もっさり“老け背中”は、体の側面が縮んで硬くなっていることで、
背中の筋肉が使われず怠けていることが大きな原因
背中に贅肉がついてしまったり、脇のハミ肉が目立ってきたりするのは、なぜ?
その原因をカリスマパーソナルトレーナーKAORUさんに伺いました。
「背中を丸めて座っていることが多い日常生活の中では、体側(体の側面)を伸ばすことが少ないので、体側が縮んでいる人がほとんどです。
すると脇が硬くなって腕も動かしにくくなるので、背中に広がる広背筋や、頸部・肩から背中にかけての僧帽筋なども使われにくくなり衰えてしまいます。
つまり広背筋や僧帽筋は、使われずに怠けている“さぼり筋”です。その結果、背中に脂肪がつきやすくなって、脇のハミ肉も目立つようになってしまうのです」(KAORUさん)
では、そんな状態を改善するには?
「まずは、硬くなっている脇をローラーでよくほぐしてから、体側を伸ばすストレッチをして腕の動きもよくします。最後に、背中の広背筋や僧帽筋を鍛えるトレーニングをすると効果的に鍛えられます。
こまめに行うと背中がすっきり引き締まって、バストの位置も引き上がり、姿勢がよくなって、肩こりや首こりも改善しやすくなります。
広背筋や僧帽筋を鍛えると、背骨に沿って走る脊柱起立筋にかかっていた負担が減り、同じく背骨に沿って走っている自律神経の機能が整いやすくなるというメリットも。
自律神経が乱れやすい40代、50代にはうれしい効果ですよね。ぜひ続けてみてください」
以下のKAORUさんおすすめの3STEPの「ゆる筋トレ」で、美背中を手に入れて。
STEP1 「ほぐす」
脇ほぐし
① 体の右側を下にして横向きに寝て、両膝を曲げ、右腕を伸ばして右脇の下から鎖骨下にフォームローラーが当たる角度にします。左手は床に置いて体を支えましょう。
※フォームローラーは、筋膜リリース用のローラーならなんでもOK。ない場合は、細長いステンレスボトルなどにバスタオルを巻いて円柱状にして使ってもOK。
② 体を上に向け、フォームローラーを脇下から右の肩甲骨のあたりに当たる角度にして、フォームローラーを転がして脇の後ろ側を刺激してほぐします。5〜10回ほど転がしましょう。
③ 次に、横向きから体を少し下に向けて左手を床に置いて体を支え、フォームローラーを転がして脇を刺激してほぐしましょう。これを5〜10回。①〜③を反対側も同様に。
STEP2 「伸ばす」
体側のストレッチ
① 正座をして、両手でタオルの両端を持ち、腕を上げます。膝が痛い人はあぐらでもOK。
② 上体を右に倒して、タオルを持った右手を床につけて3秒キープ。このとき、左の体側が伸びるのを意識。手や体が前に倒れないように気をつけて行いましょう。右手が床につかない人は無理につけなくてもOK。いったん①に戻り、今度は左側に同様に倒します。左右各3回。
STEP3 「強化する」
広背筋と僧帽筋を鍛えるラットプル
① うつ伏せに寝て、両手でタオルの両端を持ち、上に伸ばします。両脚は肩幅程度に開きます。このとき、お尻を締めて恥骨を床にしっかりとつけ、肋骨は反らないようにしましょう。
② 胸から上を軽く引き上げ、両ひじを引いてタオルを胸のほうに引き寄せます。
①②を10回行いましょう。
この3STEPを実践して、引き締まった美背中にリセットしましょう。
【教えていただいた方】
1962年生まれ。アプロ主宰。指導歴40年。 “姿勢で人生を変える”をテーマに指導を行う。姿勢に関する分析をホリスティックに行う独自のメソッドは、多くのファッション誌・フィットネス情報誌で紹介されている。自分の姿勢の現在の状態を把握し、ウェルネスコンサルティングが受けられる「姿勢分析」メニューが人気。自身、還暦とは思えないウェルネスな姿勢美は、まさに日々のエクササイズの賜物。近年、スタジオワークのかたわら、後進の指導や著作活動、オンライングループレッスンやイベントを通して、多くの人たちにそのメソッドを発信中。著書に『テニスボールダイエット』(幻冬舎)、『自分で整体ストラップ』(講談社)、『テニスボールでほぐす!のばす!やせる!』(扶桑社)、『クッションピラティス 内ももを締めれば勝手にやせる!』(幻冬舎)など。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/田代ゆかり(Happ’s) 取材・文/和田美穂