「目が疲れた」「老眼が進んで細かいものが見づらい」etc.
目が不調だと、生活や仕事に支障が出てつらいもの。
目の調子を上げるための「セルフケア法」があったら知りたい!
仕事でパソコンに向かったり、空き時間にスマホを眺めたり。
長時間、目を酷使すると疲れを感じがち。
「目がショボショボする」「時間がたつにつれ、字や物がかすんで見えづらくなってきた」「目が疲れて、集中して画面や資料を見るのがつらくなってきた」など、目の疲れがあると、日常のなかのさまざまな作業を行ううえで支障が出てきます。
さらに、40代、50代になると、老眼の進みも気になる…という人も多いのでは?
「小さい字が読みづらい」「細かいものが見づらくて、素早くパッと判断、操作することができなくなってきた」など、老眼が進むことによる悩みも増えてきます。
少しでも目の状態をよくして、不快で不便な状態を改善する方法があったら知りたい。
自分でケアできる方法を、Satoshi先生に聞いてみました。
Satoshi先生に、自分でできる「目の疲れや不調」のケア法を教えていただきました
Satoshi先生は、大阪を拠点に自身のサロンを経営し、別会社のマネージャーを兼任するなど精力的に活動。
東洋医学・西洋医学の理論をもとにした、さまざまな体メンテナンスの方法に精通した、人気インストラクターの先生です。
OurAgeの「五臓ヨガ」連載の先生としてもおなじみ。
経穴(ツボ)と経絡(けいらく=気血というエネルギーの通り道)を意識しながら動くことで、五臓のバランスを整え、体と心を健康な状態へと導くという、東洋医学をもとにした「五臓ヨガ」の考案者としての知識。
鍼(はり)や灸(きゅう)でツボを効果的に刺激して、痛みや筋肉の緊張を緩和したり、血流をよくしたりして、体の不調を改善する鍼灸師としての視点。
体の中のさまざまな筋肉を意識して動かすことで、不調を整え、筋力の向上を目指す、筋力トレーニング、ストレッチのインストラクター・トレーナーとしての経験。
さまざまなメソッドの施術や指導で、多くの人を健康に導いてきたSatoshi先生が、豊富に持つノウハウの中から、私たちの不調に合わせた最適なエクササイズを教えてくれます。
今回は、簡単さの度合いによって【初級編】と【中級編】に分けてご紹介。
どちらも手を使って手軽にできる方法なので、ぜひマスターしましょう。
■セルフコンディショニング/初級編
「目の疲れや不調」「老眼による見えにくさ」には、こめかみの「ツボ押し」、頭部の筋肉や筋膜を緩める「指立てごしごしマッサージ」が効果的!
「初級編」は、ツボ押しと頭のマッサージです。
こめかみのツボ「太陽」を押して刺激したり、側頭部にある筋肉「側頭筋」、頭頂部を覆う筋膜「帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)」をマッサージして緩めたりすることで、目元の血流をアップさせ、目のつらい状態を改善する効果が期待できます。
「太陽」は、朝昼夕、目の疲れを感じる前に押して刺激しましょう。
「側頭筋」「帽状腱膜」は、バスタイムに、シャンプーするときにマッサージするようにすると、習慣化しやすいのでおすすめ!
ツボ押しと頭部のマッサージ、両方行うとより効果的ですが、どちらか一方を行うだけでも効果はあります。自分のペースに合わせて、気づいたときに行ってみてください。
●こめかみのツボ「太陽」、側頭部にある筋肉「側頭筋」、頭頂部を覆う筋膜「帽状腱膜」に働きかける!
