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疲れを解消するにはストレスホルモン「コルチゾール」を上手にコントロールすることが不可欠

40代、50代はストレスが多い世代でもありますが、そんなストレスとうまく付き合うには「コルチゾール」というホルモンをコントロールすることがカギ。そこで、このホルモンの働きとうまくコントロールする方法を、内科医の工藤孝文先生に伺いました。

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ストレスに対抗し、体を守る「コルチゾール」は適度に分泌されることが大事

 

ストレスフルな現代人にとって、知っておきたいホルモンが「コルチゾール」です。これは、どういう働きをするホルモンなのでしょうか。

 

「コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンで、ストレスを感じたときに増えることから、“ストレスホルモン”とも呼ばれています。

 

ストレスは、適度にある分には、生活にハリを持たせてくれるので悪いものではありません。でも長期に及ぶ過度なストレスは、自律神経の働きを乱したり、体内で炎症反応が増えるなど、心身にさまざまな悪影響を及ぼします。

 

そこで、ストレスがかかったときに分泌されるのがコルチゾールです。コルチゾールはストレスに対抗する働きや、炎症から体を守り、修復する働きがあります。免疫力を高める成長ホルモンの作用を強めたり、血中でブドウ糖が不足したときに脂肪を燃やして肝臓でブドウ糖を作り出す“糖新生”を促す働きもあります。

 

このようにコルチゾールは、ストレスの火消し役である大事なホルモン。日中にかかるストレスに対抗するため、起床後に大量に分泌されます。朝シャキっと起きられるように、自律神経を調整する働きもあります。

 

ただ、あまりにもストレスが強くなると、コルチゾールが過剰に分泌され続けてしまいます。コルチゾールには免疫機能を抑える働きがあるので、過剰に分泌されると免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなってしまいます。また、コルチゾールは、幸せホルモン “セロトニン”の分泌を妨げるので、過剰に分泌されると、メンタルの状態が不安定になりやすくもなります。

 

さらに、この状態が長く続くとコルチゾールを分泌する副腎が疲れてくるため、逆にコルチゾールの分泌量が減ったり、働きが悪くなります。すると副腎疲労を起こし、疲労感が強くなり、朝起きられなくなったり、気力や体力が出なくなったり、うつっぽくなったりします。ですから、コルチゾールは、多すぎても少なすぎてもダメで、適度に分泌されることが大切なのです」

 

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<コルチゾールのおもな働き>

・ストレスに対抗する
・肝臓で糖を生成する
・筋肉でのタンパク質代謝や脂肪の分解など、代謝を促進する
・炎症やアレルギーを抑える
・免疫機能を抑える
・成長ホルモンの働きを強める
・筋肉を減らし、脂肪をため込む

ストレスを意識的に発散してコルチゾールの過剰分泌を防いで

 

では、コルチゾールを適度に分泌させるためには、どうしたらよいのでしょうか?

 

「ストレスが増えすぎると過剰に分泌されるようになるので、自分なりのストレス解消法を見つけて、意識的にストレスを発散することです。自分のペースを大切にして、その日の疲れはその日のうちにリカバーするよう心がけましょう。睡眠は7時間を確保することもポイントです。

 

また、体を動かすのもおすすめです。現代人は体を動かさず、脳だけを動かしていることが多いですが、脳だけが疲れている状態は最もストレスを感じやすいといわれ、逆に体が疲れていても、脳が元気ならストレスとは無縁でいられるといわれています。ですから脳だけが疲れていると感じたときは、ランニングをするなど適度な運動で、体を動かしてストレスを発散しましょう。

 

そのほか、“マインドフルネス”もおすすめです。マインドフルネスは、近年ブームになったのでご存じの方も多いと思いますが、過去や未来でなく“今”に意識を向け、余計な思考を頭から排除するプチ瞑想法です。マインドフルネスのひとつである“ボディスキャン”もおすすめ。目を閉じて、頭頂、眉毛、目、肩…と自分の体を上から順に細かくスキャニングし、力が入っている場所や、不快感のある部分がないかチェックしていきます。違和感を感じたり、重く感じる部分があったら、そこは自分の疲れやすい部分ということ。意識的にケアをして疲れを取りましょう」

 

 

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【教えていただいた方】

工藤孝文
工藤孝文さん
内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医
Twitter

福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後は大学病院などを経て、現在は福岡県みやま市にある自身のクリニックにて地域医療に注力。専門は糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療、ダイエット治療など多岐にわたり、テレビ・ラジオなどのメディアで医療の最新情報を発信。著書に『「毎日疲れない」にいいこと 超大全』(宝島社)など多数。 工藤孝文先生 著書  

 

写真/Shutterstock 取材・文/和田美穂

 

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