックに来るくらいで大丈夫」
明快なアドバイスに、古谷さんの笑顔がこぼれます。
ここからは理学療法士の外崎さんにバトンタッチ。
古谷さんの状態に合わせて「痛くない怖くない」エクササイズを教えてもらいます。
外崎さんから教わったエクササイズの紹介は次回!
中村格子さん Kakuko Nakamura
profile
1966年生まれ。整形外科医、医学博士。
Dr. KAKUKO スポーツクリニック院長。
横浜市立大学整形外科客員教授。
2014年4月、スタジオを備えた整形外科クリニックを代官山にオープン。
健康の大切さを伝え、多くの著書(『実はスゴイ!大人のラジオ体操』など)の出版や講演、メディア出演と幅広く活動。
撮影/小山志麻 矢部ひとみ
構成・原文/蓮見則子