「膝下歩き」によって太ももの筋肉が使われにくくなることが
太ももに脂肪がついたり、たるみやすくなる原因に
第2回では、膝下の引き締めに効果的なメソッドをご紹介しましたが、今回は太ももの引き締めに効く方法を教えていただきます。
まず、太ももが太くなってしまう理由をKAORUさんに伺いました。
「普段、歩くとき、ほとんどの人は股関節から脚を動かさずに、膝下だけで歩いています。そうすると太ももの筋肉は使われにくくなってしまうので、太くなりやすくなります。
それに加えて、体重を前にかけて膝に寄りかかって歩く人が多いので、前ももの筋肉は使われすぎています。
つまり、前ももの筋肉は頑張りすぎている『りきみ筋』で、硬くなって張ってしまっている人が多いです。逆に、太ももの外側や裏側の筋肉は使われずに衰えている『さぼり筋』なので、脂肪がつきやすくなってたるみやすくなります。こういった理由から太ももが太くなってしまうのです」(KAORUさん)
では、太ももを引き締めるために効果的な方法とは?
「足首が硬いと股関節も硬くなりやすくなるので、この連載の第1回、第2回でご紹介した方法で、まずは足首や膝下をほぐすことが大切。
そうすることで、歩くときに股関節が使われやすくなるので、太ももの筋肉も正しく使われるようになります。そして硬くなっている前ももの『りきみ筋』をフォームローラーなどでほぐしてから、ストレッチをしてよく伸ばしましょう。そのうえで、外ももの『さぼり筋』を強化する筋トレをすると、効果的に太ももが引き締まります」
以下が、KAORUさんおすすめの3STEPの「ゆる筋トレ」。
実践して、さらに引き締まった美脚を目指して。
太ももを引き締めるKAORU式「ゆる筋トレ」
STEP1 「ほぐす」
前ももほぐし
うつ伏せになり、片脚の膝上にフォームローラーを当てます。ひじから下は床につけて、手を組みます。反対側の脚は外に開きましょう。そのままローラーを上下に転がして膝上から太ももまでをほぐします。これを前ももの外側と内側を各5往復。次に、左右の脚を入れ替えて同様に。
※フォームローラーは、筋膜リリース用のローラーならなんでもOK。ない場合は、細長いステンレスボトルなどにバスタオルを巻いて円柱状にして使ってもOK。
STEP2 「伸ばす」
前もものストレッチ
壁に片手を当てて体を支え、反対側の脚の膝を曲げて手で足を持ち、かかとをお尻につけて10秒キープ。このときお尻を締めましょう。反対側も同様に。左右各1回。
STEP3 「強化する」
外ももの筋肉を鍛える
①右側を下にして横向きに寝て、両脚をそろえて膝を曲げます。右のひじ下を床につけて体を支え、体を浮かします。左手は腰に当てましょう。このとき、お尻を締めて股関節を少し前に出すことを意識して。
②右腕と骨盤で体を支えながらおしりを締め、左脚を上げます。次に左脚を下ろして①に戻ります。この脚の上げ下ろしを5〜10回。きつくてできない人は、左手も床につけて行ってもOK。体の左側を下にして同様に行いましょう。
これは、NG!
脚を上げるときに上体が前に倒れたり、お尻が後ろにいったりしてしまうのはNG。体幹で体を支えて、体を横一直線に保ったまま行うのがポイント。
少しでも毎日やれば、太ももが引き締まります!
【教えていただいた方】
1962年生まれ。アプロ主宰。指導歴40年。 “姿勢で人生を変える”をテーマに指導を行う。姿勢に関する分析をホリスティックに行う独自のメソッドは、多くのファッション誌・フィットネス情報誌で紹介されている。自分の姿勢の現在の状態を把握し、ウェルネスコンサルティングが受けられる「姿勢分析」メニューが人気。自身、還暦とは思えないウェルネスな姿勢美は、まさに日々のエクササイズの賜物。近年、スタジオワークのかたわら、後進の指導や著作活動、オンライングループレッスンやイベントを通して、多くの人たちにそのメソッドを発信中。著書に『テニスボールダイエット』(幻冬舎)、『自分で整体ストラップ』(講談社)、『テニスボールでほぐす!のばす!やせる!』(扶桑社)、『クッションピラティス 内ももを締めれば勝手にやせる!』(幻冬舎)など。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/田代ゆかり(Happ’s) 取材・文/和田美穂