消化力の低下が気になる今の時代。今日から実践できる「消化力」を高める簡単な生活習慣のテクニックを医学博士の澤田幸男先生に伺いました。
“消化力”を上げるちょいテク集
腸活の基本食材、発酵食品をとる
腸活を行うことは消化力アップにつながります。その花形食材といえば発酵食品。
「発酵食品は微生物の働きにより、ある程度消化されている状態です。つまり、すでに消化の下準備が整えられているので、とても消化のいい食べ物。発酵により栄養価も高まり、健やかな蠕動(ぜんどう)運動により消化や吸収力もアップします。
納豆、味噌、キムチやぬか漬けなどの漬け物、ヨーグルトなどを日常的にとることをおすすめします」。
まさに、消化力を高める救世主!
良質なオイルを味方につける
とかく悪者にされ、今でも“オイルを使わない=ヘルシー”という風潮が定着しています。
「しかし良質のオイルは必須です。私たちに必要な3大栄養素は炭水化物(糖質)、タンパク質、そして脂質(オイル)。
特に欠乏しがちなのが、オメガ3系脂肪酸(えごま油、亜麻仁油、青魚に含まれるEPA・DHAなど)やオメガ9系脂肪酸(オリーブオイルなど)。良質なものを非加熱で摂取すると、消化力をサポートしてくれます」
食事のときはスマホを見ない
食事中もスマホから目が離せない人が急増中。
「消化力を高めるためには、何を食べたか? と同じくらい、いやそれ以上に大切なのは食事の仕方です。食事中くらいスマホやパソコンの画面から離れて、“食事を味わう”ことに集中しましょう」(澤田幸男先生)。
たとえば、調理に使われた小さな香辛料に舌が触れることで、消化を助ける唾液が出ます。もしもスマホからネガティブな情報が入ってきたら、胃の働きが悪くなることも。“食事中のスマホは禁止”の徹底を!
お話を伺ったのは
澤田幸男さん
Yukio Sawada
1957年生まれ。「澤田肝臓・消化器内科クリニック」院長。医学博士。専門は消化器内科。アダムスキー式腸活法を提唱する『腸がすべて』(東洋経済新報社)の監修を担当。神矢丈児氏との共著『腸が寿命を決める』(集英社新書)も
イラスト/木下綾乃 構成・原文/山村浩子