ハーバード大学&ソルボンヌ大学医学部客員教授・根来秀行さんの「根来式4つの呼吸メソッド」の最終回です。睡眠は全身の細胞や血管を修復し、老化の元凶である活性酸素を掃除してくれます。今回は、その睡眠の質を高めるのに役立つ「マインドフルネス瞑想呼吸」を教えていただきました。
睡眠の質を高めるリズム呼吸
睡眠の質が上がると副交感神経優位の状態が続き、リンパ球の働きが活性化します。睡眠中にメラトニンや成長ホルモンの分泌も活発になり、全身の細胞や血管が修復され、老化の元凶である活性酸素を掃除してくれます。
OurAge世代では、中途覚醒で悩む人が目立ちますが、たいていは心配事が頭を離れず、眠りが浅いのです。夜中に目が覚めたら、起き上がらず、1対1のリズムで呼吸を繰り返す「マインドフルネス瞑想呼吸」で、呼吸だけに注意を向けてみましょう。
脳の前頭前野の活動が抑えられ、余計なことを考えなくなり、記憶を司る海馬への負担が減少。一定のリズムで呼吸を繰り返すことで、幸福ホルモンのセロトニンも分泌されます。5分ほど行うと、θ(シータ)波が現れ深いリラックス状態に。ぐるぐる思考から解放され、自然に入眠できます。
この方法で安眠が習慣づいて、理想の7時間睡眠が確保できるようになった患者さんも大勢いますよ。
●マインドフルネス瞑想呼吸
あお向けに寝て、手足をゆったり伸ばし、目を閉じて1対1のリズムで吐く・吸うを繰り返します。鼻の穴を呼吸が行き来していることだけに注意を向けます。
雑念が浮かんだら「今、考え事をしている」と心の中で確認し、その雑念は風呂敷にくるんで捨てるイメージを
前回までご紹介してきた「根来式4つの呼吸メソッド」は、下のリンクから読むことができます。
脳も体も、すべての不調は細胞の酸欠部位で起きている!
『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』
根来秀行 著/集英社
1,430円
呼吸法、食事、睡眠、運動など、細胞レベルで元気になれる簡単で効果抜群の生活術が満載
根来秀行さん
Hideyuki Negoro
ハーバード大学医学部客員教授、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など。『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』 『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業「毛細血管」は増やすが勝ち!』(ともに集英社)など著書多数
撮影/角守裕二 イラスト/浅生ハルミン 構成・原文/石丸久美子