入浴医学の第一人者である早坂信哉医師が長年の研究で導き出した、疲れが取れる「基本の入浴法」とは?
疲れが取れる基本の入浴法
疲れを取るための基本の入浴法は、この5つがポイント。血流がよくなって、自律神経が整うことで睡眠の質が高まり、疲労が効果的に回復します。
1. 温度は38〜40℃
お湯の温度は40℃がベスト。暑い時季は38℃まで下げてもOK。これはのぼせなどの不調を起こしにくい安全な温度。10〜15分でも十分に温まります。
2. 肩までつかる全身浴
肩までつかる全身浴がおすすめ。静水圧と浮力の作用で、体の隅々まで血液を送ることができます。最初にかけ湯で体をお湯に慣らしてから入ること。
3. つかる時間は10〜15分
入浴時間は10〜15分に。心身に大きな負担がかからず、しっかり体が温まります。汗が流れるほど長く入ると、入浴熱中症(のぼせ)になるのでNG。
4. 入浴剤で効果UP
血流促進作用がある硫酸ナトリウム配合の入浴剤や、炭酸入浴剤などを入れるとさらに疲労回復効果がアップ。香りによりリラックス効果も高まります。
5. 入浴後は温熱効果を逃さない
入浴後、扇風機などで涼むのは血流のよい状態がすぐ終わってしまうのでNG。素早く水分を拭き取り、体が冷めないうちに布団に入りましょう。
【教えていただいた方】
東京都市大学人間科学部学部長・教授。20年にわたり3万人以上の入浴を調査。お風呂や温泉の医学的研究の第一人者。著書に『おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術』(山と溪谷社)など
取材・原文/和田美穂