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健康維持のためのアミノ酸、腸内環境を整えるシンバイオティクスも補って!/40代、50代のサプリメント

40代、50代の女性がサプリメントでとるべき栄養素として、まず最初に補うべきなのがビタミンとミネラル。それに加えてとるとよい成分に、アミノ酸と乳酸菌があります。これらの成分がなぜおすすめなのか、その理由や効果、とり方などを、栄養療法に詳しい女性ヘルスケア専門医である林巧先生に教えていただきました!

健康維持のためにも、美容のためにも欠かせない「アミノ酸」

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40代、50代がサプリメントで栄養を補うなら、体を正しく働かせるために必要なビタミン&ミネラルをとるのが先決。

 

そして、それ以外にプラスするとよいものとして、医師の林巧先生がすすめてくれたのが、まずはアミノ酸です。

その理由を伺いました。

 

「体の筋肉量は加齢とともに減ってきて、運動をしていないと、なおのこと筋肉量が落ちてしまいます。

そのため、年齢を重ねるほど、筋肉の材料になるタンパク質の摂取が必要になってきます。

 

タンパク質は筋肉だけでなく、臓器や肌、髪、爪、血液などを作る材料にもなりますし、ホルモンや酵素、抗体などの材料にもなります。

 

体調の維持のためにも、免疫機能の維持のためにも、美容のためにも欠かせない栄養素です」(林巧先生)

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「ところが、現代の日本人の食生活は、ご飯やパン、麺類などの糖質に偏りやすいうえ、加齢とともに食が細くなりがちなので、どうしてもタンパク質の摂取量が減ってしまいます。

 

もちろん食事で肉や魚、卵、乳製品、大豆食品などをしっかりとっているなら問題ありません。

 

ただ、1日に必要なタンパク質の摂取量は、最低でも自分の体重(kg)×1gで、この量は毎日の食事だけでは補えていないことのほうが多いです。

ですから、サプリメントも活用して補うとよいのです」

 

体内で合成することができない「必須アミノ酸」が配合されたサプリメントを

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タンパク質は、どのようにとるとよいのでしょうか。

 

「運動をしている人は、プロテインでタンパク質を補ってもいる人も多いと思います。

 

プロテインは体への吸収が早く、運動前にさっと飲むことができて便利です。

ただ、プロテインは水や牛乳などに溶かして作るのが面倒という人や、味が苦手という人も少なくありません。

 

また、プロテインの中にはカロリーが高いものもあるので、運動をしていない人がそういったプロテインをとるとカロリーオーバーになってしまうこともあるので要注意。

 

このような問題を避けたい人は、アミノ酸をサプリメントで補うとよいと思います」

 

記事が続きます

タンパク質は、アミノ酸が多数つながって構成されています

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アミノ酸は、タンパク質を構成する最小単位です。

 

「アミノ酸のサプリメントを選ぶなら、体内で合成することができない必須アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)がとれるものを選ぶのがおすすめです。

 

運動をしている人なら、BCAAと呼ばれるバリン、ロイシン、イソロイシンの3つの必須アミノ酸が含まれているものをとるとよいと思います。

 

BCAAは、筋肉のエネルギー源になり、筋肉の保持や増量にも役立つといわれているので、運動をしている人におすすめなのです。

 

ただ、アミノ酸は体への吸収に少し時間がかかるので、運動前にアミノ酸のサプリメントをとるなら、30分〜1時間ほど前にとるとよいです。

 

また、必須アミノ酸のうちのトリプトファンは、“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンや、“睡眠ホルモン”と呼ばれるメラトニンの材料になるので、メンタルの調子を整えたい人や、睡眠の質を上げたい人におすすめです。

 

摂取する量については、タンパク質は1日に自分の体重(kg)×1g、運動をしているなら体重(kg)×1.2〜2.0(g)とるとよいといわれているので、食事も含めて、1日のトータルのタンパク質摂取量がそれくらいになるように考えてとるとよいと思います。

 

アミノ酸は、ゼリーやドリンクタイプの商品もあるので、そういった商品を選んでもOKです。

プロテインの場合は、余計な添加物などがなるべく入っていないものを選びましょう」

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腸内環境を整えるためにとりたいのが「プロバイオティクス」や「プレバイオティクス」

 

そして、もうひとつ、サプリメントで補うのにおすすめの成分があり、それがプロバイオティクスやプレバイオティクスなのだそう。

「近年、腸活がブームになっているので、プロバイオティクスやプレバイオティクスという言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、改めてこれらがどういうものかを解説したいと思います。

