知っておこう!
閉経後起きやすい「 11 のトラブル」
更年期~閉経後に起きやすい 11 のトラブルについて解説しています。
「女性のライフサイクルと健康トラブル」

上の図は、女性の人生の時期で見た、なりやすい健康トラブル です。女性ホルモンのバランスに左右されるものが多く、産後 や更年期にはエストロゲンの守りが弱くなるため、生活習慣病 やその人の弱い部分の疾患が出やすくなります
出典/『女性外来ハンドブック こんなときどうする?』女性医療ネットワーク編
今回は、トラブル⑪骨粗しょう症の前編です。
⑪骨粗しょう症
男性に比べ、閉経後の女性の骨密度は圧倒的に低くなります。
骨粗しょう症の原因と対策を、神保眞理子先生に聞きました
神保眞理子さん Mariko Jinbo

1955年生まれ。’79年、東京女子医科大学卒業。東京女子医科大学整形外科等を経て、2003年に神保整形外科を開院。日本整形外科専門 医。日本リハビリテーション医学会認定指定医
撮影/ケビン・チャン
骨粗しょう症は、骨の強度が低くなり、骨折のリスクが高まる病気です。左表のように原因はさまざまですが、そのひとつに閉経があります」と説明してくれるのは、整形外科医の神保眞理子先生です。
「女性ホルモンは、骨細胞のバランスを保つ働きをしています。閉経後に骨粗しょう症の危険度が上がるのは、エストロ ゲンの激減によってそのバランスがくずれ、骨密度が低下するから。下のグラフのように同年代の男性と比べると、圧倒的に女性のほうが低くなっています」
私たちの骨は、新陳代謝を繰り返しながら日々生まれ変わっています。そのメカニズムは、まず「破骨細胞」によって骨が壊され、「骨芽細胞」が血液から吸収したカルシウムやタンパク質を材料に骨を作る、というもの。このバランスを とっているエストロゲンが減少すると、 骨破壊が勝ってしまい、骨形成が追いつ かなくなります。すると骨はスカスカに なって密度が低下してしまうのです。
「人間の骨の強度は、骨密度が 70 %、骨質が 30 %といわれています。骨密度は、今からでも改善できるので、食生活の工夫と運動で、骨密度アップを目指しま しょう」
【骨密度70%+骨質30%=骨の強さ】
次ページに続きます。
「積極的にとりたい、骨を強くする食品」

牛乳、チーズ、豆腐、納豆、ひじき、し らす干し、桜エビ、小松菜、春菊、など

鮭、サンマ、ウナギのかば焼き、マグロ の赤身、卵、しめじ、干ししいたけなど

納豆、ほうれん草、小松菜、ブロッコリ ー、きゅうり、わかめ、ひじきなど
次回は、トラブル⑪骨粗しょう症(後編)/骨粗しょう症のリスクを下げる方法をご紹介します。
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/上田恵子