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胃酸過多やイライラ…入浴法を変えれば不調は改善できる

入浴時に、お湯の温度、入り方やタイミングを変えるだけで、不調の改善につながることを知っていますか。入浴医学の第一人者・早坂信哉先生に聞きました。

※文中の「基本の入浴法」は、早坂先生の研究で導き出された、疲れが取れるベースとなる入浴方法です。

 

不調別
お風呂の入り方アドバイス

胃の調子が悪い

胃酸過多なら42℃のお湯に5分×3回

逆流性食道炎などの胃酸過多の症状には、熱いお湯で交感神経を刺激するといいので、42℃のお湯に5分つかるのを3回繰り返しましょう。消化不良など胃液の出が悪い場合は、基本の入浴法を。

 

イライラする、やる気が出ない

イライラには基本の入浴法が効果的

イライラするときは交感神経が優位なので、リラックス効果のある基本の入浴法を。やる気が出ないときは副交感神経が優位なので、42℃のお湯に5分つかるを3回繰り返し、交感神経を刺激して。

 

肩こり・腰痛

肩や首までしっかりつかり、お風呂の中でストレッチを

こりや痛みがある部分を温めるとよいので、基本の入浴法で肩や首までしっかりつかりましょう。また、入浴中は筋肉が柔らかくなり動かしやすくなるので、肩こりの人は肩を回すストレッチ、腰痛の人は腰をひねるストレッチを。

湯船につかり、肩を回す

湯船につかり、両ひじを曲げて手を肩に当て、ひじで円を描くようにぐるぐると回します

湯船につかり、腰をひねる

湯船につかり、腰をひねって片側の浴槽をつかみます。これを左右交互に行って

 

高血圧・低血圧

高血圧は基本の入浴法、低血圧は朝シャワー

ぬるめのお湯は血圧を下げるので高血圧の人は基本の入浴法を。低血圧の人は朝が苦手であれば、朝に42℃くらいのシャワーを2〜3分浴びるのがおすすめ。交感神経が優位になり活動モードに。

 

目の疲れ

つかりながら目をタオルで温めて

目の疲れには、お風呂につかっているときに、お湯につけて絞ったタオルを目に当てて温めましょう。目のまわりの血流がよくなり、疲労物質の代謝が促進。入り方は基本の入浴法でOKです。

 

風邪

40℃のお湯に10分以内。湯気を吸い込むのを意識

風邪をひいたときでもお風呂に入ってOK。湯気が喉や鼻の不快感を緩和してくれます。ただし、疲れやすいので、40℃のお湯に10分以内ぐらいにして短めに入りましょう。湯気を吸い込むのを意識すると◎。

膝痛・関節痛

痛みが起きて1週間後から入浴し、関節の曲げ伸ばしを

痛みが起きて1週間の急性期には温めないほうがいいのでシャワーですませて。約1週間後からは基本の入浴法で入ってOK。温めると関節が伸ばしやすくなるので、入浴中や入浴後に痛む関節の曲げ伸ばしを。

 

生理痛・PMS・更年期

生理痛の緩和には下半身をよく温めて

生理中も入浴して温めると痛みが緩和されやすくなります。40℃のお湯に15分つかり、出る直前に42℃で追い焚きして下半身を温めて。PMSや更年期のイライラや痛みの改善には基本の入浴法を。

 

 

早坂信哉
早坂信哉さん
温泉療法専門医・医学博士
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東京都市大学人間科学部学部長・教授。20年にわたり3万人以上の入浴を調査。お風呂や温泉の医学的研究の第一人者。著書に『おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術』(山と溪谷社)など

 

 

イラスト/二階堂ちはる 取材・原文/和田美穂

 

 

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