両脚を大きく開いて行う「骨盤スクワット」は、体の中心である骨盤まわりの筋肉と関節を整える効果が抜群。全身を健康に導きながら、加齢やコロナ禍で緩んだヒップラインを引き締めます。
筋トレ+柔軟性アップ
骨盤スクワットで人生初・美尻
トップス¥11,000/ジュリエ ヨガ アンド リラックス レギンス¥4,990/KIT(YES)
【骨盤スクワットで鍛えられる前側3つの筋肉と、その働き】
●腸腰筋
大腰筋と小腰筋、腸骨筋から成る筋肉の総称。腰から太ももの付け根にかけて左右対称にあります。おもに歩くときに脚を上げる働きをします
●大腿四頭筋
4つの筋肉から成る、人体で最も体積の大きい筋肉。特に股関節の屈曲と膝関節の伸展(しゃがむときなどの動作)を担っています
●内転筋
大内転筋をはじめとする5つの筋肉から構成。股関節の内転(脚を閉じる)や屈曲(脚を上げる)、外旋(脚を外向きにひねる)の動作に関係します
【骨盤スクワットで鍛えられる後ろ側3つの筋肉と、その働き】
●大腿二頭筋
太ももの裏にある長い筋肉で、股関節の伸展(脚を後ろに引く)、膝の屈曲(膝を曲げる)、膝関節の外旋(外向きにひねる)という働きをします
●梨状筋
臀部の深層にある外旋六筋の中のひとつ。股関節の外旋(脚を外向きにひねる)や、外転(脚を開く)にもわずかに関与しています
●大臀筋
臀部を覆う表層にある筋肉。おもな作用は股関節の伸展(脚を後ろに引く)。大臀筋は股関節の外転や内転の作用があります
下半身が効率よく整う「骨盤スクワット」5つのメリット
普通のスクワットとの違いは、両脚を大きく開いてしゃがむこと。これにより、骨盤まわりの主要な筋肉と関節が、一度にバランスよく刺激され、血流もアップ。5つのメリットがあり、あきらめていた「美尻」が手に入るコスパ抜群のエクササイズです。
1. 美尻筋をバランスよく刺激
「上半身は全身の約7割の重さがあります。大きく股を開いてしゃがむことで、その重みが負荷となり、下半身力を担う骨盤一帯の筋肉=「美尻筋」を効率よく刺激します」(みのわあい。さん)。現代の生活ではしゃがみ込む動作が激減しているため、低下しがちなこれらの6つの筋肉を効率よく鍛えることができます。
2. 姿勢が整う
「本来の人体は“上虚下実=上半身はリラックスし、下半身はどっしりと充実させる”のが理想。また、体の前側は上向きで、背中側は下にベクトルが向いていることも大切です。ところが現代は、座る時間が長い生活などから、上下や前後のバランスが逆になっています」。骨盤スクワットはそれを理想の状態に戻します。
[左]現代人は上半身がいつも緊張して重く(=実)、下半身が軽く弱い(=虚)状態。[右]骨盤スクワットを行うと、本来あるべき、下半身がしっかりした、胸を張ったよい姿勢が取り戻せます
3. 3つの効果で理想のお尻に
股関節を大きく開いて膝を曲げる…動きとしてはとてもシンプルですが、3つが同時にかないます。「骨盤や股関節まわりの柔軟性がアップする『ストレッチ効果』、体幹や下半身の主要な筋肉が強化される『筋トレ効果』、脂肪燃焼、血流促進、心肺機能を高める『有酸素運動効果』。実にコスパがいい運動なのです」
柔軟性を高め、筋肉を強化、血流を促す効果が同時に得られることが大きな魅力。毎日の習慣にすれば、下半身力強化と美尻が実現します
4. 骨盤の歪みを調整
「骨盤は体の中心にあり、上半身と下半身をつなぐジョイントの役割も果たします。ところが、生活様式の変化による運動不足や加齢などで、骨盤まわりはサビつきがち。ここを整えることは、私たちの基本的な動作をスムーズにして動きやすい体にしてくれます」
骨盤は上半身と下半身をつなぐ部分。毎日の姿勢や体の使い方次第で、大きく歪んでしまう部分でもあります
5. お尻が整うと心も安定する
ヨガを実践したり、興味のある人は知っていると思いますが、体にはチャクラと呼ばれる7つのエネルギーポイントがあります。「ちょうど骨盤はその第1チャクラ(赤い部分)に当たります。ここは生命力の基盤で、心を整え、全身をエネルギッシュにしてくれるポイント。骨盤スクワットは心の安定にも役立ちます」
20代でウォーキング指導の第一人者・デューク更家氏に師事。心身の健康について学び、ウォーキング理論を習得。健康経営や健康意識啓発の分野の講演多数。受講者は10万人を超える。著書に『骨盤革命 1日1分の骨盤スクワットで美姿勢になれる!』(自由国民社)
撮影/フルフォード海 ヘア&メイク/鈴木 翠 スタイリスト/鈴木由里香 監修・モデル/みのわあい。 イラスト/内藤しなこ 構成・原文/山村浩子