「五臓ヨガ」で、更年期の頑固でつらい「肩こり」にアプローチします!
東洋医学とヨガを掛け合わせた「五臓ヨガ」。
この連載では、40代、50代の更年期に多い悩み別に、ツボとポーズをご紹介します。
今回のテーマは、肩こり。
「五臓ヨガ」考案者のSatoshi先生によると、肩こり解消のポイントは、胸を広げ、呼吸を深めることなのだとか。
早速、その方法を教えていただきましょう!
Satoshi先生の「五臓ヨガ」
「肩こり」の症状に効果的なツボとポーズとは?
更年期世代にとって身近な不調のひとつ、肩こり。
肩こりにもいろいろな症状がありますが、今回ご紹介するツボとポーズは、悩みごとやデスクワーク、家事全般による“下向き姿勢”が引き起こす、肩甲骨の間あたりの「肩こり」に特に有効なのだそう。
「思い悩んだり、生活習慣で姿勢が悪くなったりすると、両肩が内巻きになりがち。
すると、胸(体の前面)が縮こまって呼吸が浅くなり、疲労が取れにくくなってしまいます。
さらに、肩甲骨と肩甲骨の間(体の背面)は常に伸ばされるため、痛みやだるさの原因に。
肩こりの解消には、普段、縮こまりがちな胸のあたりを広げることが大切です」(Satoshi 先生)
──下で紹介する「ツボ押し」と「ポーズ」、どちらかを行うだけでもいいですが、両方行えばさらに効果的です。
■五臓ヨガ【ツボ編】
「肩こり」に効果的なツボ「手三里(てさんり)」を刺激する
「手三里は、肩こり・首こりを軽減する効果が期待できるツボ。
寝違えの特効ツボとしても知られています。また、大腸のツボでもあるので、腸の働きを活性化する効能も。
このツボを刺激するなら、昼間の休憩中や入浴中に。
頭が冴える可能性があるので、寝る前に行うのは避けましょう。
左右どちらも刺激するのがおすすめですが、特に利き手側は、使いすぎている傾向があるので、毎日ケアするとよいですね」
●ツボ「手三里」の位置はここ!
ツボ「手三里」の位置:ひじを曲げた際にできる、腕の外側のシワから手首寄りに、指3本分の場所。
【1】
ツボ「手三里」の押し方:親指の腹で、ジワーっと15秒程度、押し続けます。
【注意点】:これを行っている間は、息を止めないようにしましょう。また押すときは、“痛気持ちいい程度”の力加減で行いましょう。
効能:肩こり、首こり、寝違え、腸の不調など
■五臓ヨガ【ポーズ編】
「肩こり」に効果的な「心のポーズ」を行う
「肩こりに悩む方におすすめなのは、『心』(しん)のポーズ。
緊張して縮こまっている胸まわりを広げることで、呼吸が深まり、全身の気血の巡りがよくなります。
『心』は喜びの感情とも関係が深く、喜びには気を緩める作用があるため、このポーズを行うと、メンタルもゆったりとポジティブに整えられるでしょう」
【1】
うつ伏せになり、右腕を肩の高さで横に広げ、手のひらをできるだけ遠くに置きます。
左手は顔の横についておきます。
※ 過去に肩関節の脱臼をした方は、右手の位置を少し足側に下げてください。
【2】
左手で床を押し、体を左向きにして起こします。
【3】
おへそと胸を横に向け、右手の伸びを意識します。
左手は頭の下に入れ、首の力を抜きます。
このとき、おへそと胸がしっかりと横を向いていること、首が脱力できていることが重要。
つらくなければ60秒キープします。
【1】~【3】の一連の動きを、上で紹介した左向きで1回行い、次に右向きに変えて1回、行います。
「一日で何回も行うよりは、毎日、左右1回ずつ行うほうが、効果は高まります」
──慢性的な「肩こり」に悩む、更年期世代は多いはず。
今回紹介した方法は、普段、自分ではなかなか押さない場所(ツボ)、やらないポーズですが、実際に行ってみると、体がかなり楽になります。
ぜひ覚えて、「肩こり」がつらくなったら、実践してみましょう!
【教えていただいた方】
大阪・心斎橋のサロン「B HAPPY」で鍼灸・美容鍼灸やパーソナルトレーニングを行うほか、インストラクターやセラピスト向けのカラダの講座を開講中。大阪・豊中の「岩塩ヨガスタジオ 四季」で五臓ヨガのクラスも担当。また、子どもを中心とした運動教室「カラダツクルスクール」でも活躍中。幅広い方法で健康・美容にアプローチする、カラダメンテナンスの専門家。 「サトシ "鍼灸とヨガとシンギングボウル"」インスタグラム:@sa.to.shi.f 「B HAPPY」インスタグラム:@b.happy3104 「岩塩ヨガスタジオ 四季」インスタグラム:@ganenshiki 「カラダツクルスクール」インスタグラム:@karadatsukuruschool
撮影/仲尾知泰(Ripcord) 指導・モデル/Satoshi 取材・文・モデル(手三里の写真)/藤本幸授美