左足がちょっと外反母趾気味、靴によっては痛くなることもあるミーナです。今の段階なら、足指を正しく「育てる」ことでよくなるとのこと。頑張ります。
大地を踏みしめる小さな足を見直す。
柔軟でよく動く〝足指〞を育てよう!
将来ロコモにならないために、とても重要なのが体を支えている足指の健康。
10本の指をしっかり使い、〝歩ける〞体を目指して!
ここでは、シューフィッターを経てセラピストに転身した石田ミユキさんに、いつまでも“歩ける体”であるために重要な“足指”の大切さについて教えていただきます。
今回は、正しい“足指”の使い方や靴の選び方などについてご紹介します。
石田ミユキさん Miyuki Ishida
profile
セルフケアコーディネーター。シューフィッター有資格セラピスト。タイ流セルフケアサロン「OM NAMO(オナモ)」代表。一般社団法人「臨床タイ医学研究会」でタイ流介護予防セミナー開催。著書に『歩けるからだになるために』(BABジャパン)
OM NAMO ☎050-1411-6356
体に優しい歩行が
本来あるべき体を育成する
「将来、寝たきりになるのを予防するには、人とのかかわりや自分の行動範囲をいかに維持するかにかかっています。そのためには、いつまでも〝歩ける体〞をつくること。それには、足指の機能を取り戻すことが重要です」(石田ミユキさん)
石田さんは大手靴専門小売店のシューフィッターを経て、セラピストに転身。靴を通して、多くの子どもや女性の足の健康に携わっていた経験から、足指の大切さを訴えています。
「特に長年、パンプスやハイヒールを履いている女性は、足の指が圧迫され、外反母趾をはじめとして、足指が変形しているケースが少なくありません。それに伴い、〝正しい歩き方〞ができない人がとても増えています」
本来なら、かかとで着地し、重心を足の外側から小指の付け根→薬指→中指→人差し指と徐々に移し、最後は親指で蹴り出します。ところが、足首や足指の柔軟性がないため、この正しい重心移動ができないのです。実際に足底に墨を塗って、歩行時の重心移動の実験をしたところ、親指の足跡がつかない人が実に多かったと言います。
「つまり親指できちんと蹴り出していないのです。今は健康のためにウォーキングをする人が増えていますが、本来あるべき体の使い方で歩いていないと、腰や膝などに負担がかかり、かえって体を壊すこともあるので注意が必要です」
続いて、正しい歩行や靴選びいついて、お話を伺いました。
いつまでも軽快に歩くためには、
足指の柔軟性が大きなカギ!
足指をきちんと使わずにいると、不安定なため、体のほかの部位でバランスをとろうとします。例えば、首、肩、腰、股関節、膝など。これがコリや痛みの原因に。やがて足裏のアーチが崩れて落ちる開張足になったり、骨盤や骨格の歪みにつながることも。
「体に優しい歩行をするためには、足の指の柔軟性を高めることが大事。グーチョキパーができる足が目標です」
足指が動くようになると、体全体の血流がよくなり、適度な骨への刺激と、いい筋肉がつくことで、骨と関節の健康につながります。OurAge世代からよく歩き、運動習慣のある人は、もしも骨折などをしたとしても、回復が早いのだと言います。
「自分の健康は人任せにしない。数ある情報の中から、正しい知識、自分に合ったものを選び、実践すること。充実した老後を手に入れるためには、セルフケア力を養うことが大切です」
靴の選び方が大事 !
毎日履く靴は、甲が固定され、足先に適度なゆとりがあり、歩くときに足指が動かせるのが理想。パンプスやミュールは避けたいところ。
また、靴を履くときは、かかとをトントンして、かかとを靴にしっかり合わせることが大切です。
次回は、正しい重心移動による体に優しい歩き方をマスターするための、“足指”エクササイズをご紹介します。
撮影/藤澤由加 イラスト/かくたりかこ 取材・原文/山村浩子