「太陽」は、眉尻と目尻の延長上にあり、こめかみのくぼみにあるツボ。
眼精疲労や、目の疲れから起こる頭痛に効果があります。
「側頭筋」は、こめかみ~耳の上~後頭部にかけてついている、頭の側面にある筋肉。
「帽状腱膜」は、頭頂部を帽子のように広く覆っている、薄くて丈夫な結合組織の膜のこと。
前頭部、側頭部、後頭部にある筋肉と結合しています。
●エクササイズ その1
ツボ「太陽」を刺激する
左右の手の親指で、左右のこめかみにあるツボ「太陽」を同時に刺激します。
ツボは、“イタ気持ちいい”と感じる程度の力加減で、親指の先でじわーっと押し続けます。
ツボ押しを行っている間は、呼吸を止めないようにしましょう。
親指で「太陽」を押しながら、後ろ向きに円を描くように動かします。
5秒ほどかけて円を1回描くように、ゆっくりほぐします。
これを2~3回行います。
また、「太陽」のツボの上下左右を、指1本分場所をずらして押してみて、気持ちよく感じる場所があれば、そこも同様に、円を描くようにほぐしましょう。
「太陽」は、上にも書いたように、朝昼夕に、目の疲れを感じる前に刺激するのがおすすめ。
ただし、デリケートな部分にあるツボなので、就寝直前は避けましょう。
●エクササイズ その2
頭部の筋肉「側頭筋」と筋膜「帽状腱膜」をマッサージして緩める
頭の「側頭筋」と「帽状腱膜」がある部分を、左右の手の指を立てて、指を頭皮から離さずに、ごしごしとほぐすようにマッサージします。
バスタイムに髪をシャンプーするときも、これらの筋肉を刺激することを意識して行うといいでしょう。
■セルフコンディショニング/中級編
「目の疲れや不調」「老眼による見えにくさ」には、「咬筋」を刺激して緩めるマッサージがさらに効果的!
「中級編」は、顔の側面のマッサージです。
顔の側面にある大きな筋肉「咬筋(こうきん)」を刺激して緩めることが、目元の血流アップにつながります。
「咬筋」は体の中でもこりやすく、硬くなりがちな筋肉。
首ともつながっているので、ここのマッサージは首こりにも効果が期待できるほか、無意識のうちに肩や口元に力が入り、緊張しやすい人にもおすすめです。
●顔の側面の筋肉「咬筋」に働きかける!
「咬筋」は、下あご~頰骨にある筋肉です。
下あごの動きを助ける働きをします。
食べ物を咀嚼(そしゃく)するときに使われる筋肉。
【1】
軽く口を開け、両手のひらの付け根の部分で、「咬筋」のあるところを、両側から挟むようにして押します。
押したまま、ぐりぐりと回してもOK。
この押したり、押したままぐりぐりと回す動きを続けながら、ゆっくり5回ほど呼吸をします。
ゆっくり行って、しっかりほぐすのがおすすめです。
【2】
さらに余裕がある場合は、両手のひらの付け根の部分を上や下に移動させて、自分が痛いと感じるところ、こりを感じるところを、【1】と同様に刺激しましょう。
1カ所を刺激しながら、ゆっくり5回ほど呼吸をします。
ゆっくり行って、しっかりほぐすのがおすすめです。
【咬筋を刺激するときのポイント】
「咬筋」は、親指でピンポイントで押すより、手のひらの付け根の大きな部分で、押しながらぐりぐりと回すほうが効果的です。
数秒では効果を感じにくいので、1カ所につき、刺激しながらゆっくり5回ほど呼吸をします。これで1セット。
余裕があれば、この動きを1カ所につき1~2セット行うのが理想的です。
【終わりに】
いかがでしたか?
【初級編】のふたつのエクササイズは、行うとかなりすっきり!
目の疲れや不調がだいぶ解消されます。
【中級編】は、さらに効果抜群!
ゆっくりじっくり行うと、視界が開けたように目がさえて、格段に目の調子がよくなります。
自分のペースに合う形でぜひ実践してみましょう。
【教えていただいた方】
大阪・心斎橋のサロン「B HAPPY」で鍼灸・美容鍼灸やパーソナルトレーニングを行うほか、インストラクターやセラピスト向けのカラダの講座を開講中。大阪・豊中の「岩塩ヨガスタジオ 四季」で五臓ヨガのクラスも担当。また、子どもを中心とした運動教室「カラダツクルスクール」でも活躍中。幅広い方法で健康・美容にアプローチする、カラダメンテナンスの専門家。 「サトシ "鍼灸とヨガとシンギングボウル"」インスタグラム:@sa.to.shi.f 「B HAPPY」インスタグラム:@b.happy3104 「岩塩ヨガスタジオ 四季」インスタグラム:@ganenshiki 「カラダツクルスクール」インスタグラム:@karadatsukuruschool
撮影/仲尾知泰(Ripcord) 指導・モデル/Satoshi 取材・文/藤本幸授美