ひざ痛には、腰椎型、関節型、お皿型、筋肉型の4つの原因があることをご紹介しました。腰椎のずれなどが原因で起こる「腰椎型」には、タイプA、B、Cがあります。自己診断方法で「腰椎型」の中でのタイプがわかったら、その原因に合わせた体操を実践しましょう。簡単&効果抜群だから毎日の習慣に。
今回ご紹介するのは、腰椎型タイプC向けのエクササイズです。
教えてくださるのは、
銅冶英雄さん
Hideo Doya
お茶の水整形外科 機能リハビリテーションクリニック院長。運動療法、オーダーメイド靴、栄養療法を組み合わせた治療が好評
腰椎型ひざ痛
腰を前後左右に動かすエクササイズで改善を!
「腰椎型」ひざ痛は、さらに3タイプに分かれます。タイプ診断で腰を反らして痛みが軽減した人はタイプA、前かがみで軽減するならタイプB、腰を横にずらして軽減したらタイプCのエクササイズを。
今回は、「腰椎型タイプC」のエクササイズをご紹介します。実践してみて痛みが軽減したり脚の可動域が広がったり、歩きやすくなるなどの改善が見られたら、1日10回×5~6セット(3時間おきが理想)を目安に行います。
腰椎型TYPE C
お尻ずらし体操(側方改善型)
壁に片ひじをつき、お尻を壁側に突き出す体操です。両肩を水平に保ったまま、お尻だけを動かすのが大きなポイント。この体操は、お尻を右にずらして痛みが改善した場合は、右方向だけの体操(1、2)を。左にずらして痛みが改善した場合は、左方向(3、4)だけを行います。反対側を行うと、痛みが悪化する場合もあるので注意して。
1
右タイプは右に壁を見て立つ
壁を右に見て、壁から少し(上腕分の距離)離れて立ちます。両足は肩幅に開き、右のひじから手を壁につけ、左手は腰に当てます
2
お尻だけを右に突き出す
両肩をできるだけ水平に保ちながら、お尻だけを右(壁側)に突き出して2~3秒キープし、ゆっくり元に戻ります。これを10回
3
左タイプは左に壁を見て立つ
壁を左に見て、壁から少し離れて立ち、両足を肩幅に開き、左のひじから手を壁につきます。右手は腰に当て、体の力を抜きます
4
お尻だけを左に突き出す
両肩が上下しないよう水平に保ったまま、お尻だけを左(壁側)に突き出して2~3秒キープし、ゆっくり元に戻ります。これを10回
エクササイズの注意点!
これらの体操を行なってはいけない人
次に該当する人は今回紹介する体操を行わないで。
●転倒や捻挫によるひざ痛。●皮膚に赤みがある。●ひざに腫瘍がある。●関節リウマチ。●ステロイド剤を使用中。●人工膝関節手術を行なった人。●体操中に痛みが強まる場合。
次回は、「関節型」タイプをご紹介します。
撮影/フルフォード海 モデル/島村まみ イラスト/木下綾乃 構成・原文/山村浩子