 

“バイオティクス”は、生物活動や生命現象全般を指す言葉ですが、近年では、腸内細菌や健康に関連する微生物や、その関連物質を指す総称として使われることが増えています。

 

そして、プロバイオティクスとは、体に有益な作用をもたらす、生きて腸に到達する微生物のことです。

乳酸菌やビフィズス菌などがとれるヨーグルトや発酵食品がその代表です。

 

一方、プレバイオティクスとは、腸内細菌の餌になってその増殖・活性を助け、腸内細菌叢のバランスを維持・改善してくれるもののことです。

 

食物繊維(特にりんごなどに多い水溶性のペクチン、こんにゃくに多いマンナン、海藻に多いアルギン酸など)や、オリゴ糖(はちみつ、玉ねぎ、ごぼう、バナナ、大豆などに多く含まれる)がその代表です」

 

 

腸内環境を整えることが大切な理由とは?

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「プロバイオティクスやプレバイオティクスをとるとよい理由は、腸内環境が整うからです。

 

腸には体の免疫細胞の約7割が集まっていることから、腸内環境を整えることは免疫機能の維持につながるといわれています。

 

また、腸内環境は加齢とともに悪化しやすく、腸内環境が悪くなると栄養が正しく吸収されにくくなりますし、代謝が落ちて太りやすくもなります。

 

また、腸からは、例えば食欲を抑える働きがある“レプチン”など、さまざまなホルモンが分泌されているので、腸内環境が悪くなるとこれらが正しく分泌されにくくなる可能性もあります。

 

ですから、プロバイオティクスやプレバイオティクスをとって腸内環境を整えることが大切なのです。

 

もちろん、食品から補うのが理想的ですが、補い切れない場合は、サプリメントを利用するのもおすすめです」

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プロバイオティクス、プレバイオティクス、両方がとれるサプリメントが理想的

 

では、どのようにとるとよいのでしょうか?

 

「プロバイオティクスとプレバイオティクスを同時に摂取することを“シンバイオティクス”と呼びますが、これが腸内環境を整えるのに最もよいといわれています。

 

そのため、とるなら、プロバイオティクスとプレバイオティクスが含まれた、シンバイオティクスのサプリメントがおすすめです。

 

ただ、乳酸菌などの有用菌は、自分の腸内細菌との相性があり、人によって合うかどうかが違うといわれているので、2週間ほどとり続けてみて、効果を感じなかったら違うものに変えてみるのがよいと思います。

 

また、最近、乳酸菌の分泌物(乳酸菌が作り出したエキス)と菌体物質(乳酸菌の細胞物質)が配合されているサプリメントもあり、これらの成分は、相性を問わず、体内の腸内細菌を育み、腸内細菌の種類やバランスを整えてくれるといわれているので、そういったサプリメントを選ぶのもよいでしょう。

 

普段の食事で、食物繊維やオリゴ糖が多い食品や発酵食品をとるようにしながら、サプリメントもうまく活用しましょう。

 

ただ、とりすぎるとお腹がゆるくなったり、お腹が張ったりといった不調が出る場合があるので、商品のパッケージに記載された用量を守ってとりましょう」

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【終わりに】

 

アミノ酸やシンバイオティクスをとることの重要性、おわかりいただけましたでしょうか?

 

毎日の食事からもしっかり補うことを基本に、体調や目的に合わせてサプリメントも活用してみて!

 

 

 

【教えていただいた方】

林 巧
林 巧さん
産婦人科専門医
公式サイトを見る
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はやしたくみ女性クリニック院長、医師。1966年、北海道札幌市生まれ 。札幌医科大学卒業。札幌医科大学附属病院では更年期専門外来を担当。斗南病院、函館五稜郭病院、NTT東日本札幌病院を経て、2009年「はやしたくみ女性クリニック」を開業。 日本産婦人科学会専門医、日本女性医学学会(旧日本更年期医学会)女性ヘルスケア専門医、日本女性心身医学会認定医、日本抗加齢医学会専門医、日本骨粗鬆症学会認定医、日本性差医学・医療学会認定医などを取得。産婦人科、女性内科、性差医療の視点から保険診療、保険外診療の両面で、その人その人に合ったケアを行い、女性のこころとからだの健康をサポートしている。

 

写真/Shutterstock〈イメージカット〉 取材・文/和田美穂

 


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