大殿筋とハムストリングスの衰えが、垂れた扁平尻の原因!
連載の第1回で、体には、使いすぎている「りきみ筋」と、使われず衰えている「さぼり筋」があるというお話をしましたが、垂れ尻の原因には、お尻まわりの「さぼり筋」が関係しているとか。
「お尻の筋肉=大殿筋は脚を後ろに動かすときに使われるのでもともと使われにくいのですが、それに加えて、デスクワークなどで長く座りっ放しでいると、ますます大殿筋は硬くなっていきます。
また、骨盤を後ろに倒して座る癖がある人は多いと思いますが、これだとお尻を下から支える裏ももの筋肉=ハムストリングスが使われず、衰えていきます。つまり、お尻の大殿筋と裏もものハムストリングスは『さぼり筋』。この『さぼり筋』によって、お尻がどんどん垂れていき、太ももとの境目のない扁平な垂れ尻になってしまうのです」(KAORUさん)
では、美尻にリセットするには?
「大殿筋とハムストリングスは、『さぼり筋』でありながら使われずに硬くなっているので、まずは大殿筋〜ハムストリングスをボールを使ってよくほぐしてから、ストレッチをして伸ばします。そのうえで大殿筋を強化します。この3ステップを続ければ、キュッと上がった立体的で丸みのあるお尻に生まれ変わります」
以下が、おすすめ「ゆる筋トレ」の3STEP。毎日続けてみて。
STEP1「ほぐす」
大殿筋とハムストリングスをほぐす
① 両膝を立てて床に座り、テニスボールなど硬めのボールを左のお尻に当てます。腰骨の少し下の仙骨(お尻の中央にある逆三角形の骨)の横あたりにボールがくるように当てましょう。
②両手を後ろについて体を支え、左脚の膝は曲げて外に開き、右ひざは立てます。当てたボールを上下に転がすようにしてお尻を刺激し、5~10往復します。終わったら右側も同様に。
③ 次に、ボールを当てた側のひじから下を床に置き、体を縦に動かしてボールでお尻を刺激します。ボールの位置を少しずつ上に移動させ、臀部を下から上に3カ所に分け、1カ所5〜10往復ずつ行って。終わったら反対側も同様に。
STEP2 「伸ばす」
大殿筋とハムストリングスのストレッチ
① あお向けに寝て両膝を立て、右足を左膝の上にのせて、右膝を外に開きます。両腕は体の横に置きます。
② 両手を左の太ももの裏に回して組み、そのまま手前に引き寄せます。このとき右のお尻〜裏ももが伸びるのを感じながら10秒キープ。これを1〜2回。反対側も同様に。
股関節が硬くて手前に引き寄せられない人は…
手でなくタオルを太ももの裏に回して、手前に引き寄せましょう。この方法ならやりやすいはず。できるようになったら②の方法で行いましょう。
STEP3 強化する
大殿筋とハムストリングスのトレーニング
① あお向けに寝て両膝を閉じて立て、左右の足をこぶしひとつ分ほど開きます。タオルを太ももの裏にかけて両手で持ちます。
② タオルを持ったまま、お尻をキュッと内側に締め、かかとでしっかりと床を押してお尻を引き上げ、胸から膝までを斜め一直線にして5秒キープ。これを3〜5回。このとき、タオルを持った手を内側に少しひねると膝が外に開かないので◎。
コツコツと続けて、丸みのある美尻を取り戻してくださいね。
【教えていただいた方】
1962年生まれ。アプロ主宰。指導歴40年。 “姿勢で人生を変える”をテーマに指導を行う。姿勢に関する分析をホリスティックに行う独自のメソッドは、多くのファッション誌・フィットネス情報誌で紹介されている。自分の姿勢の現在の状態を把握し、ウェルネスコンサルティングが受けられる「姿勢分析」メニューが人気。自身、還暦とは思えないウェルネスな姿勢美は、まさに日々のエクササイズの賜物。近年、スタジオワークのかたわら、後進の指導や著作活動、オンライングループレッスンやイベントを通して、多くの人たちにそのメソッドを発信中。著書に『テニスボールダイエット』(幻冬舎)、『自分で整体ストラップ』(講談社)、『テニスボールでほぐす!のばす!やせる!』(扶桑社)、『クッションピラティス 内ももを締めれば勝手にやせる!』(幻冬舎)など。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/田代ゆかり(Happ’s) 取材・文/和田美穂