「骨盤底筋」を鍛えれば、将来の尿や便の心配にそなえられるだけではなく、女らしい体型維持にも役立つと聞いて、ミーナも「骨盤底筋」コントロールにチャレンジ!けっこう、むずかしい・・・
体調が変わる! ボディラインが変わる!
究極のインナーマッスル
「骨盤底筋」は今日から鍛える!
実は、女性なら、どの筋肉よりも優先して鍛えるべき筋肉があります。それが、目で見ることができない深層筋(インナーマッスル)のひとつ、「骨盤底筋」です。
「骨盤底筋って何?」「どこにあるの?」。そう思ったあなたは、ぜひとも読むべし!
ここでは2回に分け、女性らしい体づくりとともに、女性特有の悩みを解消する「骨盤底筋」を鍛えるべき理由やトレーニングの仕方をご紹介。さらに、専門家4人の方々に対策などもアドバイスしていただきます。
今回は、美ボディを手に入れるための「骨盤底筋」トレーニングの仕方などを、理学療法士の重田美和さんとボディワークプロデューサーのkyoさんに教えていただきます。
今すぐ始めたい!
「骨盤底筋」コントロール
いざ鍛えようと思っても、鍛え方がわからないのが骨盤底筋です。でも実は、トイレを我慢するときに皆が行っているのがその方法のひとつ。尿を途中で止めることができる人、オナラや便を我慢できる人は、骨盤底筋をコントロールできています。骨盤底筋のトレーニングは、筋肉を鍛えるというより〝場所を分けてコントロールする〞というイメージを持つのが正解。
ヒップアップのエクササイズで「お尻を締めて!」と言われて行うあの動きも、骨盤底筋トレーニングのひとつ。でも肛門だけを締めても、骨盤底筋全体を鍛えることはできません。なぜなら、骨盤底筋は椅子に座ったとき、座面に接している部分全部だから。尿道側、膣の辺りなどを、肛門側とは別に動かせなければ、コントロールできていることにならないのです。
初めての人はまず、以下ご紹介する【基本の骨盤底筋トレーニング】を行ってみましょう。最初は、丸めたタオルを骨盤底筋の下側に置いて行うのが、意識しやすくなるのでおすすめです。〝仰向け〞は、最も骨盤底筋を動かしやすい姿勢なので、夜寝る前や朝起きたときに行ってみて。慣れてきたら、〝締める&緩める〞を素早く繰り返したり、ギューッと長く締めたり…いろいろな動かし方をしてみましょう。姿勢も立ったり座ったり、〝はいはい〞の体勢になったり。そのうち、どんな姿勢でも動かせるようになります。
最終的には、何をしているときでも動かせるようになるのが目標。その習慣ができれば、この先もずっと、骨盤底筋トラブルとは無縁でいられるはずです!
重田美和 さん Miwa Shigeta
profile
1972年生まれ。理学療法士、排泄機能指導士、排泄機能検査士。
理学療法の現場と、育成する立場での仕事を数年間行った後、
大学院で女性の骨盤底機能に関する研究に没頭。
現在は、その知識と技術を広く伝えるべく
「LUNA骨盤底トータルサポートクリニック」にて活躍中。
http://www.luna-clinic.jp
下腹が出てきた、お尻が垂れてきた…。
そんな体型のくずれも、実は、「骨盤底筋」の衰えが原因かもしれません
「はっきりとした症状がある方は、
専門家の指導でトレーニングを」
重田先生が所属するのは、数少ない女性泌尿器科を中心としたクリニック。患者さんの症状の多くに、骨盤底筋の障害がかかわっています。
「最初に女性理学療法士が、膣の中から骨盤底筋群に触れ、状態を調べたうえで、その人に合ったプログラムを組みます。例えば尿失禁の場合は、速筋系を鍛えるプログラム。骨盤臓器脱の場合は、持久力を鍛えるようなプログラムです。最近、雑誌やテレビを見て、骨盤底筋を鍛えようとする人が増えてきましたが、誤った方法で行い、逆効果になっている人も多い様子。特に排尿問題などの症状がある方は、ぜひ専門家のもとで指導を受けていただきたいですね」
【基本の骨盤底筋トレーニング】
まずは仰向けの姿勢で行います。このとき、両脚の膝を立てます。腰は反らせないように注意して。また、お腹やお尻など、骨盤底筋以外の周辺の筋肉は、動かさないようにしましょう
女性らしいボデイラインと「骨盤底筋」のお話は次ページに。
kyo さん kyo
profile
1962年生まれ。ボディワークプロデューサー。
オリジナルの自己骨盤調整メソッド「ビューティ・ペルヴィス」が人気となり、
2015年にまったく新しいスタイルのスタジオ
「b-i STYLE」(ビィスタイル)を外苑前にオープン。
骨盤や骨盤底筋に特化した著書が多数。
http://www.b-i-style.com
尿漏れ解消のために始めた「骨盤底筋」トレーニングで、
ウエストがくびれたり、肌がキレイになる人も!
「女性らしい体づくりは
弾力のある『骨盤底筋』から」
「骨盤底筋を鍛えることは、実質的な〝膣トレ〞になるので、年齢に関係なくパートナーにも喜ばれることは間違いありません。フランスなどではそれも常識。日本女性も、これからはそういった意識を持ってほしいと思いますね。私たち女性が目指したいのは、弾力のある骨盤底筋。ただカチカチに締めつけるだけでなく、緩めることも大事なんですよ」。
kyoさんが言うように、柔軟性のある骨盤底筋は、しなやかな体の土台になります。繊細なトレーニングで、丸みのあるヒップにくびれたウエスト、美しい姿勢、そして女性らしいボディラインを目指したいものです。
イラスト/かくたりかこ 構成・原文/蓮見則子