青魚に多いDHA・EPAが糖尿病のリスクを低減する!?
糖尿病の対策には、糖質を控えて血糖値の上昇を抑えることが優先されます。しかし、それだけでなく、タンパク質をしっかりとり、筋肉量が低下しないように心がけることも重要です。
「タンパク質には肉や魚の動物性と、豆類などの植物性があります。その中でも積極的にとりたいのが魚です。
特に青魚にはオメガ3(n-3)系脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を多く含みます。魚由来のオメガ3系脂肪酸の摂取は、心血管疾患の予防など他の健康効果が期待されるため、バランスのとれた食事の一環として適量を摂取することが推奨されています。
調理方法は、揚げたりバターソテーではなく、焼く、煮る、蒸すなど、カロリーを抑えられる方法がベター。魚の種類によっては刺身(生)で食べるのもいいでしょう」(大坂貴史先生)
糖質が多い玉ねぎを減らしてスプラウトたっぷりで!
「カツオの旬は年2回あります。4〜5月頃の初夏の『初ガツオ』は脂が少なくさっぱり、9〜10月頃の秋の『戻りガツオ』は脂がのった濃厚な味わいといわれています。
カツオにはタンパク質やオメガ3系脂肪酸のほかに、タンパク質の働きをサポートするビタミンB6、骨の健康を守るビタミンDなども豊富。生で食べるほうが、それぞれの栄養素が壊れずに、効率よく摂取することができます。
合わせる玉ねぎは糖質も多めなので量を控えて、その分ブロッコリースプラウトの量を増やしました。
ブロッコリースプラウトに豊富に含まれるスルフォラファンは抗酸化作用が高く、最近では、血糖コントロールをする可能性があるとして、糖尿病の予防・改善効果が注目されているようです」(沼津りえさん)

カツオのたたき オニオン&スプラウトの香味だれ
「カツオのたたきは、通常はしょうがじょうゆで食べることが多いのですが、ともするとしょうゆをつけすぎて塩分過多になったり、ご飯が進みすぎることも。そこで、野菜をたっぷり添えて、酢やごま油の風味をプラス。塩分を抑えながら、おいしくサラダ感覚でいただけるおしゃれな一品に」(沼津さん)
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エネルギー114㎉、タンパク質16.1g、脂質2.6g、糖質1.3g、食塩相当量0.7g
【材料・2人分】
カツオのたたき:150g
玉ねぎ:1/8個(25g)
ブロッコリースプラウト:25g
〈たれ〉
しょうが(みじん切り):10g
しょうゆ・酢:各大さじ1/2
ごま油:小さじ1
【POINT】

カツオに玉ねぎをのせ、さらにその上にブロッコリースプラウトを山盛りにのせます。野菜はしっかり水分を切っておくのがポイントです。
【作り方】
1 カツオのたたきを1㎝幅に切り、玉ねぎは薄切りにし水にさらして、たれの材料を合せておく。
2 皿にカツオを並べ、上に水気をきった玉ねぎとスプラウトをのせ、たれを回しかける。
カツオはそのまま刺身として食べてもおいしいのですが、玉ねぎとブロッコリースプラウトをたっぷりのせることで、シャキシャキの食感もプラス。カツオの旨味もアップして、ごちそう感が高まります。
【教えていただいた方】

京都府立医科大学卒業。京都南病院、京都第二赤十字病院を経て、京都府立医科大学大学院博士課程で医学博士を取得。現在は綾部市立病院 内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学 内分泌代謝内科学講座 客員講師。糖尿病と筋肉、糖尿病運動療法が専門。YouTubeやXで医療情報を発信。著書に『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)、『75歳の親に知ってほしい! 筋トレと食事法』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

【レシピ・料理】

管理栄養士・調理師、料理教室COOK会主宰。大手食品メーカーで管理栄養士として勤務。その後、製菓・製パン専門学校に通いながら、老舗洋食レストランで料理の基礎を徹底的に学ぶ。結婚を機に子育てをしながら料理教室COOK会をスタート。シンプルでおしゃれなレシピに定評があり、各メディアで活躍。管理栄養士の知識を生かして、企業向けのレシピ開発も行う。最近ではYouTubeが好評で、著書に『母から娘に伝えるはじめてのLINEレシピ』(ART NEXT)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)、『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)など多数。

撮影・スタイリスト/沼津そうる 取材・文/山村浩子


