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サングラスをかける習慣が「紫外線疲れ」を予防する(季節の疲れ対策)

夏の暑さ、冬の寒さ、四季がはっきりしている日本では、季節ごとに疲れ具合が変わってきます。特に寒暖差は自律神経を酷使するので、疲労の大きな原因に。そんな季節ごとの疲労原因とその対処方法を、内科医で疲労に詳しい工藤孝文先生に伺いました。

寒暖差や紫外線など、私たちの環境は季節ごとに疲れの原因がいっぱい。慢性的な疲労を引き起こす大きな原因は「自律神経の働きすぎ」。これらは日頃のちょっとした工夫で防ぐことができます。疲れ知らずの体になるための5つのポイントとは?

 

1.紫外線疲れはサングラスで防止できる 

 

サングラスをかけて屋外を歩く女性のイメージイラスト

日焼け防止のために紫外線対策をしている人は多いでしょう。でも、それだけでは不十分。目から入る紫外線が全身の疲れになるというのです。

 

「紫外線が目から入ると、その強い刺激が脳に伝わり、細胞を守るために活性酸素が大量に発生します。これにより自律神経が乱れ、全身の疲労感を引き起こします。また、脳は防御反応としてメラニン色素を増やすように指令を出すので、目からの紫外線でも肌の日焼けの原因になります。

 

こうした「紫外線疲労」を予防&軽減するにはサングラスが有効です。サングラスはつばのある帽子や日傘よりも、目に入る紫外線をカットする効果が高いので、太陽が出ている時間帯の外出時にはかける習慣をつけるといいでしょう。濃い色のレンズで紫外線カットがないものは、瞳孔が開いているところに紫外線を取り込んでしまうので注意が必要です。サングラスを選ぶ際は、薄めの色で紫外線カット率99%以上のものがベストです」(工藤孝文先生)

 

2.自律神経がヘトヘトになる寒暖差を減らす工夫を! 

真夏の猛暑の屋外からキンキンに冷えた室内へ、真冬は寒い屋外から汗ばむほどポカポカの室内へ。そんな経験はありませんか? いつの季節にも冷暖房が効いた室内はありがたいことですが、着るものなどで上手に体温を調整しないと疲労の原因に! これが「寒暖差疲労」です。

 

「暑い環境では副交感神経が優位になり、血管を拡張させて体温を下げようとします。一方、寒い環境では交感神経を優位にして、血管を収縮させて体温の低下を防ぎます。急激な温度変化があると、このように体温調整をしようと自律神経はフル活動。エネルギーを消費することで疲れてしまうのです。

 

エアコンの温度は外気温との差を5~7℃程度に設定すること。また、夏の暑い外からエアコンの効いた室内に入ったときは、汗がひいて冷える前にカーディガンなどをはおる。寒い冬は短時間の外出であっても、コートを着るなどして温度調整をするといいでしょう。

 

ほかに、エアコンの風が直接当たる場所を避け、夏は吸汗速乾性のインナーなどで汗冷えを防ぐ、冬ならマフラーや手袋など着脱しやすい防寒具を用意して、こまめに温度調整をするのがおすすめです。

 

一度、自律神経のバランスがくずれると、戻るまでに3~4時間かかるといわれています。いきなり極端な温度差の環境に入るのではなく、着るもの、はおるものを上手に使って、徐々にその環境に体を慣らすようにすると、疲労を軽減することができます」

 

3.寒暖差疲労を避けるには3つの「首」に注目! 

 

首元、足元を冷やしたり温めている女性のイメージイラスト

暑いので体を冷やしたい、寒いので体を温めたいときは3つの首がポイント! 夏のネッククーラー、冬のマフラーはよく知られていますが、それと同じような効果が手首や足首でもあるそう。

 

首、手首、足首の3カ所はまさに血流の関所といえます。 いずれも太い血管が通っているのに、皮膚が薄いので、ここを冷やしたり温めると、体温をすぐに調整することができます。

 

夏には冷たいタオルを手首や足首に当てる。冬には手袋やアームウォーマー、厚手のソックスやレッグウォーマーを着用したり、湯を張った洗面器(手首、足首がつかるくらい深いもの)などで手浴や足浴をするのもおすすめです」

 

4.夏でも冬でも湯船につかる習慣で疲れない体に 

特に夏はシャワーですませてしまう人も多いのでは? しかしながら、夏でも冬でも湯船につかることは疲労を軽減するためには大切です。

 

「温かな湯につかると、副交感神経が優位になり心身がリラックスします。また、温浴効果で血管が拡張し、さらに体全体に約350kgの水圧がかかるので、これがマッサージ効果になります。全身の血流がよくなるので、体の隅々にまで十分な栄養と酸素が行き渡ります。

 

特に足先やふくらはぎなどにはリンパがたまりがちですが、水圧のマッサージ効果でむくみの改善にも! じんわりと汗をかくことで、老廃物を体外へ排出するデトックス効果も期待できます。

 

また、湯の浮力で体重が通常の1/10 くらいになるため、1日酷使した筋肉や関節を休ませて、柔軟性を取り戻すことができます」

 

これらの効果により、1日の心身の疲れを一掃。疲労を翌日に持ち越さないことが、疲労を慢性化させない大きなポイントです。

 

5.旬の食材は疲労軽減にひと役買う

旬の食材は味がよいだけでなく、その季節による体調不良にも効果があります。

 

「自然の食材には、陽性食品と陰性食品があります。陽性食品は寒い季節や土地でとれて、体を温める効果があります。陰性食品は暑い季節や暖かい土地でとれ、体を冷やす作用があります。

 

自然界はよくできていると思うのですが、旬の食材は体調を整え、その季節の疲労の種を取ってくれます。

 

例えば、秋冬はごぼうや里いもなどの根菜、りんご、発酵食品などの陽性食品を積極的にとるといいでしょう。春夏にはきゅうりやトマト、バナナやマンゴーなどの体を冷やす野菜や南国のフルーツ、海藻類などの陰性食品を食べるのがおすすめです。食べ物の工夫で疲れない体に導くことができます」

 

 

【教えていただいた方】

工藤孝文
工藤孝文さん
内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医
Twitter

福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後は大学病院などを経て、現在は福岡県みやま市にある自身のクリニックにて地域医療に注力。専門は糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療、ダイエット治療など多岐にわたり、テレビ・ラジオなどのメディアで医療の最新情報を発信。著書に『「毎日疲れない」にいいこと 超大全』(宝島社)など多数。 工藤孝文先生 著書  

イラスト/midorichan 取材・文/山村浩子

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