「牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする」という人に
「牛乳が栄養豊富なことは知っているけど、牛乳を飲むとお腹が痛くなったり、下痢をしたりする」という悩みを持っている人も多いでしょう。そんな人にもうれしい、「お腹がゴロゴロしにくい」といわれるタイプを2品ご紹介します。
ひとつめは、海外ではすでにスタンダードになりつつある存在で、近年、日本でも話題の「A2牛乳」。「お腹がゴロゴロする」原因のひとつといわれている、牛乳に含まれるタンパク質「β-カゼイン」に注目した製品です。
牛乳に含まれるタンパク質β-カゼインには、「A1」と「A2」ふたつの型があり、消化不良(例:おなかがゴロゴロする)を起こすのはA1型であるといわれています。そこで、開発されたのが、消化不良を起こしにくいA2型のβ-カゼインのみを含む「A2牛乳」です。
乳牛から搾った乳にA1とA2、どちらの型のβ-カゼインがどれだけ含まれているかは、牛の品種や牛の持つ遺伝子によって決まります。ですから、A2型のカゼインのみを持つ牛乳であるためには、まずは、乳牛そのものを、遺伝子検査によって以下のように分類する必要があります。
「A1」タイプ…A1型のみ、またはA1型とA2型のβ-カゼイン、両方を持つ乳牛
「A2」タイプ…A2型β-カゼインのみを持つ乳牛
こうして、A2型のβ-カゼインのみを持つ乳牛から搾乳した生乳だけを使用して、製品化したのがA2牛乳です。
♦「A2型β-カゼイン」だけの牛乳、産地・牧場限定牛乳
北海道A2別海牛乳
産地は、日本一の酪農地帯ともいわれる北海道別海町。なかでも、トップクラス規模を持つ牧場「別海ミルクワールド」で遺伝子検査によって選別したA2型β‐カゼインのみ持つ乳牛から搾乳した生乳が原料。
「お腹にやさしいこと」に加えて、産地・牧場指定で大切に育てた高品質も魅力。あっさりとした飲み口でごくごく飲みやすい牛乳です。
<種類別>牛乳
<栄養成分(コップ1杯200ml当たり)>
エネルギー:137kcal
タンパク質:6.8g
脂質:7.8g
炭水化物:9.9g
カルシウム:230mg
<価格>オープン価格
<商品HP>
北海道A2別海牛乳|近藤乳業株式会社 (kondou-milk.co.jp)
もうひとつ、「お腹がゴロゴロする原因」といわれているのが牛乳に含まれる乳糖。
乳糖は、小腸で作られる「ラクターゼ(乳糖分解酵素)」によって分解されますが、この「ラクターゼ」が少ない人は、乳糖を消化吸収できず、下痢を引き起こしやすくなったり、吸収されない「乳糖」が腸内細菌によって発酵し、ガスが発生して腹部膨満感につながったりします。こうした症状を乳糖不耐症といいます。
そこで、〝あらかじめ乳糖を分解したミルクなら、こうした症状に悩む人たちも安心して飲むことができる〟という発想から誕生したのがこのアカディです。
♦乳糖を80%分解、「おいしさ特許製法」で牛乳らしい味わい
アカディ おなかにやさしく
「お腹がゴロゴロしにくい」ミルクとして、長年愛されている商品。
乳糖をあらかじめ分解して約8割をカットしています。
また、「おいしさ特許製法(特許第5514422号)」を取得。乳糖を分解しつつ、乳成分のバランスを整えることで実現した、牛乳らしいおいしさもしっかり味わえます。
<種類別>乳飲料
<栄養成分(コップ1杯200ml当たり)>
エネルギー:96kcal
タンパク質:5.3g
脂質:4.7g
炭水化物:8.2g
カルシウム:246mg
<価格>オープン価格
<商品HP>
アカディ おなかにやさしく|雪印メグミルク ミルクシリーズ|雪印メグミルクの牛乳・乳飲料 (meg-snow.com)
「生産者の顔が見える」こだわりのおいしさ
最後に紹介する牛乳3品は、いずれも産地・牧場指定の牛乳。生産者の熱意と乳牛への愛情がたっぷり詰まった「こだわり牛乳」です。
良質な乳牛を飼育するために大切な〝のびのびとしたストレスのない環境を整える〟、〝できるだけナチュラルな飼料を与える〟といった、牛にやさしい飼育を行っています。
また、生乳の風味を損なわない製法で加工をする、できるだけ新鮮なうちに素早く流通させる、など細部にまでこだわりを感じます。
そんな「こだわり牛乳」に興味がある…という人は、ぜひ各メーカーのホームページをチェックしてみてください。
牛を育てている牧場の様子が詳しく紹介されているほか、酪農生産者の皆さんの生き生きとした笑顔なども見ることができ、まさに「生産者の顔が見える牛乳」。
きっと飲んでみたくなりますよ。
♦無農薬牧草で育った牛の乳を低温殺菌
有機JAS 手作り牧草の牛乳/タカハシ乳業
北軽井沢嬬恋高原の松本牧場で、農薬・化学肥料・殺虫剤等まったく使用しない牧草のみを食べて育った乳牛から搾乳。牛にストレスを与えないよう毎日放牧をしています。
65℃30分の低温保持殺菌によって、生乳そのものの風味とコクを大切にした、甘味のある牛乳です。
<種類別>牛乳
<栄養成分(コップ1杯100ml当たり)>
栄養成分 100ml当り
エネルギー 63kcal
タンパク質 3.1g
脂質 3.5g
炭水化物 4.8g
食塩相当量 0.1g
カルシウム 110mg
<価格> 808円(税込み)
<商品HP>
トップ|タカハシ乳業 (takahashi-milk.co.jp)
♦北海道十勝の14戸のこだわり酪農生産者を指定
生産者指定よつ葉牛乳
北海道十勝管内の牧場で、「遺伝子組み換え混入防止管理済み飼料(遺伝子組み換え品混入率5%以下)」を使用して育てた乳牛から搾られた生乳のみを「限定使用」。
殺菌・パック詰めも、生乳の生産地である十勝で行っています。
<種類別>牛乳
<栄養成分(コップ1杯200ml当たり)>
エネルギー:143kcal
タンパク質:6.8g
脂質:8.5g
炭水化物:9.7g
食塩相当量:0.19g
カルシウム:242mg
<価格>オープン価格
<商品HP>
生産者指定よつ葉牛乳 | 北海道のおいしさを、まっすぐ。よつ葉乳業株式会社 (yotsuba.co.jp)
いかがでしたか?
「牛乳・ミルク」とひと口に言っても、本当にさまざまな商品がありますね。
そして、そのどれもが私たちの健康をサポートするよう、乳業メーカー、酪農家の皆さんが研究を重ね、頑張って作っている商品です。
ぜひ、「お気に入り」を見つけて、健康的で美しい体づくりに役立ててくださいね。
OurAgeには、牛乳・ミルクを活用したレシピをご紹介している記事もありますので、下の4つの記事もぜひご覧ください。どれも管理栄養士で〝ミルク料理研究家〟の小山浩子さんが、OurAge世代に向けて考案してくださったもの。
驚くほど簡単でおいしいですよ!
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取材・文/瀬戸由美子