広い範囲をほぐすことができる、フォームローラーを使った肩甲骨から背中にかけての筋膜リリース法を、トレーナーの酒井大輔さんに教えてもらいます。
ピンポイントではなく広範囲にほぐすのが秘訣
首から肩まわりは小さな筋肉が集まっているため、血流が悪くなりがち。それなのに約5㎏もの頭を支え続けています。姿勢が悪いだけでも首や肩には負担がかかり、放っておくと今度は筋肉ではなく筋膜が頑張りすぎて、癒着を起こす。これが痛みの原因です。
首〜背中までの筋膜リリースで改善されなかった場合は、さらに範囲を広く、全身のリリースをおすすめ。ただし、急な痛みや夜間痛がある人、首まわりに疾患のある人は、慎重に。(酒井大輔さん)
フォームローラーで背中をほぐす
おもに背骨と肋骨をほぐすステップ。これは広い範囲をリリースできるフォームローラーの真骨頂! ここがほぐれると肩甲骨の動きが格段によくなり、結果としてガチガチの肩や首の筋肉が柔らかくなっていきます。
●ほぐしエリア
肩甲骨から背中全体がターゲット。ローリングの際は、ウエストのあたりまでを背中ととらえて。慣れないうちは、上下半分ずつ、分けて行うとうまくいきます
●肩甲骨周辺にローラーが当たるようにゆっくり4往復
後頭部で両手を組み、頭をしっかり支えながら、肩甲骨周辺にローラーが当たるように配置。背中を押しつけながら上下にゆっくり4往復ローリングします。お尻を浮かせたほうが転がしやすいけれど、腹筋が弱く腰が反ってしまいやすい人は、床につけたままで
●首を痛めてしまうのでNG
首を手できちんと支えないのはNG。逆に首を痛めてしまいます
●細かく動いてズリ圧を30秒かける
肩甲骨の真下にローラーを置き、体重を乗せて背中を押しつけたまま、小さく左右に動いてズリ圧をかけます。モゾモゾ動くような小さな動きがベター
※下のリンクから基本の動きの記事を見ることができます
教えていただいたのは
酒井大輔さん
Daisuke Sakai
1974年生まれ。全米アスレティックトレーナー協会公認アスレティックトレーナー(NATA-ATC)。数々のスポーツチームのサポート、10年間の船橋整形外科病院勤務を経て、現在は地域密着型のコンディショニングスタジオ「船橋オルトベース」主宰。イオンスポーツクラブのスタッフ育成などにも従事。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/三浦真淑 モデル/SOGYON スタイリスト/鈴木由里香 監修/酒井大輔(船橋オルトベース) 構成・原文/蓮見則子