呼吸をするとき、肺自体がふくらんだり縮んだりするのではなく、肺を取り囲む筋肉の動きで空気の出し入れをしています。この“呼吸筋”を鍛えて、肺の機能を高めましょう。
教えてくださるのは
大谷義夫さん
Yoshio Otani
呼吸器内科医。池袋大谷クリニック院長。東京医科歯科大学呼吸器内科医局長などを経て、2009年より現職。呼吸器内科のスペシャリストとしてメディアでも活躍
息を吐き、ゆっくり吸いながら背中を丸める体操です。お腹をへこませて、背中がボールになるイメージです。胸の呼吸筋を柔軟にして、肺機能を高めます。
両手を前で組み息を吐く
両足を軽く開いて立ち、胸の下あたりで、両手を組み、息をゆっくり吐ききります
息を吸いながら背中を丸める
両手を前に出して、背中を思いきり丸めながら、ゆっくり息を吸い込みます。背中を丸めきったら、ゆっくり息を吐きながら、最初のポーズに戻ります。これを10回繰り返します
息を吐きながら、閉じた体をぐーんと開いていく体操です。息を吐くときに使う胸壁の呼吸筋の柔軟性を高めて、呼吸をしやすくする効果が期待できます。
息を吸いながら肩を前方に
両足を肩幅に広げて立ち、両手を後ろで組みます。そこから、ゆっくり息を吸いながら、両肩を前方に倒します。胸を閉じるイメージ
息を吐きながら胸を張ります
両手を後ろに引きながら、胸を張って、ゆっくり息を吐きます。息を吐ききったら、元の姿勢に戻ります。これを10回繰り返します
体側を伸ばすことで、肋間筋を鍛える体操です。普段はなかなか動かさない部位なので、意識して、しっかり伸ばしましょう。
片手は頭の後ろ、反対の手は腰に
足を肩幅に広げて立ち、右手を頭の後ろに、左手を腰にあてて、ゆっくり息を吸い込みます
そのまま体を横に倒す
息をゆっくり吐きながら、上体を左側に倒します。体は前を向いたまま、ねじらないように注意。息を吐ききったら、上体を元に戻します。両手の位置を替えて、同様に右にも倒します
撮影/フルフォード海 ヘア&メイク/木下庸子(プラントオパール) モデル/宮本えり スタイリスト/程野祐子 取材・原文/山村浩子
参考文献:環境再生保全機構(ERCA)「呼吸筋ストレッチ体操 レッスン編」より