40代以降、女性ホルモンが減少すると、
自律神経もコントロールが難しくなっていきます
「こんにちは! ストレッチ整体師のともです。今日もストレッチ、やってますか〜? 今回はストレッチ…ではなくて、さらに効果の高いお腹のマッサージをご紹介します!」(とも先生)
「バナナ腰」(腰がバナナのように反りすぎている“反り腰”の状態のこと)の人は、本来活動するべき関節を動かさずにいるため、筋肉が硬くなりがち。
「その結果、血液の循環を調整する自律神経のパワーが弱まっています」と、とも先生。
更年期とその前後の女性の場合はさらに、女性ホルモンの減少に伴って、脳の視床下部から発令される、ホルモンコントロールの指示どおりにホルモンが分泌されなくなるので、脳が混乱している状態に。
「視床下部は、自律神経の働きも担っているところ。ホルモンの乱れも自律神経に影響するうえに、バナナ腰からくる姿勢の乱れも自律神経のコントロールに影響して、血流だけでなく、内臓の動きも悪くなってしまうんです!」
自律神経の乱れで働きが落ちている内臓には、「リンパと大腸のマッサージ」を!
自律神経の乱れ解決&改善の重要ポイントは、リンパの巡りと大腸の動きをよくすること。
というわけで、リンパを流すことによって「むくみ」を、血流の改善によって「冷え」を、内臓が動くことで腸にぜん動運動を起こして「便秘」を改善していく、「すべてが巡り始める一石三鳥のマッサージ」をご紹介します!
リンパに刺激を! 乳び槽マッサージでウォーミングアップ
お腹の奥には、リンパが数多く集められている「乳び槽(にゅうびそう)」という、体の中で最も大きいリンパ節があります。
「乳び槽は、おへそから指2〜3本分上にあります。ここを軽く押さえ、上から円を描くようにくるくると回しながら20秒、刺激を与えていきましょう。ここが硬い人はリンパも流れにくくなっています」
また、「マッサージを行う前に、コップ1杯の水を飲むと、さらに効果的です」とのこと。
冷え・むくみ・便秘改善! 一石三鳥以上の大腸マッサージ1
「なかでも便秘の人は、大腸が硬くなっているので便が詰まり、便秘になります。すると大腸がギュッと前に引っ張られて猫背の姿勢に。そうなると余計に大腸を圧迫し、動きも悪くなってしまうので要注意です」
1) おへそを中⼼に、①右下、②右上、③左上、④左下の順に、ポイントを小さく円を描くように押していきます。
①右下
②右上
③左上
④左下
2)あお向けに寝て、 1)の4点を右下→右上→左上→左下の 順番に、ポイントを一点一点小さくくるくると回すように押して、優しく30秒マッサージします。⾃分のペースでOK!
冷え・むくみ・便秘改善! 一石三鳥以上の大腸マッサージ2
「リンパは内臓の周辺にからみついているので、お腹の表面をさするよりも、指を深めに押し込むようにしてマッサージを行うほうが効果的です」
1) あお向けに寝て、5つの矢印の方向にそれぞれ10秒ずつ、順番にマッサージを行います。
① 腰の出っ張りの内側から右脇腹へ斜め上方向に
② 右脇腹から右肋骨の下へ斜め上方向に
③ 右肋骨から真横に
④ 左肋骨から左脇腹へ斜め下方向に
⑤ 左脇腹から腰の出っ張りの内側へ斜め下方向に
5つの方向に流すマッサージについて、詳しくは下の動画を参考にしてください。
…いかがでしたか? 大腸をはじめとする内臓に負担がかかると、さまざまな体の不調につながってしまいます。この大腸マッサージを習慣にして、内臓の動きを活発に、きれいにしていきましょう!
40代、50代女性の皆さん、この連載でご紹介した「バナナ腰改善」の超簡単ストレッチは、これからもぜひ続けてみてくださいね。
またお目にかかれることを楽しみにしています!
【教えていただいた方】
幼少期に病気がちだったことから健康に興味を持ち、国立大学で薬を作る研究を行う。しかし、自身が椎間板ヘルニアになり、寝たきり状態の日々を経験。手術するしかないと言われるも、整体の技術により完治。柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の3つの国家資格を取得し、滋賀県草津市に慢性腰痛専門「整体院 智-TOMO-」を開院。YouTubeチャンネル「ストレッチ整体師とも先生」は、登録者数47万人超(2023年)に。著書に『「バナナ腰」を治せば、体の不調が消える! 腰痛・脊柱管狭窄症・ぽっこりお腹・ストレートネックを改善! 毎日1分ストレッチ付き 』(小学館)がある。
パーカー¥16,800・パンツ¥17,800・ヨガマット¥10,800 /ルルレモン
撮影/藤澤由加 スタイリスト/鈴木由里香 取材・文/井尾淳子